「RULE DESIGN」読みました
「数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する(以下RULE DESIGN)」を読みました。
ゆるコンピュータ学ラジオを観て、ものすごい面白そうだなと思い買っていた本です。冬休みに読みました。冬休み、漫画も含めて20冊くらい本を読んだのですが、ベストといって良いくらい良かったです。オススメです。
「RULE DESIGN」の良かった点
- 表紙に実はおしゃれすぎる深い意味が隠されている
- ルールのもつ正の力と負の力を認識できる
- AI時代のルールデザインにも対応している
表紙に隠された深い意味
実は表紙のデザイン(装丁といいます)、世界一古いルールである「ハンムラビ法典」と未来のルールである「ロボット三原則」が書かれています。
しかもYouTubeでポロッと言っていますが、自分でこだわって考えているのに、おおやけに自分から全くアピールしないという奥ゆかしさ。もはや狂気では??
ちなみに自分の書籍では、装丁にこだわるという発想は一切なく大体出来上がってから「こんな感じですー」と教えてもらい知るという体たらくです。ただ、一般的にはそんなものですね。
他、装丁にも口を出してこだわっていると公言しているのは、森博嗣先生でしょうか。「作家の収支」という書籍に書かれています。初期は、喧嘩寸前の応酬をしたとのこと。
ルールのもつ正の力と負の力を認識できる
ルールは大事だなーと思わせるエピソードが色々出てきます。
身近な例だとTwitterが収益化できるようになったことで、インプレッション稼ぎの酷い投稿が増えることや、マクドナルドで、報酬設計が誤っているせいでモニターが早く消されてユーザーが不便になる例などもありますね。
仕事だと、働き方改革という名のもとに、実際の業務負荷は変わらずとりあえず「ノー残業デー」を設定することの無茶とか、社会人なら体感している人も多いのではないでしょうか?
自分も、以前に昔の職場の無駄なチェックシートに関してブログ記事を書きましたが、こういったバッドケースがわんさか出てきます。
逆に良いルールデザインの例もあり、ルールの持つ力の大きさを実感できます。
AI時代のルールデザイン
この本では6章まるまる使って、AIとルールの調和に関して書かれています。この本が出版されたのが、ちょうどChatGPTが出始めたときなので、まるで今のようなAIの盛り上がりを予見していたかのような内容です。
AIを導入していく側として、多くの参考文献や懸念点が示されていて参考になりました。
まとめ
RULE DESIGNの感想でした。ルールのデザインの持つパワーと重要性の大きさを考えさせられましたし、ルールをデザインするためのヒントや指針が散りばめられている本だと思います。色々な面白いルールデザインの例も出てくるので読んでいて楽しい本です。
本を読むと、自分自身が法律、交通ルール、会社のルール、地域のルール、社会の価値観など多くのルールに縛られていることに気づきます。ルールって、守ることだけ考えると邪魔な足かせというイメージですが、うまく使うと、多くの人を動かしたり、自分の力を集中させて最大限に発揮するための武器にもなると思います。
なので、自分自身で自分のためにルールを作り、それに従うことが大切なのではないかと思います。ときには自分のルールを柔軟に変えることも必要ですが、絶対に譲れないルールの場合は、それを守るためにあらゆる犠牲を払う覚悟が重要なのかなと思います。