武蔵野市立吉祥寺美術館(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-0385)で、1月10日から吉祥寺を拠点に活動した画家・小畠辰之助さんの作品を展示する展覧会『吉祥寺のモダニスト 小畠辰之助』が行われている。
小畠さんは、1892年生まれの画家。生まれ故郷の京都で鹿子木孟郎(かのこぎ たけしろう)さんに師事した後上京、黒田清輝(くろだ せいき)さんの下で画技を研いた。日本画家の小畠鼎子(こばたけ ていこ)と結婚後は、吉祥寺に居を構え、1977年にこの世を去るまで吉祥寺で生涯を過ごした。記者や美術教師などの仕事の傍らで、組織に属さずに淡々と制作を続けた小畠は「清潔でよい絵を描く」ことを信条とし、自然光を取り込んだ、はっきりとした作風ながらも柔和な画風が特徴。画家をはじめ文学、演劇などに携わる文化人らと広く交流し、晩年は俳誌『萬緑』の表紙画を長く手掛けていた。
同展覧会は、同館が所蔵する約30点の作品を一挙に公開する初の機会となる。貴重な関連資料もあわせて展示し、「洒落者(しゃれもの)」としても知られていたモダンな文化人であった人間像にも迫る。
会期は、2月22日まで。時間は10時~19時半まで。