初めての台湾旅行は友だち夫婦と4人で行った。
特に九份は素敵な思い出となるはずだったが、必ずしもそうはならなかった。
有名店の芋団子
この芋圓(芋だんご)が美味しくて有名というので行ってみたけど、正直、芋団子の味はまったく覚えていない。
記憶に残ったのは店内のトイレの汚さだったw
以前、海外旅行によく行く友だちらと
「これまで旅した国の中で一番汚いトイレはどこだったか?」という話題になったことがある。
いろいろな国のトイレの話になったが、私がすぐに思いついたのはタイのプーケット周辺の島にあるトイレと、この九份の店のトイレだった。
今なら、その2つのトイレに、香港のデパートで入ったトイレも加わる。私の中のワースト3のトイレw
私が九份の芋団子のお店に行った日、店内にはウェディングドレスを着た女性がいて、その女性を祝福する親族らしき人たちで熱気を帯びていた。
どこにでもありそうな店構えなので、まさかドレスを着た新婦に遭遇するとは思わなかった。
4人で芋団子を食べながら新郎新婦と、親族たちがお祝いする様子を眺めていた。
そのとき、トイレに行こうとした友だちが「愛ちゃんもトイレに行っておいたほうがいいよ」と連れションに誘ってきた。
外でブラブラしているとき、私が急にトイレに行きたくなったりするもんだから、「店のトイレでしておけ」ということらしい。
私は全然トイレに行きたいとは思わなかったが、友だちの誘いを断りきれず、2人で一緒にトイレに行った。
トイレは2つ並んでおり、ちょうど2つの個室から人が出てきたので、私と友だちは同時に個室に入った。
トイレの個室に入った瞬間、私はその汚さと強烈な臭さで吐きそうになった。強烈な吐き気で、心臓がバクバク音を立てた。
トイレの壁や床には黄色や茶色のものがアチコチに飛びはねており、絶対に触りたくないと思った。
ニオイは、臭豆腐を食べた人がウン○した直後のものに違いなかった。あまりにも臭すぎて息を止めた。
体が震え、とても用を足すどころではなかった。目がチカチカしてきたので、意識を失う前に早くココを出なければと思った。
私が死にものぐるいでトイレの個室から出ると、先に出ていた友だちが「愛ちゃん!」と叫んで駆け寄ってきた。私の顔が真っ青でビックリしたらしい。
彼女に抱えられるようにしてテーブル席に戻ると、オット連中も驚いていた。真っ青な顔に脂汗。呼吸も乱れている。
少し前に元気な姿でトイレに向かった私が突然、そんな状態で戻ってきたからだ。
その後、涙ぐみながら水を飲み、外の空気に当たることで少しずつ回復した。
…が、結局、芋団子は完食できなかった。
私を連れションに誘った友だちは少し申し訳なさそうにしていた。
その後、友だち夫婦とこれまた有名店のお茶屋さんに移動。
そこでお茶を何杯も飲んでいたら、自ずとトイレに行きたくなる。芋団子の店では用を足していなかったので、私はこのお茶屋さんのトイレに入った。
友だちもついてきて「こっちのトイレのほうがキレイだったね」と苦笑いしていた。
ムカついたが、用を足したらホッとした。
この出来事があって以来、私は数年に渡って、外でトイレの個室ドアを開くたびに鼓動が早まり、目がチカチカして汗が吹き出した。
そして芋団子屋のトイレの映像が頭をよぎるという現象に襲われた。その映像はなぜかモノクロだったけど、PTSDなんじゃないかってぐらい何年も続いた。
今も芋団子という単語を聞くと・・・
思い出されるのはトイレの記憶。
どんな飲食店もトイレを清潔にしておくことは本当に大事だと思うわ~。