あなたは今、職場で起こるいじめに悩まされていませんか?
職場内での悪いうわさや集団無視など、いじめ問題に悩まされている人はたくさんいるでしょう。
職場いじめは悩んでいるだけでは解決に至りません。
「我慢すればいい」と放置しておくと、さらにいじめが加速することもあります。
解決策に向かうために、まずは職場いじめに遭いやすい人の特徴を知ることが必要です。
この記事は、職場いじめに起こるいくつかのパターンと解決するために今すぐやるべき対処法を紹介していきます。
今の現状から打破するための参考にしてみてください。
職場のいじめの現状
職場のいじめというのは、個人の問題としてだけではなく、社会的にも深刻な問題となっています。
令和2年の厚生労働省の発表によると、個別労働紛争相談において「いじめ・嫌がらせ」が最も件数が多いです。
上の表を見ると23年度と比較すると約2倍程度増加していることが分かります。
ニュースやSNSを見てみると、社内いじめやパワハラなどの情報が流れてくることも少なくありません。
そうした背景には、まだまだ働きにくい環境や相談しづらい環境があるという事が考えられます。
職場でいじめられやすい人の特徴をチェックしてみましょう
いじめの対象となりやすい人の特徴を紹介します。
まずは自分が該当しているかどうかをチェックしてみてください。
- 仕事を覚えるのが遅い・ミスが多い人
- 自分の考えや意見を相手に伝えるのが苦手な人
- 場違いな発言や行動が多い空気が読めない人
- 陰口や悪口などの愚痴が多い人
- 真面目すぎる人
仕事を覚えるのが遅い・ミスが多い人
なかなか仕事を覚えられなかったり、ミスの多い人は職場でいじめられやすい傾向があります。
いじめをしてくる人は自分より仕事ができなかったり、立場上部下にあたる人に向かって攻撃をしてくる人が多いです。
何度も言ったことが覚えられず、仕事も滞ってしまうことや、ミスを繰り返してしまったことにより、迷惑がる人もいるでしょう。
チームで仕事をすることになった際は、周りのスピード感についていけず、孤立することにもなり兼ねません。
自分の考えや意見を相手に伝えるのが苦手な人
自己主張が苦手なタイプの人も、職場のいじめに遭いやすいタイプと考えられます。
このタイプの人はどんな理不尽な仕事を押し付けられても断れなかったり、意見を求められてもなかなか自分の思ったことが言えないなどの特徴を持ちます。
何でも受け身な姿勢でいるため自信がなさそうに見られ、そういう人は「自分より弱い人間」と思われていじめの標的になる場合があります。
場違いな発言や行動が多い空気が読めない人
職場いじめに遭いやすいタイプとして、空気が読めない人も挙げられます。
グループやチームでやりとりする際、または取引先に上司と出向く際など、その場の空気官というものはとても重要視されます。
このタイプの人は周りが見えていない人に多く、人の話を聞かない・人には厳しく反抗的だけど、自分には甘いなどの自己中心的な特徴を持っています。
また、このタイプは自分が空気を読めていないことに気付いていないことも多いため、いじめの原因が自分にあることに気付かない人も少なくありません。
自分の起こす言動が場の空気を凍らせたり、まずい空気にさせることが周りの人をイラっとさせます。
陰口や悪口などの愚痴が多い人
不平不満など、愚痴が多い人は職場いじめの標的にもなりやすいです。
もちろん日頃の愚痴を聞いてもらう人がいることは大切ですが、不満や愚痴が多い人と一緒にいたいとは思いにくいです。
「疲れた」「帰りたい」「あの上司のことが嫌い」など、愚痴にはたくさんの種類がありますが、愚痴をいったところで問題が解決するわけではありません。
また、愚痴は「誰かに聞いてほしい」という承認欲求が強いため、アドバイスをしたところで意見を主張してきたり、逆ギレしてきたり、非常にマイナスに受け止められることもあります。
愚痴が多いと職場の空気も悪くなり、嫌われる対象になる可能性が高いです。
真面目すぎる人
仕事をコツコツこなす真面目な人は慕われることも多いですが、真面目すぎることは時に職場いじめのターゲットになることがあります。
真面目すぎる人の特徴は、仕事に対して情熱的で、手を抜かずストイックに仕事をこなすタイプなので、上司や部下、リーダー的存在になることが多いでしょう。
自分に厳しい分、他人にも厳しく、ルールや期日など決まりごとにとても厳格です。
そのため、少しでもミスがあったり期日を守れないことが多いと怒鳴ったり、イライラしたりといやな態度が出ることも多いです。
こうした態度が続いてしまうと他人との距離が広がり、「真面目でできる人」から「真面目過ぎる近寄りがたい人」に変わってしまいます。
職場いじめのよくある5つのパターン・例
職場のいじめにも、いくつかパターンがあります。
パターンによって対処法も変わってくるので、職場いじめの5つのよくあるパターンを紹介します。
- 無視や悪口などの過度な嫌がらせ
- パワーハラスメント
- セクシャルハラスメント
- ミスの注意ではなく人格否定
- 休みの日や休み時間がもらえない
無視や悪口などの過度な嫌がらせ
