学研全訳古語辞典 |
とどま・る 【止まる・留まる・停まる】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
とどまる。あとに残る。
出典徒然草 一九
「汀(みぎは)の草に紅葉(もみぢ)の散りとどまりて」
[訳] 水ぎわの草に散った紅葉が残っていて。
②
止まる。停止する。
出典源氏物語 少女
「涙のみとどまらねば、嘆き明かして」
[訳] ただもう涙ばかりが止まらないので、夜を嘆き明かして。
③
中止になる。
出典後拾遺集 秋上
「花山院歌合はせさせ給(たま)はむとしけるに、とどまり侍(はべ)りにけれど」
[訳] 花山院が歌合わせをおさせになろうとなさった時に、中止になってしまいましたけれど。
④
宿泊する。滞在する。
出典大和物語 一四九
「とどまりなむと思ふ夜も、なほ『いね』と言ひければ」
[訳] (男が)必ず泊まろうと思う夜も、やはり(女は)「行きなさい」と言ったので。
⑤
(心や耳に)残る。
出典徒然草 一一一
「ある聖(ひじり)の申ししこと、耳にとどまりて」
[訳] ある高僧が申しましたことが、耳に残って。
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