KH-820(KH-821) 取扱説明書【随時更新】 - 編み物知識ゼロから編み機(brother KH-821)をやるブログ

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KH-820(KH-821) 取扱説明書【随時更新】

KH-821のニットリーダー付属なし版であると教えてもらったKH-820の海外向けマニュアルが、独習の手引きとしてめちゃくちゃ優秀すぎたのでKH-821に対応した内容で情報を整理していこうと思います。

時間があるときに随時更新。(画像はそのうち追加します。)

 

 

 

[P1]

部品名称(Name of parts)

部品名称……キャリジ

1.作動レバー(Row counter tripper)
2.ハンドル(Carriage handle)
3.編目ダイヤル(Tension dial)
4.カムボタン(Cam buttons)
5.糸口(Yarn feeder)
6.選針切替ツマミ(Change knob)
7.キャリジ外シレバー(Carriage release lever)
8.引返シレバー(Holding cam lever)
9.ヒラアミレバー(Cam button release lever)
10.糸案内(Weaving yarn guide)
11.スレッドレバー(Weaving pattern lever)
12.スレッドハケ車(Weaving pattern brush)
13.編地押え(Sinker plate)
14.糸口レバー(Yarn feeder lever)
15.編地押エツマミ(Thumb nut)

 

部品名称……本体

1.ミゾ板(Needle bed)
2.部品箱(Accessories box)
3.糸取棒穴(Yarn Tension unit setting hole)
4.カード送りボタン(Push button)
5.ストップレバー(Card lock lever)
6.送りツマミ(Card feeding knob)
7.補助レール受板(Extension rail holder)
8.編針(Knitting needles)
9.クシバ(Gate pegs)
10.カード差し込み口(Punch card input slit)
11.指示マーク(Carriage direction indicator)

 

[P2]

糸取装置(Automatic Yarn Tension Unit)
補助レール(Extension rails)
カラーウエイト(Claw Weights)
模様版1/1(1/1 Needle Pusher)
※※ 編ダシ小(Cast-on Comb,Short) ※821には付属なし
編ダシ(Cast-on Comb,Long)
タッピ(Latch Tool)
ウツシ2x3(2x3 Transfer Tool)
ウツシ1x3(1x3 Transfer Tool)
カギ針(Crochet Needle)
編針(予備)(Spare Needles)
キャリジ止メ金(Carriage Lock)
パラフィン(Wax)
パラフィンケース(Wax case)
抜キ糸(Cast-on Thread)
手バケ(Hand Brush)
スナップ(Snaps)
パンチカード(Punch Card set)
Lキャリジ(“L”Carriage)
取付金具(Table Clamps)
油差シ(Oil)
カード支エ(Punch card holer pin) [※てま注:holder の誤植?]

フック(Hook)
ベラ(Latch)
ステム(Stem)
バット(Butt)
シャンク(Shank)

 

[P3]

本機の組立方法(Setting up your machine)

キャリジの設置方法(Setting up tye carriage)

糸取装置の組立方法(Assembling the yarn tension)

※ この辺はKH-821の説明書(P4~)を参考に。違うところのみ書きます。

■ KH-820には段数計(Row counter)がついていたようで、取付について書いてありました。821のP4(4)キャリジ止め金を外した後に入ります。

7.ケースから段数計を取り出します。手前に向かって引き、持ち上げて外します。

8.2つの凸パーツ部分に上から差し入れた後、奥に押し入れるようにして取り付けます。

 

■ KH-821説明書のP4(5)編地押エの取付について、もう少し詳しく書いてありました。

10.キャリジを編み機の中央にスライドさせます。(その際、すべての針をできるだけ奥[てま注:A位置?]に揃えておきましょう。)キャリジの白いプラスチック製のつまみネジを緩め、編地押エを挿入します。編地押エは奥まで押し込み、つまみネジをしっかりと締めます。

 

[P7]

編み始める前に覚えておくべき重要なポイント(Important points to remember before you start knitting)