職場いじめで多いのは、過度な嫌がらせ。
小さな嫌がらせがだんだんヒートアップして過度な嫌がらせへと発展するパターンも少なくはありません。
嫌がらせにも、いくつかパターンがあります。
- 無視をする
- 物を隠す
- 陰で悪口を言う
- 周囲の前で批判や馬鹿にする
- 私生活に過度な干渉をしてくる
こういった嫌がらせは一時のものではなく長期的に続くものもあり、精神的ダメージを与えます。
また、大勢ですることもあれば1対1の嫌がらせもできるので、周りから気付いてもらえないこともあるでしょう。
パワーハラスメント
職場のいじめにパワーハラスメントが関わることもあります。
パワーハラスメント(パワハラ)とは、職場内の権力や立場を利用して業務範囲を超えた指示・命令を与え、精神的・身体的苦痛を与えることを意味します。
特に、上司や先輩などが挙げられるでしょう。
何をするにも命令口調でミスをすれば毎回怒鳴られる、時には暴力を振るわれることもあり、反論することができず、精神的苦痛によりうつ病にかかる人もいます。
「ダメ人間」「早くやめろ、消えちまえ」などの過度な暴言は、パワハラとなる可能性が高いです。
セクシュアルハラスメント
職場いじめは嫌がらせやパワーハラスメントだけではなく、男女間・同性間で起こるセクシュアルハラスメント(セクハラ)もパターンとして挙げられます。
セクハラとは、相手の意に反する性的な言動によって仕事をする上での一定の不利益を与えたり、職場環境を悪化させることを意味します。
性的な内容の発言や、性的な関係を強要してくることはセクハラにあたることがあります。ただし、セクハラは明確な定義はありません。
セクハラの基準となるのが「被害者の意に反する性的な言動」または「就業環境が害された」かどうかとなるため、被害者の主観が重要視されます。
そのため、悪気があったわけではないのにセクハラの加害者となってしまうといったケースもあるので、特に男性側は職場内にいる女性との言動に注意しなければなりません。
ミスの注意ではなく人格否定
ミスが起きた時に上司や先輩が発生したミスの原因改善のために起こった事象について、注意や指導することがあると思います。
しかし、起こった事象ではなく、「ミスが起きたのは、お前が人間としてダメだから」などと人間・人格の否定をするケースがあります。
人格否定は、パワハラやセクハラに該当し、いじめになりえます。
また、ミスに対する度の過ぎた注意や指導も、いじめになる可能性があります。
休日や休み時間がもらえない
体調不良や冠婚葬祭、プライベートのためで休みたい時はあると思います。
就職・転職する際に聞いていた休暇制度や休み時間と違ったということも少なくありません。
休みたいのにも関わらず、休みを認めずに出勤させる会社はあります。
また、休んでも良いとは言いつつも、休んではいけないという暗黙のルールや無言の圧力があることも。
雇用主と従業員の関係であると、休みを取りたいと言い出しにくいと思います。
しかしながら、有給をとらせないなどの対応は違法行為となる可能性があるので、よく確認してみましょう。
職場いじめを乗り越える5つの対処法!乗り越え方を伝授
上記で、職場のいじめに遭いやすい人の特徴や職場のいじめの例を挙げました。
次に職場いじめにおける対処法を紹介します。
- 自分の気持ちを相手に伝える
- 相手と距離を置く
- 1人で悩まないで信頼できる人に相談する
- 転職することも視野に入れる
- 裁判所を利用する
対処法①自分の気持ちを相手に伝える
職場内でいじめに遭い、自分ばかり我慢ばかりしているのは辛いと思います。
ハードルは少し高いかもしれませんが、時には我慢せず、相手に自分の思いを伝えることも大切です。
言いたいことを我慢する背景には、「相手から嫌われたらどうしよう」「もっと相手がいじめてきたらどうしよう」などの気持ちがあるでしょう。ただ、口に出して言わないと伝わらないこともあります。
もしかしたら相手との気持ちがすれ違い、悪い空気になっているかもしれませんし、嫌われていると思っていたらそうではなかったということもあります。
相手に気持ちを伝えるときは、まずは自分の気持ちを整理すると良いでしょう。
自分が相手に対して何を思っているのか、何を伝えたいのかを把握し整理することで、相手にうまく伝えることができます。
整理の仕方として、以下のようなことをトライしてみるといいでしょう。
- 思ったことをノートに書き写す・口に出してみる
- 喜怒哀楽の感情に分けて書いてみる
- 起こった出来事を時系列で整理してみる
口に出したり、ノートに書き写すことで自分の気持ちが明確になり話すべき要点を相手に伝えやすくします。
気持ちの整理ができたら、あとは相手に伝えるだけです。
気持ちの整理はできていても行動に移せない人が多いのですが、きっと自分に矢印が向いているからでしょう。
先ほど、言いたいことを我慢している背景として「相手から嫌われたらどうしよう」「もっと相手がいじめてきたらどうしよう」を挙げましたが、これは全て自分に矢印が向いており、行動に移せない原因となっているでしょう。
