2015-01-01から1年間の記事一覧 - Sideswipe

Sideswipe

情報工学、計算論的神経科学など、真面目なこと書くブログ。お仕事の話は Twitter: @kazoo04 にお願いします。

2015-01-01から1年間の記事一覧

汎用人工知能

これは 人工知能アドベントカレンダー の25日目の記事です。最終日です。ここまで紹介してきた情報を元にして、汎用人工知能を作るために必要な理論と技術をあらためて見ていきましょう。 脳全体のモデル 比較的よく見られるものを紹介します。まず、脳をお…

言語のモデルと意識

これは 人工知能アドベントカレンダー の24日目の記事です。今回は前回の小脳のモデルとは異なり、まだ明らかにされていない部分が多い言語や意識について関連研究を見ていきましょう。両者は全く異なるように思えますが、あることが意識に上っているか(ア…

小脳のモデル

これは 人工知能アドベントカレンダー の23日目の記事です。小脳は文字通り大脳と比べると小さな器官で、多少損傷してもなめらかな運動ができなくなるといった程度で、昔は運動の微調整のための器官であると思われていました。しかし、脳全体の1割程度しかな…

大脳基底核のモデル

これは 人工知能アドベントカレンダー の22日目の記事です。大脳基底核(basal ganglia)は古くは運動制御に関わっていると考えられていましたが、今では運動制御はもちろんのこと、感情、学習など幅広い部分で主要な働きをしていることがわかっています。大脳…

海馬のモデル

これは 人工知能アドベントカレンダー の21日目の記事です。海馬の生理学的な話はアドベントカレンダー9日目で扱ったので、併せてご覧ください。kazoo04.hatenablog.com 海馬の機能 海馬(hippocampus)がどんな機能を担当しているのかをおさらいしておきま…

運動野のモデル

これは 人工知能アドベントカレンダー の20日目の記事です。今までは主に感覚器、つまり入力を扱いましたが、今回は出力について扱います。 今もさまざまな生物を模したロボットがあり、人型ロボットも今では珍しくなくなりましたが、どうしても動きを見てい…

聴覚野のモデル

これは 人工知能アドベントカレンダー の19日目の記事です。視覚野に続いて、聴覚野のモデルについて考えてみましょう。 ただ、視覚野と比べると聴覚野は不明な点が多く、一次聴覚野(A1)はまだしもA2以降の連合野のことはあまりわかっていません。それでも一…

視覚野のモデル

これは 人工知能アドベントカレンダー の18日目の記事です。今日からは、脳の代表的な部位に対して、いかにして計算機で再現するかといった部分を見ていきます。 視覚野を再現するには 視覚野の働きを再現するときの主な方針としては、以下のようなものが挙…

遺伝的アルゴリズム

これは 人工知能アドベントカレンダー の17日目の記事です。Advent Calendar 2015ランキング - Qiita によれば購読者数ランキングで3位になったそうです。最近は内容があまり充実していませんが引き続きよろしくお願いします。そろそろ機械学習の話も終わり…

ディープラーニング

これは 人工知能アドベントカレンダー の16日目の記事です。最近もっとも注目を集めている Deep Learning について見ていきましょう。なお、ニューラルネットワークとディープラーニング、人工知能との関係については、以下のエントリも併せてご覧ください。…

ニューラルネットワークとパーセプトロン

これは 人工知能アドベントカレンダー の15日目の記事です。今回はニューラルネットワークについて扱います。ニューラルネットワークはかなり歴史が古く、流行ったり廃れたりを繰り返しながら少しずつ進歩を遂げてきました。今日では、Deep Learningによって…

強化学習

これは 人工知能アドベントカレンダー の14日目の記事です。人工知能アドベントカレンダーも半分以上終わりました。今回は筆者の体調が最近思わしくないため、短めでいきます(後日加筆修正があるとおもいます)。強化学習(reinforcement learning)は、教師…

教師あり学習

これは 人工知能アドベントカレンダー の13日目の記事です。教師あり学習(supervised learning)は、「機械学習といえば教師あり学習」といってもいいくらいの機械学習を代表する一分野で、なにかを認識したり、予想したりするために必要な手法です。ここでは…

教師なし学習

これは 人工知能アドベントカレンダー の12日目の記事です。前回は機械学習の大まかな解説をしました。今回はそのうちの教師なし学習(unsupervised learning)について詳しく見ていきましょう。 教師なし学習とはなにか 教師なし学習は、学習対象のデータはあ…