毛糸(Wool)

編み機で編むことができる毛糸には多くの種類がありますが、学習や練習の目的で使用する場合は、標準的な3本撚りのもの(3 Ply yarn)を使用するのが最適です。
糸は高品質なものを選びましょう。何度も繰り返し編むことができるものがおすすめです。

 

毛糸の巻き直し(Winding the wool)

市販されている毛糸はボールや束の形で販売されています。
これらは手で編む場合はゆっくりと解けますが、機械編みはそれよりも速いペースで編むため、毛糸玉が自然に解けるように巻き取り器を使ってすべての糸を緩いボール状に巻き直す必要があります。
こうすることで、編み始める前に糸に結び目や欠陥がないかを確認することもできます。
もし結び目が見つかった場合は、それが段の途中ではなく終わりに来るように調整してください。

 

毛糸のパラフィン加工(Waxing the wool)

太い糸や質感が不均一な糸を使用する場合、使用前に毛糸にパラフィン加工することをおすすめします。
これを簡単にするために、編み機にはパラフィンスタンドが組み込まれています。このスタンドは、糸が通る際に少量のパラフィンを自動的に塗布します。パラフィンは毛糸の毛羽立ちをおさえ、機械を通過しやすくします。パラフィンの痕跡はスチームがけの後完全に消えます。

パラフィンはどんな毛糸にも使用できます。前糸案内の凸部分に取り付けてください。

 

[P8]

糸調子(Wool Tension)

編み機に毛糸を送り込む際の糸調子は糸取装置の上部にある部分で調整します。
糸調子皿の働きにより毛糸の通りを調整します。毛糸の太さに応じてゆるくまたはきつくすることができます。
■細い糸:糸調子を強く(「+」方向)
■太い糸:糸調子を弱く(「-」方向)
推奨:3本撚り毛糸の場合、2つの三角印が合う位置が適切です。

 

編目ダイヤル(Tension Dial)

編目の大きさはキャリッジの編目ダイヤルで設定します。
0〜10の目盛りがあり、目盛りはさらに3つに細分化されています。
■ 0:最も強い調子(編目が最小)。
■10:最もゆるい調子(編目が最大)。
編むものに適切な調子は、通常、編み模様の指示に記載されています。ただし、毛糸のブランドによって異なる場合があるため、編み始める前にスワッチ(ゲージ・試し編み)を編むことをおすすめします。

 

編針の位置(Needle Positions)

ミゾ板の両端には「A」「B」「D」「E」のマークが記載してあります。これらは編針の状態を示します。
■A:使用しない位置(Non-working position)
 →この位置にある針は編みません。
■B:通常の位置(Working position)
 →普通はこの位置で使用されます。
■D:模様編みの位置(Pattern knitting position)
 →キャリッジによって選択された編針がこの位置に移動します。
■E:ホールド位置(Holding position)
 →編み目は針に保持され、解放されるまで編みません。
 →この位置は、ポケットやボタンホールなどの成形に使用されます。

 

[P9]

キャリジをミゾ板の上で動かす際には、すべての針が4つの位置のいずれかに正しく配置されていることが重要です。それ以外の場合はキャリッジを動かさないでください。

 

[P10]

キャリジのはたらき(Functions of the carriage)

キャリジが針の上を動くと、(B位置の場合)編針が順番に動作し自動的に1段が編まれます。
一度キャリジを動かすと、その段を編み切るまでは逆方向に動かすことができません。
段の編み終わりにキャリッジから「カチッ」という音が聞こえるとその段での動作は完了し、逆方向に動かすことができるようになります。

注意事項
段を編み終えた後、キャリジを端の編針からあまり遠くへ動かさないでください。
スプリングの張力が緩み、戻りの動きが鈍くなる可能性があります。

 

カムボタン(Carriage buttons)

キャリジの前面には5つのボタンとヒラアミレバーがあります。これらはさまざまな編み模様を設定するために使用されます。
■スベリボタン(PART)
主にすべり目や類似の模様に使用されます。
両方のボタンが押され、編針がセットされていない場合、キャリッジは針の上を通過しますが編みません。