もちろん、いじめをしてくる相手は「自分は悪くない!嫌な思いをさせた相手に責任がある」といった思いもあるかもしれません。
ただ、相手のしている行動や言動がマイナスであることは確かで、自分以外の誰かも傷ついている人がいるかもしれません。
自分が勇気を持って相手に気持ちを伝えることで、いじめている人に気づきを与えるかもしれません。
気持ちを伝えることは、自分のため・相手のためにも必要です。
対処法②相手と距離を置く
相手との距離が近すぎるため、職場内のいじめが起こっているかもしれません。
特に同僚などは距離が近いことから、思ったことはなんでも言いやすい存在です。
先輩や後輩でも、距離が近くなると”立場”というものを忘れ、嫌なことやイライラなどの感情も出やすくなります。
距離が近いことは、振り回される場合もあるので特に注意が必要。急に態度が一変するなんてことも起こりうるでしょう。
近づいてマイナスになるような人は、距離をとって無視をすることがおすすめです。
対処法③1人で悩まないで信頼できる人に相談する
職場のいじめに関して、1人で悩まず、まずは信頼できる家族や恋人、友達に相談してみましょう。
相談することで気持ちがスッキリするかもしれません。
いじめを辞めて欲しい・改善して欲しい場合は、管理監督者・苦情処理窓口に相談しに行きましょう。
雇用主(使用者)には、安全配慮義務・職場環境配慮義務に基づき、職場のいじめを改善する責任があります。
そのため、いじめが起きたら上司や同僚等の加害者を監督する立場にある管理監督者、または社内に苦情処理窓口があれば、そこへ相談してみましょう。
また、言い出しづらい会社内でいじめの改善が見込めない場合は、労働局に相談しましょう。
対処法④転職することも視野に入れる
無視してもいじめを続けてくる人や物理的に嫌がらせをしてくる人も中にはいます。
職場いじめがいつまでも改善されない場合は、転職を視野に入れることも大切です。
その仕事は、今の職場でないと実現できないことでしょうか?
もし今の仕事に満足をしていて、環境だけが辛い場合は、環境を変えるために転職をするということも1つの手です。
『仕事のストレスの大半は人間関係』と言われているぐらい、職場の環境は大切です。
大半のストレスとなる環境は、自ら行動を起こさない限り変わることはないでしょう。
今のところで我慢して働き続けると、うつ病などのストレスの病気にかかり精神的にも危なくなる可能性もあります。
無理をせず、退職・転職をすると良いでしょう。
また、退職をする際は自己都合退職のように失業保険の給付が3か月かかるものではなく、『会社都合退職』をお願いし、退職してすぐに失業保険の給付が受けられる状態を作っておくと金銭面に困ることがないのでおすすめです。
対処法⑤裁判所を利用する
いじめの度が超えており、どうにかして辞めさせたいという時があるでしょう。
そもそも、簡単に職場を離れられない場合や仕事自体は好きなので続けて行きたいと考える人も少なくないと思います。
職場いじめの被害にあった時に、日時や場所、どのような被害にあったか、相手に伝えたこと、近くに誰がいたかなど、具体的な状況をできるだけ詳細にメモしておきましょう。できるなら録音もしておくといいでしょう。
被害やいじめを受けていることが分かる証拠を残しておくと、のちに解決の糸口となってくれるでしょう。
法的手段で解決するのは、証拠を集める必要がありますので、日々証拠を残しておきましょう。
- いじめの記録が残った日記やメモ
- 暴言や脅しなどの発言を録音
- メールやSNS等の文章
不法行為(民法第709条)等に基づく損害賠償(精神的な苦痛に対する慰謝料)を請求することや、上司や同僚からのいじめの場合でも、加害者である上司や同僚の不法行為責任だけでなく、使用者に対しても、使用者責任(民法第715条)、使用者自身の不法行為責任(民法第709条)を追求できる可能性もあります。
裁判所を利用する場合、1つ懸念点があるとするならば、慰謝料相場は、30万円~100万円前後と言われている点です。
裁判を起こすには、弁護士費用や訴訟などにより時間とお金が必要となります。
また、訴訟をしたとしても費用倒れになってしまう場合もあります。
裁判を起こしたいと思った時は、前もって弁護士の無料相談にてどんな証拠が必要で、いくらかかるのか確認すると言いでしょう。
職場のいじめに悩んだ時、相談できる公的機関を一部ご紹介します。
手遅れになる前に、必ず誰かに相談し、それでもいじめがなくならない場合はこういった公的機関に相談するのも一つの手です。
【職場のいじめ】まとめ
職場いじめのパターンや対処法をご紹介しましたが、いかがでしたか。
未だに相談できずに悩んでいる人や、いじめに悩み続けている人はたくさんいると思います。
いじめに悩まず楽しく過ごしていけるようにまずは勇気を出して行動に移すことが大切です。
そして、決して一人では悩まないでください。
相談できる人は必ず周りにいます。時には自分の思ったことを口にすることも必要です。
あなたのSOSはあなた自身にしか出せないもの。現状を変える一歩を踏み出しましょう。