学研全訳古語辞典 |
せ-かい 【世界】
①
人間界。地上界。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「昔の契りありけるによりなむ、このせかいにはまうで来たりける」
[訳] 昔からの約束があったので、この人間界に参りました。
②
世の中。世間。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「せかいの男(をのこ)、貴(あて)なるも賤(いや)しきも」
[訳] 世の中の男は、身分の高い者も身分の低い者も。
③
あたり一帯。そこらじゅう。
出典方丈記
「くさき香(か)せかいに満ち満ちて」
[訳] くさいにおいがあたり一帯にいっぱいになって。
④
地方。田舎。
出典源氏物語 東屋
「さる東(あづま)の方の、はるかなるせかいにうづもれて」
[訳] (常陸(ひたち)の介(すけ)は)あんな東国の方の、都からずっと遠い地方に引っ込んで。
参考
もと仏教語で、「世」は時間の全体、「界」は空間の全体の意。
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