■同時アミボタン(MC)
フェアアイル模様(Fair-isle patterns)に使用します。このボタンは両方向で機能します。[てま注:フェアアイル模様がよくわかりませんでしたが…単に多色編みっていうことなんかな]
■タックボタン(TUCK)
タック編み模様を作るために使用します。
■ヒラアミレバー(RELEASE LEVER)
押されているカムボタンを戻します。

 

[P11]

引返シレバー(Holding Cam Lever)

このレバーでは「ヒラアミ 1(N)」と「引返シ(H)」が切り替えられます。それぞれ以下の機能があります。
■ヒラアミ 1(N):通常の位置(Normal position)
D、またはE位置の針がB位置に戻ります。
■引返シ(H):ホールド位置(Holding position)
E位置に設定された針は、選針切替ツマミが「引返シ(H)」の場合には編み込まれません。
この機能は、Vネック、丸首、アームホールなどを編む際に使用します。

 

選針切替ツマミ(Change Knob)

このツマミでは「レース編・平編 1(N)」と「模様編 2(H)」が切り替えられます。
■レース編・平編 1(N.L.)
平編みやレース編みの際に使用します。
「レース編・平編 1(N.L.)」に設定されていると、キャリジを移動してもD位置には針が移動することはありません。
■模様編 2(K.C.)
Kキャリジを動かす際にパンチカードによる選針を行います。
特記事項
・ツマミは中途半端な位置に止めずに各ポジションの矢印マークにしっかり合わせてください。
・レース編みに使用するのは「レース編・平編 1(N.L.)」です。

 

キャリジ外シレバー(Carriage Release Levers)

キャリジには右側と左側に外シレバーが2つあります。キャリジが途中で詰まってしまった場合は、両方のキャリジ外シレバーを可能な限り開いて取り外してください。

 

[12]

スレッドレバー(Weaving Levers)

スレッドレバーはスレッド編み(Weaving patterns)に使用されます。
■ヒラアミ(N)=下:通常の位置(Normal position)
■スレッド(W.T.)=上:スレッド編みの位置(Weaving pattern position)

 

段数計(Row Counter)

段数計の数字は、ダイヤルを左から順に矢印の方向に回すことで「0」にリセットできます。
使用方法
段数計を使用する場合は、作動レバーを作動位置にセットします。
段数計を使用しない場合は、作動レバーを休止位置に戻してください。

 

[13]

編む準備(Preparing to knit)

ステップ1 - キャリジ

写真は覚えておくべきキャリジの設定です。
1)編目ダイヤルを7にします(中程度の太さの糸に適します)。
2)スレッドレバーを両方とも「ヒラアミ(下)」にします。
3)選針切替ツマミを「レース編・平編 1」に設定します。
4)引返シレバーを「ヒラアミ 1」に設定します。
5)ヒラアミレバーを操作して全部のカムボタンを解除し、平編みができる状態にします。

ステップ2 - ミゾ板

1)部品箱から模様版1/1を取り出し、中央の「0」位置から両側に30本ずつ、合計60本の針をB位置に移動します。
2)キャリジを往復させ、これらの編針がまっすぐ整列するように整えます。
3)キャリジがミゾ板の右端に来るように移動させておきます。

 

[P14]

ステップ3 - 糸取装置

※ この辺はKH-821の説明書(P9~)を参考に。

[P15]

ステップ4 - 編み出し (CASTING ON)

