モモンガよ、お前もか!お腹が蛍光ピンクに光るアメリカモモンガ|カラパイア
メインコンテンツにスキップ

モモンガよ、お前もか!お腹が蛍光ピンクに光るアメリカモモンガ

記事の本文にスキップ

25件のコメントを見る

著者

公開:更新:

この画像を大きなサイズで見る

 カモノハシトビウサギ、そしてヤマネサソリなど、「生物蛍光(生物発光)」する生物が続々と発見されている。さらに哺乳類にも光るものがたくさんいることがわかって来た。

 北米に生息する「アメリカモモンガ」もその仲間に加わっていたようだ。

 アメリカはウィスコンシン州で撮影された映像では、腹部がピンク色に発光する様子がとらえられていた。

それは偶然の発見だった

 2019年1月23日付の「Journal of Mammalogy(哺乳類学ジャーナル)」で、アメリカ・ノースランド大学の学者たちが、北米のモモンガの生物蛍光についての論文を発表した。

 共著者の1人で森林学者であるジョン・マーティン教授は、ある夜のこと、ウィスコンシン州の森の中でUVライト(紫外線ライト)をかざして、発光する植物やキノコなどを探していた。

 すると何かの鳴き声が聞こえたため、そちらにブラックライトを向けてみた。

 その瞬間、マーティン教授の目に飛び込んで来たのは、蛍光ピンクに光りながら木の幹を動き回るアメリカモモンガの姿だった。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:@IPRNewsRadio

 一体なせモモンガまでもがUVライトで蛍光ピンクに光るのか?その理由は依然として謎だが、これまでの仮説の中には以下のようなものがある。

 実はモモンガの捕食者となる猛禽類の中には、腹部がピンクに発光するものがいる。彼らに仲間だと思わせて、襲われるのを防いでいる可能性もある。

 だが逆を考えれば、もしかすると猛禽類のほうが、獲物に仲間だと思わせ油断させるために光を発するようになったのかもしれない。

 恋のアピールに関係するのでは?という説もあったようだが、季節を問わず一年中光っていること、オス・メスに関係なく同様に光を発することなどから、現在ではその線は薄いと考えられているようだ。

 また、夜の闇に覆われた真っ暗な森、あるいは雪に覆われた真っ白な森の中で、仲間を見つけやすいように光っている可能性も捨てきれない。

光る生き物のリストは増え続けている

 かもしれない・可能性ばかりの話になってしまったが、実際に彼らがなぜ光るのかについては、学者たちの努力にもかかわらず、いまだ完全には解明されていないのが現状である。

 なんせ、「光る動物」は続々と発見され続け、もしかしたら光るのが当たり前なのでは?と疑いたくなってくるのだ。

 カラパイアで紹介したトビウサギカモノハシヤマネウォンバットのほか、ポッサムやオポッサム、コウモリ、さらには犬や猫にコアラ、キツネ、クマ、ヒョウなども、蛍光することがわかってきている。

 確かなのは、闇の中で何かがぼーっと光る様子は、実に魅惑的に見えるという事実だ。キノコ然り、地衣類然り、そして哺乳類や鳥類も然り。

 いつかその謎が解明する日も近いかもしれないが、きっとそれでも美しく光る彼らの魅力が陰ることはないだろう。 

References: Shocking Little Animals That 'Glow Pink' Are Stumping Scientists - The Dodo / Flying Squirrels Glow Fluorescent Pink Under Ultraviolet Light | Smithsonian

同じカテゴリーの記事一覧

この記事へのコメント、25件

コメントを書く

  1. 人間も光るよっ!               血液がね          

  2. 想像だけど雌雄でも光り方が違う可能性ありますね。
    明け方のまだ可視光では暗い状態で紫外線はもう照り始めている時間帯の活動状況なんかも関係しているかも?日本語でいうところの暁はちょっと早すぎかな、曙かそのちょっと前の東雲か。まぁ普通は紫外線を見ることはできませんからいつ頃多いか知らない人多いですが日の出前から意外と多いんですわ。もう日の出はすごく遅くなりましたね

  3. 人間には見えてないだけで夜の森はとてつもなくカラフルに輝いてるのかもしれないねー

  4. いままではUVライト、紫外線ライトをあてて生物をみるなんて
    学者だってそんなにしなかっただろうから、光る動物は今後も増えていくのはわかる

  5. 鳥や昆虫には紫外線視覚を持つものがいることは昔から判っていたが、じゃあ紫外線だとどう見えるのかというのは、せいぜいそれらの鳥や昆虫が利用する花に関しての話くらいしか聞いたことが無い。
    紫外線や赤外線のような人間の可視光以外で自然全てを見直してみるとものすごい発見があるのかもしれない。さすがに電波やX線視覚をもつのはないだろうけど(笑

  6. 周辺の生物の可視光範囲を調べたりはしてないのかな?それを調べたらどの生物に向けて光って見せているのかわかりそうだけど
    あとは保温性能やらクッション性だとか毛の機能的なもののための成分や構造からくる副産物的なものかもしれないね

    1. 蛍光性を持つダイヤモンドは、白く濁ったような色になるのだとか
      腹に蛍光物質を持つということは、地上側の生物の可視領域や色覚によっては、空と同化するような色に見えるのかもしれませんね
      昆虫食のモモンガには多少有利なのかもしれないですね

  7. 動画のモモンガは思いっきりずり落ちてるけど、お腹の発光にビックリしたのかな?
    それとも、もともとそう見えていてたまたまずり落ちたの?

  8. だってモモンガさんのおなかに、赤い玉がありますやん?

    「我が至高なる力に喝采せよ」

  9. 猫のサイレントニャーが人間の耳には聞こえないのと同様だ
    人間以外の生き物なら人間には見えないものが見えてることはあるだろ

  10. “その瞬間、マーティン教授の目に飛び込んで来たのは、蛍光ピンクに光りながら木の幹を動き回るアメリカモモンガの姿だった。”
    まさしく見たままを表した文章のはずなのになぜこんなにパンクでチャーミングなのか

  11. そういや人間もブラックライトでひかるよね、歯だけ
    ブラックライト当てて光らない歯してたらインプラントなのバレる😂

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

動画

動画についての記事をすべて見る

最新記事

最新記事をすべて見る