Lafcadio Hearn(後の小泉八雲)が、松江の情景を描いた「神々の国の首都」(『知られぬ日本の面影』)には、松江市内の町々の様子が細かく記されています。「神々の国首都」は明治23年、松江に降り立ったLafcadio Hearnが最初に住んだ富田旅館を起点に、市内を散策しながらいろいろ語った文章です。まず、おそらく富田旅館の朝の支度の音で目覚め、松江大橋の朝の様子を眺めます。その後散歩に出かけるように新材木町(現在の東本町1丁目辺り?)から大橋を渡って天神町・寺町を巡り、宍道湖沿いの蕎麦屋で夕日を眺め、もう一度天神橋に戻って・・・と言った具合に、市内を巡りながら明治の松江の様子を詳細に語っています。
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実際、Lafcadio Hearnは市内を散歩していたようで、市内のあちこちにLafcadio Hearnが訪れたことを示す説明板を目にすることができます。
Lafcadio Hearnは、その辛い幼少期の体験もあって、子ども達の霊を導く地蔵には特別な思いがあったのだそうです。寺町の龍昌寺境内には小さな地蔵堂と十六羅漢の石像が祀られており、Lafcadio Hearnが時折立ち寄ったと記されています。

ここの地蔵は荒川亀斎の作なのだとか(実はよく知らない)。Lafcadio Hearnが見た地蔵は被災し、2代目。Hearnが見た地蔵は小泉八雲記念館に収蔵されているそうです。

こちらは十六羅漢。所々壊れてはいますが、みなさん楽しそうです。
お松:新材木町って、聞いたことがない町名ですが、現在の東本町?
やや:前回の新大橋の話で紹介した大火の写真は、昭和6年に発生した材木町大火の時の様子です。材木町で発生した火事は、材木町や新材木町、鍛冶町などを焼き尽くしたんだそうです。その跡地に延焼を防ぐための防火道路を配した東本町が作られたのだとか。
お松:へ~、へ~、へ~
- 2022/11/27(日) 18:22:16|
- 小泉さんの散歩道
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神在祭も終わり、急に寒くなり始めた出雲地方です。
まるちゃんは、いよいよ第8波の到来を高らかに宣言。寒さもあって外出しにくいのですが・・・。テレビの向こうのドーハは、コロナなんかお構いなしの大騒ぎ!いいなぁ~。
さて、「しんおうはし」です。現在架け替えが計画されている橋ですが・・・
お松:以前にも紹介された橋名板。「しんおおはし」ではなく、「しんおうはし」ですね。
やや:松江市街地を分断する大橋川には4つの橋が架かっています。西から宍道湖大橋、松江大橋、新大橋、そしてくにびき大橋。で、その中でも新大橋は、実は最も古い橋です。
お松:へ?新大橋が一番古いってどう言うこと?新大橋なのに?
やや:現在架かっている橋の中で、と言う意味です。現在の松江大橋は昭和12年の架橋。新大橋は昭和9年。
お松:昭和9年って言うと、え~・・・1934年!88年前の橋?すんごい古い橋なんですね。
やや:架橋されたのは昭和9年。その後、昭和44年に拡幅されて現在の4車線道路になっています。で、昭和9年より前は・・・。
お松:な・なんですか?また、すごい写真が出てきた・・・この写真は?
やや:例の古いアルバムに残っていた写真です。昭和6年の材木町大火(末次大火)の写真ですが、そこに写っている橋が先代の新大橋。現在の新大橋よりも少し西側に架かっていた橋です。この橋は車が通れなかったので、この大火を受けて車の通れる現在の新大橋が計画されたのだそうです。
お松:へ~、へ~、へ~
- 2022/11/23(水) 14:14:44|
- フォクトレンダーベッサと今時フィルム事情
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あの暖かかった日々はいったいどこへ行ったんでしょう?朝から冷たい雨が降り始めた神在月の出雲地方です。天気は悪いし、週末毎になんだか用事が入って身動きできないし・・・。と言う訳で、前回の在庫でございます。
さて、大山9合目のちょい下の方にある地蔵ヶ池です。
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地蔵ヶ池は、夏山登山道から分かれる道沿いにあり、山頂から周遊できるのですが、回り道になるのでほとんどの登山者が通らないところにあります。
地蔵ヶ池は毎年7月に「もひとり神事」が行われるところで、もひとり神事は、大神山神社奥宮の神職が深夜登山でここに登り、夜明けと共にこの池の水を汲み、薬草(ダイセンヨモギ)を摘み帰る神事です。大山山頂近くに真夏でも涸れない池があることは驚きです。
池のすぐ横にあるのが、石室という名のモルタル製のなにか。実は、元々は大正9年に作られた避難小屋です。
お松:登山道から回り道するようなところに避難小屋があるんですか?
やや:近年まで桝水高原スキー場からここへ向けて大山正面登山道がありました。その急斜面を登り切ったところにあるのがこの石室と地蔵ヶ池です。が、やはり大山にまっすぐ登る道は崩壊が激しかったらしく、正面登山道は現在では通行できません。
お松:その避難小屋が神事に利用されている?
やや:内部には祠が祀られています。

で、石室から地蔵ヶ池を見るとこんな感じ
お松:なんかのんびりした風景ですねぇ?
- 2022/11/13(日) 16:07:55|
- 山寺で修行中
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