学研全訳古語辞典 |
と-ぞ
分類連語
①
〔文中に用いて〕…と。▽「と」が受ける内容を強める。
出典竹取物語 ふじの山
「その煙(けぶり)、いまだ雲の中へ立ち上る、とぞ言ひ伝へたる」
[訳] その(不死の薬を焼く)煙は、今でも雲の中へ立ち上っている、と言い伝えている。
②
〔文末に用いて〕…ということだ。▽伝聞あるいは不確実な内容であることを表す。
出典徒然草 八九
「飼ひける犬の、暗けれど主を知りて、飛びつきたりけるとぞ」
[訳] 飼っていた犬が、暗いけれど飼い主とわかって、飛びついたのだったということだ。
語法
①の文末は多く「ぞ」の結びとして、連体形になる。②は係り結びの結び「言へる」などが省略された形である。
なりたち
格助詞「と」+係助詞「ぞ」
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