学研全訳古語辞典 |
やまざとは…
分類和歌
「山里(やまざと)は秋こそことにわびしけれ鹿(しか)の鳴く音ねに目をさましつつ」
出典古今集 秋上・壬生忠岑(みぶのただみね)
[訳] 山里は、秋がとりわけもの寂しいことだ。鹿の鳴く悲しげな声にたびたび目を覚まして。
鑑賞
山里はいつでも心細く寂しいが、秋は特に鹿の声に何度も目を覚まして、よりいっそう孤独感が深まり、堪えきれないほどわびしい気持ちになると言っているのである。「わびし」は、思うようにならなくてやりきれないという、失意の気持ちが根底にある。
やまざとは…
分類和歌
出典百人一首
「山里(やまざと)は冬ぞさびしさまさりける人めも草もかれぬと思へば」
出典古今集 冬・源宗于(みなもとのむねゆき)
[訳] 山里は、冬には寂(さび)しさがひとしお感じられることだ。人の訪れも途絶えて、草も枯れてしまうと思うと。
鑑賞
「かれ」は「離(か)れ」と「枯れ」とをかけている。
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