機械学習

これは 人工知能アドベントカレンダー の11日目の記事です。 機械学習とはなにか? 機械学習は、人工知能*1を実現するための一連の理論・手法です。簡単にいえば、もともとは計算する機械(今で言えば電卓)として生まれたコンピュータに、人間のような自分で…

高次脳機能障害と分離脳

これは 人工知能アドベントカレンダー の10日目の記事です。今回は少し心理学よりの話を中心にします。 はじめに 謎の仕組みで動いている非常に複雑な機械があったとき、まったく解析の手がかりがなくても、ある部品を取り去ると特定の機能だけ働かなくなる…

記憶

これは 人工知能アドベントカレンダー の9日目の記事です。生理学よりの話は今回で最後です。記憶の概要について見ていきましょう。 記憶の分類 一口に記憶といっても、その種類は様々です。様々な分類方法がありますが、今回はもっとも一般的な物を紹介しま…

言語

これは 人工知能アドベントカレンダー の8日目の記事です。大脳のうち、言語(話す、聞く、読む、書く)に関わりの強いところを言語野、言語中枢(language center)とよびます。特にブローカ野とウェルニッケ野が有名ですが、ヒトで特に発達した言語機能につ…

五感

これは 人工知能アドベントカレンダー の7日目の記事です。今回のテーマは五感ですが、視覚、聴覚、体性感覚(触覚)の3つをメインに触れます。ロボット的には嗅覚と味覚センサは一般的ではないですしね。 視覚 視覚は非常に複雑なプロセスで処理されており…

小脳

これは 人工知能アドベントカレンダー の6日目の記事です。小脳は他の部位と違って、比較的わかっていることが多い部分です。今回はこの小脳について解説します。 小脳は霊長類はもちろん、魚類から哺乳類にいたるまで、種を超えて脊椎動物すべてに共通した…

間脳・中脳と大脳基底核

これは 人工知能アドベントカレンダー の5日目の記事です。脳は大脳、中脳、小脳からなっており、大脳はさらに終脳(大脳半球とも言う。脳の大部分を占める、しわで覆われた組織)と間脳から構成されます。 中脳 中脳(midbrain)は、間脳と橋(pons)の間にあり、…

大脳新皮質

これは 人工知能アドベントカレンダー の4日目の記事です。大脳は、大脳半球(cerebral hemisphere) という左右2つの部位に分かれています。いわゆる右脳と左脳というものにあたります。 両者は完全に分離しているわけではなく、脳梁(corpus callosum, CC) に…

ニューロンの概要とそのモデル

これは 人工知能アドベントカレンダー の3日目の記事です。ニューロン(Neuron) または神経細胞は、脳を構成する最小単位であり、端的には信号を受け取り、別のニューロンへまた送っていくという役割をしています。機械学習のニューラルネットワークとよばれ…

脳の概要

これは 人工知能アドベントカレンダー の2日目の記事です。 はじめに 脳は言うまでもなく動物の知性の中枢であり、この器官を持つからこそ、私が書いたこの文章をあなたが読めるわけです。 この 1.5 kg 程度のピンク色の器官は、多数の神経細胞が相互に接続…

知能と技術的特異点

これは 人工知能アドベントカレンダー の1日目の記事です。 はじめに 本アドベントカレンダーは25日間をかけて、知能、あるいは人工知能(あとで触れますが、正確には汎用人工知能を指す)について、それを理解しまた実現する技術について、広く浅く解説と紹…

人工知能は Deep Learning によって成されるのか?

知能とはなにか? Deep Learning はなぜ人工知能足り得ないのか?

C++ポケットリファレンスを著者の方から頂いたのでレビュー

「C++ポケットリファレンス」を著者の方から頂いた。 レビューを書く約束だったのだがずいぶん長い間放置してしまった。申し訳ない。C++ ポケットリファレンス作者: 高橋晶,安藤敏彦,一戸優介,楠田真矢,道化師,湯朝剛介出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2…

なぜドレスの色の錯覚はおきたか?-色の恒常性-

ドレスの写真って? インターネットで見る人によって二通りの色に見えるドレスの画像が話題になっていました。結論からいえばこのドレスは青と黒なのですが、「青と黒に見える」派と「白と金に見える」派に分かれるのです。あなたはどちらに見えますか? 引…