いちご狩り
怖いもの知らず
「いちご狩り、出来ますか?」
車を止めて、椅子の一杯並んだ小屋風の建物の中に入っていった。
私ぐらいの年齢の人が「はいはい」と言いながら、私の後ろを探すふうに見た。
「一人ですか」はい、そうです。「へぇ~、県外ナンバーだけど、貴女が運転して?」
そうよ、と言いながらいつも同じ様な質問を受けるので、いつもの様に応えます。

ここは岐阜県、関が原の伊吹山の麓の「苺農園」帰り道の、寄り道なんです!
東名高速を通るたびに気になっていた関が原というトコロ、今日は下りました。休みの日早朝飛び出して9時過ぎの美しい山なみ「伊吹山ドライブウェイ」を走って来たんです。
その話は後回しして(もったいぶってます)
こんなふうに、家から400キロもぶっ飛ばしてドライブするおばあになったいきさつのひとつ、お話しましょうか!
話せば長くなりますが。短くいきますね。

今から20数年前、息子が大學に決まったのは神奈川県でした。
そこで下宿を決めに親子して上京することになりました。寒い2月下旬の事です。
「車で行きたい。新幹線は嫌だ」と言い張ります。私のシゴトの関係で、寒い夜、雪がぱらつく空を見ながら出かけることに成りました。まぁ、怖いもの知らずの親子ですな。
京都を過ぎた栗東と言う所で、タイヤチェーン装着の無い車は下ろされました。降りてからも雪降る鈴鹿山を通らなければ名古屋まで出られないのです。とっても危険な道中でした。
どこかで売ってるさ、チェーンは有るさ・・・って、真夜中のGSに何軒か寄りましたが、この車種に合うのが無い。簡単に降りてきたけれど国道1号線にも雪はワンサカ有る。
通って通れないことはない・・・というガソリンスタンドのお兄ちゃんの言葉を頼りにノロノロ行くことにしたのです。その時の事は!あぁ~、夢中で覚えてない・・・って言うのは嘘でよくぞご無事でって感じです。又の機会にお話しましょうか!
栗東から名古屋まで4時間も掛かりました。今は1時間位で行かれる所の様な(冷汗)
それでも12時間掛けて神奈川の目的地に辿り着きました。怖い怖い道中でした。
実は、生まれて初めての長距離運転でした。これがいけなかった!
それからというもの・・・。結構遠くても平気で出かけるようになったのです。

20年の間には、何度か車で出掛けることが有りました。向うで足回りがとっても便利なんです。田舎人間は電車に乗ること苦手な面がありますね。私の住む町から息子宅まで750キロ、それを三つに区切って大阪ー名古屋ー神奈川という目安で出かけます(参考までに東京ー大阪間は500キロ位ですかね)

東名高速の関が原、名神高速の神戸、ここはゲリラ嵐の多いところ、晴れの日でも雨が降ったりします。雨の日はご用心のところ。それでも歴史が大好きな私には「関が原」って言う文字がいつも踊りこんでくるところなんです。降りたいな・・・と思いながら通る地名です。

休みの日、伊吹山のお花畑に登ることに決めました。これも話せば長くなりますが。
実は、一泊二日で遠州のツアー申し込んでいました。キャンセルが多く、別の日に編入
更に、キャンセル続きで別の日にしたけど取り止めに決定。その日がポッカリ空きました。
「静岡は遠いけど、岐阜くらいなら行ってもいいか!」と一人で決めました。
片道400キロの路は通過した県も岡山、兵庫、大阪、京都、滋賀、三重、そして岐阜県!
私のこの行程を聞いた人はみんな吃驚します。

朝、9時前に降り立った「関が原・合戦の跡」は明るい日差しの中、吹く風も優しく暖かく迎えてくれました。とっても来たかった所なんです。その時の様子は別の機会にお話しますね。
イチゴ園の奥さんは見立てどおり私と似たり寄ったりの年齢、それでどうした、それからどうなった・・・って。珍しい生き物を見るような目で今日の私の行程を聞きたがりました。何もかも驚きの様なのです。長時間の運転で、たっくさんの言葉が溜まっていたアタシもしっかりお喋りしました。
「子どもさんが来たら、このカゴ3杯も持ってきて食べます。営業にはならないんよ」
ヒマなことが、楽しく嬉しそうに語ります。道楽家業って云う感じ。ひとしきりお喋り!

夢の夢だった、関が原見学、ひょんな調子でいちご狩りのオマケ付きになっちゃった!
でも、とっても楽しかった! 苺は余り食べなかったよ。カゴ一杯貰って帰るといったらミルクを一本つけてくれた。小粒だけど美味しい苺だった。何より新鮮だった!
by kazumi1713 | 2011-05-18 21:16