シリア難民に纏わる私の世迷言・・・其の2

南シリアのヤルムーク難民キャンプ 画像は此方より寸借
抑々、私達日本人は、シリアと言う国 について、どれだけの知識を持って居るだろう?
否、シリア難民の事が報じられる様に成る以前まで、どれだけの関心を持って居ただろう?
かく言う私も、以前は・・・そして最近まで、全くの無関心と呼べる状態でした。
親友の住む、イスタンブールを首都とする、親日国であるトルコの南側の隣国・・・中高生の頃の世界史の授業で、世界四大文明 を学ぶ際に、ほんの少し遺跡の名前 が登場する国名・・・中東情勢が報じられた際に、度々登場する国名としか知識は在りませんでした。
地球儀を示されて「シリアを指で指示してください?」と問われて、瞬時に指し示す事の出来る日本人は、100人の内、何人居るでしょうか?
こんなブログ記事を書いている今でさえ、ウィキペディア(Wikipedia)やネットで検索して得た程度の知識しか在りません。
以前のブログ記事、「外に向く目の死角」 や 「悲しい知らせ」 で、日本人ジャーナリストの湯川遥菜さんと後藤健二さんが、ISIL(アイシル) に誘拐された末に惨殺された事を記事に致しました。
以前、此れに関連した事柄を検索して居りました時にヒットし、流し読みしていた記事の事が、最近、シリア難民の事が頻繁に報じられる様になって、無性に気掛かりと成りましたので、うろ覚えの記憶を頼りに検索しましたら、すぐにヒットしました。

ピアノを弾くエイハム・アハマド 画像は此方より寸借
「ISにピアノを焼かれ、私はヨーロッパを目指した。シリア難民のピアノマンの日記」 です。
この記事を読んだ時、映画『戦場のピアニスト』 を思い起こしました。・・・とても気の毒に思いました。
しかし、彼は未だ幸いな人です。
彼の記事の中に、彼は密航業者に60万円を支払って、命辛々、運良く、望みが叶い、ヨーロッパの地に辿り着く事が出来たと在りました。
密航業者に大金をを支払って密航を図り、途中で警備隊などに拿捕されたり、乗って居たボートが転覆して命を失った者も少なくないのでした。
それどころか、密航業者に払う金も無く、シリアを脱出する余力も体力無く、シリア国内を逃げ惑って居る国内難民が、何百万人も居るのでした。
彼は将に、幸いな人なのです。

シリア北西部の町の市場 画像は此方より寸借
そうした国内難民には、国連や赤十字やNGOなどの救済の手も届き難く、正確な情報さえも、なかなか伝わって来ません。
私が本当に気掛かりなのは、逃げ出す術も無く、苦しみに喘いで居られるであろう、シリアの国内難民の方々の事なのでした。
幼い子供が飢えて痩せ細っている姿を想像しただけで、胸が痛み、何もしてあげられない自分の無力さと相俟って、思わず涙が滲んで参ります。
写真を寸借致しましたサイト【地球の旅人 東苑泰子の東遊西撮記】 を見る限りでは、同じシリア国内で在っても、紛争地域から離れた場所では、比較的、平穏な日常生活が営まれて居る様です。
こうした平穏な地域からも、難民として、移住を目的とする人々が紛れ込んで、ヨーロッパに流入して居るのでした。
大金を受け取り、密航を手引きして居る業者が暗躍して居る事も、大きな問題の一つです。
彼等の多くは、ISILと繋がりを持ち、ISILの資金源の一つに成って居ると言われて居ます。
そうして集めた資金により、ISILは戦闘を維持拡大し、更なる難民を産む・・・将に負の連鎖です。
シリアのピアノマン、エイハム・アハマドは、ドイツに辿り着けば難民として受け入れられるでしょう。
しかし、もし、彼が、我が国に難民申請をしたとしても、認定されるのは難しいと思います。
私は彼の事を、とても気の毒には思いますが、彼を難民と呼べるか否かについては、疑問を感じる処が多く、判断しかねます。
私は、料理請負人を生業として居ります。
日曜日や祝日には、結婚式場やホテルの結婚式の披露宴で出される懐石料理を作る為に、厨房に招かれる事も多いのです。
その折、驚くと共に、とても申し訳無く思う事が御座います。
食べ残して廃棄される量の多い事・・・出席者が数百名とも成りますと、その量は半端では在りません。
料理については、心を籠め、自信を持って提供させて頂いて居ります。
好き嫌いも在るでしょうし、アレルギーを御持ちの方も御座いましょうが、全ての来席者の方に、質・量ともに満足して戴ける様な設定にして居りますので、御婦人の方ですと、全てを食べ尽くすのは難しいかと思います。
また、場所柄、ガツガツと食べるのは人目が憚られるでしょうし、プライベートで割烹料理店や料亭に行かれるのとは異なり、時間の制限も御座います。
私個人としては、たべ切れなかった料理は、出来るだけ持ち帰って戴きたいと考えて居りますが、食中毒の関係で、テーブルに並べた料理を持ち帰る事は、原則、断る決まりに成って居ります。
昨日も、結婚式場の厨房に招かれて、披露宴にお出しする舟盛りを造って居りました。
披露宴が終わった後、下げて来られる食べ残しの料理が、ゴミ箱に捨てられて行く様子を視ながら「勿体無いのぉ・・・これだけの食べ物が在りゃぁ、何人の人を救えるじゃろぉか?」と、胸を痛めて居りました。・ ・ ・ アジアの片隅より