※ この辺もKH-821の説明書(P9~)とほぼ同一なのですが、より詳しかったので書いておきます。

1)編出シ(小)両端のレバーをまわしてクシバに引っ掛けて設置します。右側と左側の50番目の針の間に編出シのクシがかかるように、中央基準で位置を合わせます。
[※ てま注:編出シ(小)はKH-821には付属していないのとちょっとわかりにくいので、編出シのかけ方はKH-821説明書のP10の(6)を参考にした方がいいです。そっちの方が親切。]
編目ダイヤルを「7」に設定します。
2)糸口レバーを左に動かしたまま、糸カケに休ませていた糸を外して「(色糸)側」の糸口から糸を通します。その後、糸口レバーを戻します。
左手で糸を下から、右手で糸を上から保持して行います。
補足:「(色糸)側」の糸口はフェアアイル編用です。詳細は後述します。

[P16]

3)キャリジの下側の糸を引っ張り、糸取装置を通して糸のたるみを取ります。これにより糸取バネが前方に曲がる状態になります。
4)糸を左手で保持したまま、右手でキャリジを動かします。カチッと音が聞こえるまでスライドします。
これで、キャリジが通過した編針と編出シのクシに作り目ができたはずです。
もし端の針が「B」位置から動いてしまった場合は、手動で押し戻してから作業を続けてください。
5)編出シ両端のレバーを同時に回しクシバからゆっくりと外します。これにより編出シのレバー部分がクシバから外れ、ゆっくりと下に落とすことができます。[※てま注:この文章が解りにくいのですが、編出シ両端のレバーを回してクシバに引っかかった部分を外し、そのままできた作り目にぶら下げる形にしとくっていうことです]
注意:作り目は緩いので、編出シを垂直以外の位置に動かすと外れる可能性があります。
6)編出シのカギからキャリジに向けて糸を引き上げます。このとき、最後の編出シのカギの下、端の針に隣接する位置を通り、他の糸より上に配置します。[※てま注:ここもわかりにくい…図の状態になってればいいです!] 

 

[P17]

7)編目ダイヤルを「5」に設定して、次からの段をゆっくりと編み進めます。
6~8列編んだら、編出シを後ろに傾けて取り外します。
数列編み進めた後、編地を外します。
糸を糸口から外した状態でキャリッジを動かすと編地が外れます。

 

この方法を2~3回繰り返して編出しの練習をしましょう。

 

これでかんたんな方法の編み出しができるようになりました!
この方法は衣服の作成には使えませんが、スワッチの作成や実験的な試し編みのときに便利なはずです。
別の編み出し方法については別途後述します。

 

自分側にできる面の状態が編地の裏側「裏編み(The purl side / wrong side)」の状態です。裏編みはこのように見えます。

自分から離れた側にできる面が編地の表側「表編み(The plain side / right side)」の状態です。表編みはこのように見えます。

[P18]

キャリッジが詰まった場合の対処法と、一段をほどく方法

1)編地押エツマミを緩め、キャリジから編地押エを外します。
2)キャリジ外シレバーをめいっぱいに動かし、ハンドルを持ってキャリジを持ち上げます。その後、作業中の段が始まる側に戻します。
3)糸を糸送り装置に入れたまま、編地押エをキャリジに戻し、編地押エツマミをしっかり締めます。
4)最後の一段をほどきます。

 

一段をほどく方法

1)糸を横方向に少し引っ張り、上に持ち上げます。すると、目が針から外れ、次の列の目が針にかかる形になります。
2)横と上に糸を引っ張り続け、4~5目ずつほどいていき、キャリジが詰まった箇所に到達するまで進めます。
3)後方(糸玉の側)から糸を下に引っ張り、たるみを解消して、糸取バネが作動している状態にします。
4)キャリジと針の間にたるみがないことを確認するために、キャリジを左右に少しだけ動かします。(作業中の針を横切らないよう注意する)
5)段数計の数字を調整します。

編み地を作らずに作業中の針の上をキャリッジで通過する必要がある場合は、カムボタンで両方の「スベリ」ボタンを同時に押し、引返シレバーを「引返シ」に設定してください。選択されている針があれば、それを「B」位置に戻してからキャリジを通過させます。[てま注:選択されている針ってなんだろう…C位置にある針ってことかな?]

パンチカードを使用して編んでいる場合は、「間違いを修正する方法(P62)」を参照してください。