シリア難民に纏わる私の世迷言・・・其の3
辞任を表明した ウィンター ・コルン CEO 此方より寸借
9月18日、米環境保護局(EPA) はVWと傘下のアウディの一部ディーゼルエンジン搭載車が、排ガス規制に関する試験をクリアするために違法ソフトウエアを用いていたと発表しました。
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此れを受けてフォルクスワーゲンの株価は急落し、米メディアによると、調査結果次第では、米当局から最大で180億ドル(約2兆1600億円)の制裁金が科される可能性があるとして居ます。
9月23日、ウィンターコルン最高経営責任者(CEO)は、責任をとり辞任しました。
9月25日、新しい最高経営責任者(CEO)に就いたマティアス・ミュラー 氏は、記者会見で、「かつて経験したことのない挑戦が立ちはだかるなかで、(トップを)受けることにした。組織改革を急ぎ信頼回復につとめる」と語りました。
フォルクスワーゲンは、好景気に沸く中国市場での好調な売り上げを背景にして、世界のトップに躍り出る勢いで、ドイツの好景気を牽引する存在であり、今回の不正発覚の報をうけたドイツの政財界の衝撃は計り知れず、EUの先頭に立って全体を纏めてきたドイツの失墜は、EUだけで無く、世界経済に大きな打撃となる事は避けられそうに在りません。
「ギリシャ危機を超える打撃となる」との見方をする経済学者も在り、日本の自動車産業も、ライバルの失墜を、手を叩いて喜んで居れる状況では無い様です。
9月15日 共同記者会見に臨んだドイツのメルケル首相(右)とオーストリアのファイマン首相 此方より寸借
EUのリーダー的な存在で在る、ドイツのメルケル首相の提言に由り、9月22日にブリュッセルで開かれた、臨時の内相理事会では、欧州に難民や移民が多数流入する問題をめぐり、難民ら12万人の受け入れを各国で分担する措置を賛成多数で決定しました。
しかし、EUの臨時内相理事会を提言した9月15日には、フォルクスワーゲンの不正は発覚して居らず、難民問題を取り巻く環境は大きく変わる様相を見せて居ます。
メルケル首相の支持率は、今年に入って徐々に下がって来ており、ディーゼルゲート事件 と呼ばれている今回のフォルクスワーゲンの大失態は、此れに拍車をかける可能性が高いのでした。
多くの難民を受け入れ、「善意の国ドイツ」を全世界に向けてアピールしたかったメルケル首相の方針は、大きく方向転換をしなければ成らないかも知れません。
「質実剛健」を旨とし、自国の「技術力の高さ」に誇りを持ち、「清廉潔白な騎士道精神」を重んじるドイツ国民が、その象徴とさえ考えて居たフォルクスワーゲンの大失態は、ドイツ人のプライドを傷付け、怒りを超えて大きな失望感に苛まれて居るのではないかと感じて居ります。
ある意味、この、自信と誇りの喪失の方が、「シリア難民の問題」
反移民活動を行うネオナチ政党(ドイツ国家民主党) 此方より寸借
EU諸国では、近年、極右政党が台頭し、着々と勢力を伸ばして来て居ます。
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極右政党は、民族主義 を旨とし、民族を政策の中心に据えて居ます。
それ故に、移民の流入には異を唱え、EUに対しても否定的な考え方を持って居ます。
私は、EU諸国で、近年、極右政党が台頭し、勢力を伸ばしている事自体に、それ程の危機感は抱いて居りませんし、或る程度は、右傾化した考えを持つ人々が居る事も、世の中の秩序を保つ事に繋がると考えて居ます。
様々な立場や考えの人間が、色々な意見を戦わせ、議論し合い、程好い場所で折り合いながら道を選択し方向を定めて行く所が、民主主義の最大の長所であると考えて居るからでした。
しかし、今回の様に、大量の難民が一気に流入し、それが要因と成ってEU諸国の経済が混乱して仕舞えば、必ず極右政党が支持され、過剰に力を付けて均衡が崩れます。
ギリシャ危機 に因って経済的な重荷を背負って居るEU諸国ですから、これ以上の難民を受け入れる余力は無いと思います。
「EUのシリア難民危機」と呼んでも良いかも知れません。
今回の「シリアの難民」の問題で、私が最も危惧して居たのは、この状況に他成りません。
更にタイミング悪く、好調な経済状況を背景に、ギリシャ危機を回避する為に、先頭に立って突き進んで居たドイツの経済が、ディーゼルゲート事件を機に失速して仕舞ったら・・・。
これは突発的な出来事で、誰も予測出来なかった状況です。
それだけに対応が難しく、窮状を乗り切るのは極めて困難な事だと思います。
最早、日本の国家も、日本の民衆も、海の向こう側の、無関係な出来事だと、傍観して居られる状況ではなく成って居ます。・・・この事に気付いて戴きたいのです。
政策を誤れば、経済恐慌に繋がりかねない危険を孕んで居ます。
そうなれば、必ず極右勢力が、更なる支持を得て力を付け、EUは決裂して崩壊し、世界は負の時代に逆戻りします。
これが私が予測する、最悪のシナリオです。
自らのエゴの為に、更なる豊かさを求めて、「難民」であると偽り、荒廃する故国を捨て、困窮する人々を見捨て、海を渡り国境を越える輩は、こんな事は想像さえしないでしょうが・・・。
自分の事しか大切にせず、自分さえよければ、母国さえ捨てて仕舞う輩ですから、他国の国益を思い、慎ましく振舞う事など、望むべくも在りません。
こんなアジアの片隅で・・・チビで、デブで、ハゲの、50過ぎの愚者のオジサンが、こんな事を考えて居ます。・・・世迷言でしか在りませんが・・・。
こんな事が現実と成らない事を、心から願って居ります。・ ・ ・ アジアの片隅より