井の頭恩賜公園を舞台にした短編映画「吉祥寺ゴーゴー」が10月30日、吉祥寺パルコ(武蔵野市吉祥寺本町1)地下2階にあるミニシアター「アップリンク吉祥寺」で初公開される。
写真館委員会の本田拓夫さん(左)と監督を務める籔下雷太さん(右)
2009(平成21)年設立の「吉祥寺今昔写真館委員会」によるプロジェクトの一環として制作された。同委員会の本田拓夫さんは「昔の吉祥寺の写真を収集・整理し、これまで写真展を行ったり、写真集を発表したりしてきた。もともと映画に長く関わってきたので、今回何か写真に関わる記録として、映画という形で残せるようなものが作れたらと考えた」と振り返る。
1970年からタイムスリップし現代の井の頭公園にやってきた亜紀とマリが、毎年同じ日に写真を撮り続ける一人の老人と出会うところから物語は始まる。監督・脚本を手掛けた籔下雷太さんは「70年代ごろの映画が好きで、その時代の人物が現代に来たらどうだろうかと考えた。自分が生まれていない時代に思いを馳せたり、憧れたりできるのも『写真や映画のおかげ』という思いも作品に込めた」と話す。
亜紀役は劇団東京乾電池の一員、佐々木春香さん。マリ役は「MAN-RIKI」のヒロイン、小池樹里杏さんが務める。老人・桜井役は五頭岳夫さん。
本田さんは「『吉祥寺今昔』というタイトル案もあったが『ゴーゴー』に決まった。ちょうど『Go toキャンペーン』などが行われ、吉祥寺に足を運んでいただく来街者に向けてもふさわしい名前になったのでは。委員会活動の中では、知られざる吉祥寺の話もたくさん出てくるが、昔からの歴史があって今の吉祥寺がある。時代が変わっても、その源になるのが井の頭公園だったのではないかと思っていて、今回の映画にはそれがよく描かれていると感じた」と話す。
同公園を舞台にした2017(平成29)年公開の映画「PARKS(パークス)」を監督した瀬田なつみさんが手掛ける新作「ジオラマボーイ パノラマガール」の公開を記念し、「PARKS」と同時上映する。合わせて劇場で、同委員会と武蔵野市開発公社、ぶんしん出版が2018(平成30)年に3者連携で編さんした「吉祥寺今昔写真集」や、「井の頭公園100周年写真集」も販売する。
11月5日まで。