キューバとアメリカの国交回復⁉

ラウル・カストロ議長とオバマ大統領
7月1日、キューバ政府との間で54年ぶりに国交を回復し、双方の大使館を再開することで合意したと、アメリカ合衆国のオバマ大統領が発表しました。
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キューバ は、永く続いたスペインの植民地 からの独立戦争 (1868年 - 1902年)以降、旧共和政時代 (1902年 - 1959年)が続き、独立したとは言え、実質はアメリカ合衆国による支配が及ぶ形と成り、1959年のキューバ革命 以降、キューバ危機 を経て、50年以上の長きに亘り、アメリカを筆頭とする西側諸国 との国交の薄い儘、現在に至って居ました。

チェ・ゲバラ と フィデル・カストロ
私が生まれた1961年(昭和36年)に、アメリカ政府はキューバとの外交関係を断絶しましたが、元々は、石油精製会社・製糖会社・電話会社・銀行・商業・工業などを、全てアメリカ資本の大企業が独占し、植民地に対する横暴以上の扱いをした為に起こった結果で在り、アメリカには何の正当性の欠片も有りませんでした。
今回の国交回復が、オバマ政権唯一の成果に成るかも知れません。(ジョンFケネディー 以後の大統領の中で最弱と言われて居ますが…)
アメリカと敵対関係に在ったキューバですが、フィデル・カストロ が親日家で在った事や、地理的・政治的な利害関係を持たなかった為に良好な関係 を保って居り、アメリカとキューバの関係改善を受けて、更なる経済や文化の交流の加速が期待できそうです。(キューバ出身のプロ野球選手 も更に増えそうです)
最も期待できるのは観光業で、外国資本の投入によってインフラが整備されれば、ハワイ以上の観光地に成るのは間違い無いそうです。(若い頃から年に2回以上キューバへ渡航する友人の談で恐縮ですが…)
天然資源が豊富で、農水産物も豊かな為、此れまでアメリカの顔色を伺いながら行われて来た貿易も盛んに成る事が予想されますし、交流が進めば更なる可能性を秘めた国で在ると言えます。
親日国で在りながら、朝鮮民主主義人民共和国 とは強い友好的な関係を保って居り、拉致問題に関して、此れまでにも若干の助力を得て居た様ですが、アメリカとの関係が改善すれば、此れまで以上の協力を得る事が出来るかも知れません。
貿易商をしている神戸の友人は、キューバへの中古車の輸出と輸入を準備して居り、アメリカが経済封鎖により、キューバへの自動車の輸出が禁止され、その為にハバナ街中では、1950年代のクラッシックカーが現役で走って居て、此れを日本へ輸入して整備して売り出そうと言うのが友人の目論みです。
但し、利益を求める為では無く、車好きの友人が、自分や仲間内の趣味の為に行うと言うのが真相の様ですが・・・。

チェ・ゲバラ
フィデル・カストロと共に、キューバ革命を為したエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ は、私が高校生の頃から敬愛する人物で、この事には以前の記事 でも触れましたが、チェ・ゲバラは1959年に来日した際 に、広島市の原爆資料館と原爆病院を訪問してくださった事も有り、その時に彼が語ったとされる言葉は、今も尚、私の心に深く突き刺さって居ます。
学生時代の私は、彼の残した書物や関連書を読み漁り、深く傾倒して居りましたので、その為、キューバや、彼の祖国であるアルゼンチンには特別な思い入れが有るのでした。
今回のアメリカとの国交正常化を、彼だったら、どの様に受け留めるかは分かりませんが、キューバが少し近い国に成った様に思われ、恐らく私がキューバの地を踏む事は無いでしょうが、何と無く喜ばしいニュースに思われ、日本人にとっても、アメリカ人にとっても、キューバの人々にとっても、良い方向に向かう事を祈って居ります。 ・ ・ ・ アジアの片隅より