学研全訳古語辞典 |
うしろ-めた・し 【後ろめたし】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
先が気がかりだ。どうなるか不安だ。
出典源氏物語 若紫
「いとはかなうものし給(たま)ふこそ、あはれにうしろめたけれ」
[訳] とても幼なくていらっしゃるのが、どうしようもなく悲しく先が気がかりだ。[反対語] 後ろ安し。
②
やましい。気がとがめる。うしろぐらい。
出典増鏡 新島守
「賤(いや)しけれども、義時(よしとき)、君の御為にうしろめたき心やはある」
[訳] 賤しい者ではあるが、この義時は、主君に対してやましい心があるか、いや、まったくない。
注意
「うしろめたし」の対義語は「うしろめたなし」ではなく、「うしろやすし」。
参考
「うしろめたし」と「おぼつかなし」「こころもとなし」の違い 三語とも不安感を表す言葉であるが、「うしろめたし」は、物事の成り行きや他人の目が気がかりだという不安を表し、「おぼつかなし」は、対象をはっきりと確認することができないための不安感を、「こころもとなし」は、ようすがはっきりしないため、気ばかりあせってじれったさを感じる気持ちを表す。
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