CNCF (Cloud Native Computing Foundation) の Kubernetes 関連資格 KCNA (Kubernetes and Cloud Native Associate) に合格した!
ついに「4冠」になったー 🎉
まだまだ KCNA の日本語情報は少なく,資格の普及も兼ねて紹介記事としてまとめておこうと思う.
前提と結果 ☸️
僕自身は技術講師として研修で Kubernetes と Amazon EKS を教える機会があったり,既に Kubernetes 資格 CKAD (Certified Kubernetes Application Developer) と CKA (Certified Kubernetes Administrator) と CKS (Certified Kubernetes Security Specialist) も取得している.よって,本資格の受験対象からズレている可能性もある.資格対策はあまりしてなく,2日間ほど(実際には4,5時間)出題範囲を見直した程度だけど,そこそこ高得点が取れた.って,4問も間違えてる... (;・∀・)
受験日 | 試験名 | 得点 | 結果 |
---|---|---|---|
2022/06/01 | KCNA (Kubernetes and Cloud Native Associate) | 93 点 | 合格 |
技術講師として,今後 Kubernetes や Cloud Native を学び始めるお客様に「おすすめできる資格なのかどうか」を確認したくて受験することにした.あと少し「資格コレクター」精神もある.
KCNA (Kubernetes and Cloud Native Associate) ☸️
KCNA は 2021年11月 にリリースされた資格で「Kubernetes にフォーカスした Cloud Native の概念的な理解を証明する」エントリー資格と言える.まだリリースされて半年ほどなので,CKAD や CKA や CKS と比較すると,日本での認知度は低いのかもしれない.
- 問題数 : 60問(選択式)
- 制限時間 : 90分
- 合格点 : 75%
- 言語 : 英語(あくまで 2022年6月 時点)
以下のリリース記事には「マーケティングからマネージャまで,誰もが用語とコアテクノロジーの概念を理解することにメリットがある(意訳)」や「CKA / CKAD / CKS などの CNCF 資格をさらに追求するための道を開く(意訳)」と書いてある.Kubernetes や Cloud Native をより知ってもらうための資格として,従来のように Kubernetes クラスタを操作する実務試験ではなく「選択式」になっているんだと思う.
出題範囲 ☸️
カリキュラム(出題範囲)は GitHub に PDF として公開されている.
出題範囲 PDF を確認すると Kubernetes Fundamentals や Container Orchestration の比率が高いことがわかる.他にも「オブザーバビリティ」や「アプリケーションデリバリー」など,概念としては幅広く出題される.よって,選択式の資格とは言え,Kubernetes やエコシステムの経験がないとそれなりに準備が必要になると思う.
Domain | Detail | Weight |
---|---|---|
Kubernetes Fundamentals | - Kubernetes Resources - Kubernetes Architecture - Kubernetes API - Containers - Scheduling |
46% |
Container Orchestration | - Container Orchestration Fundamentals - Runtime - Security - Networking - Service Mesh - Storage |
22% |
Cloud Native Architecture | - Cloud Native Architecture Fundamentals - Autoscaling - Serverless - Community and Governance - Personas - Open Standards |
16% |
Cloud Native Observability | - Telemetry & Observability - Prometheus - Cost Management |
8% |
Cloud Native Application Delivery | - Application Delivery Fundamentals - GitOps - CI/CD |
8% |
勉強方法 ☸️
1. 出題範囲をより深く把握する
出題範囲をより深く把握するために GitHub に公開されている情報に一通り目を通した.具体的には以下の 2 リポジトリを参考にして,特に moabukar/Kubernetes-and-Cloud-Native-Associate-KCNA
はよくまとまっていた.用語集や関連リンク集やサンプル問題も載っていて参考になった.個人的には Kubernetes リソースや Kubernetes コンポーネント,そして関連するエコシステムはどれもある程度は経験があり,基本的には理解できていると感じた.
他にも CNCF Serverless Whitepaper v1.0 や Cloud Native Glossary も参考になる!一度読んでおくと良いと思う.
2. A Cloud Guru で模擬テストを受験する
A Cloud Guru の「Kubernetes and Cloud Native Associate (KCNA)」で, Practice Exam(60 問 x 2 回)を中心に使った.最初から 90% 以上は正解できたので,間違えたり,悩んだりした問題に関連する e-Learning をザッと観た.
A Cloud Guru の e-Learning に出てきて,個人的にあまり経験がなかった技術(やサービスなど)を以下にまとめておく.
- 環境変数を使ったサービスディスカバリ
- Selector なし Service
- Rook
- FinOps(Financial Operation : 財務と運用を組み合わせた思想)
「環境変数を使ったサービスディスカバリ」に関しては実際に試してブログ記事にまとめた.
英語受験 ☸️
現時点(2022年6月 時点)で KCNA は「英語のみ」での受験となる.CKAD や CKA や CKS と同じく将来的には日本語もサポートされるとは思うけど,特に情報はなかった.もしかしたら「英語だから諦めよう...⚡」という人もいるかもしれないけど,個人的な感想だと「最低限読める」なら問題ないと思う!
まず,試験監督員との受験前のやり取りは全て「チャット」だった.本人確認や部屋の撮影は事前に済ませているため「飲み物を机の上に置くなら見せて?」と言われた程度だった.受験中も問題文や選択肢は比較的短く,多くは馴染みのある技術用語ということもあり,そこまで不安に感じなくて良いと思う.正直言えば,数問は英語の解釈ができずに間違えてしまった可能性もあるけど!笑
注意点は PSI Secure Browser という専用アプリを使って受験するため,Google 翻訳の Chrome 拡張を使うという従来の Tips(僕自身は未経験だけど調べると CKS などで使った人がいそうだった)は使えなかった.
受験後のフィードバックに「日本語をサポートすると受験者が増えると思うよー!」と書いておいた😃
まとめ ☸️
KCNA (Kubernetes and Cloud Native Associate) に合格した.
「4冠」になったー 🎉
CNCF のリリース記事にも載っていた通り,ソフトウェアエンジニアに限らず,最近「Kubernetes や Cloud Native という言葉をよく聞くから気になるなぁー」と感じる人におすすめできる資格だった!個人的にも「Serverless とは何?」など,改めて考え直す機会になって良かった.
もし未経験から受験を検討する場合は「Kubernetes 完全ガイド 第2版」を読むのも効果的だと思う.
おまけ : Prometheus Certified Associate (PCA) ☸️
2週間前(5月18日)にさらに新しい資格 PCA (Prometheus Certified Associate) が発表されていた!
これも気になるから受験を検討するぞー!日本語キボンヌ!