3日目ですよ。
もうフジロックどころかサマソニも終わってしまいましたが、全然フジロスから抜け出せそうにありません。
《FUJI ROCK FESTIVAL '23 最終日 7/30》
この日の朝。
ド快晴。またサウナ状態のテントからほうほうの体で抜け出しました。日なたに張ったテントの中より、木陰のほうがよほど涼しい。
結局、2022よろしく今年も3日間快晴、酷暑と言っても過言ではない暑さでした。日焼け止めマメに塗ってましたが、貫通する日差しで黒コゲです。
温泉で汗を流したらば、朝ご飯。
キャンプサイトには『OIMOcafe』なるシャレオツなお店が出店していたのですよね。
https://www.fujirockfestival.com/stage/foodbooth?food02-05
お芋アイスもおいしそうながら、ワッフルを出してくれるっていうんで、なんかいつもスタミナ飯ばっかり食ってるからここらでシャレオツなブレックファストをキメたいと思って並んだんです。
で、喉も乾いたしドリンクもいっしょに頼もうとしたんですが。
睡眠時間も十分にとれずに、しかしこの最終日は昨日までよりもっと深夜まで頑張りたいと思っていた私。
メニューにとある文字の並びを見つけたとたんに、気付けば口が動いていました。
「レッドブルください」
おしゃれな朝食をとりたい欲と今日の活力を得たいという欲がぶつかった結果、ワッフルとレッドブルとかいうよくわからん組み合わせになってしまった。意外とこれはこれでアリ pic.twitter.com/lIMb7bbtNK
— カイワレたぬき (@babel_raccoon) 2023年7月30日
変な顔ひとつしないでサーブしてくれた店員さんに感謝。
思えばこれが結果オーライで、このとき飲んだレッドブルにかなり救われましたねこの最終日。
これだけじゃちょっとお腹がすくので、結局スタミナ系をチャージ。イエロークリフの越の鶏照り焼き丼。
めちゃうま。
さて、この日のスタートはレッドマーキーのこの男たちから。
マジ楽しかった〜〜!!
最終日初っぱなからめっちゃ踊ってしまった。
正統派ポストパンクって感じのサウンドに早口スポークンワードでまくし立てるスタイル、でもサビはフレンドリーなメロディだったりして憎めない感じが好きで。
ライブではちょっと走ってて、これがまたいい疾走感で良かった~。本人たちもめっちゃ楽しそうだったのも良かったな。
特に新曲がめちゃくちゃ好き。ちょっとダンスパンクっていうのか、躍らせる方に寄せてきたのがまたスポークンワードと相性抜群で。
この方向性に行くなら俺の好みドンピシャだそのまま突き進んでくれ!!と思ってフジ直前にさらに好きになり。
めっちゃ好きだけど長ぇよこの曲!ライブでアレンジ楽しみだな!と思ってたら、演ってくれたけどアウトロほぼカットの3分ぐらいでした笑。
でもめっちゃ楽しかった、最終日スタートを最高の形で始めてくれた。
ン~~やっぱりバンドが好きだな~~とホクホクしながらレッドマーキーを後に。
オアシスでアルコール補給!鶏皮焼きとレモンサワーまじでたまんなかった~~。
このあとはヘブンに行きたかったんですが、時間に余裕があったので最奥のオレンジカフェへ。
オレンジカフェ、ラムチョップを狙っていたのですがエリアを横断するレベルのエグい行列で断念。
かわりにしらすとエビの二色丼をいただきました。
しかし、去年はここにあったアヴァロンがもとのホワイト横に戻り、じゃあカフェドパリが戻ってくるかと思ったらそれもなし、あるのは飲食店のみで、最奥に何があるかと思ったらトイレ……。
ヘブンから漏れ聞こえる音以外は音楽要素のない場所になってしまったのは少し寂しいところです。
ま、ほんならトイレ使わせてもろて……と使ってたらプチ事件。
となりのトイレの鍵が不調らしくなんだかスタッフさんがパタパタしてんなーと聞きながらケツを拭いていたら、閉めてたハズの鍵開けられて一瞬全公開されてしまったんだけど……ここじゃなくて隣だよ隣!!!ていうか入ってないかノックぐらいしろ!!!!
— カイワレたぬき (@babel_raccoon) 2023年7月30日
スタッフさんも3日目、それもトイレ担当じゃかなり疲れもたまってるだろうけど、ノックぐらいしてほしかったな……。
さておき。
時間は午後3時ごろ、暑さが少しだけ緩み始め……いやまだ全然暑いけど……ぐらいのタイミング。
最近かなりお茶の間にも名前が広がってきた感のあるロット。
お恥ずかしながら私は代表曲しかよく知らないニワカ状態で見に行きまして。
これとか。めっちゃいい曲。
でも2日目の優河と同じく、正直そんな予習なくてもヘブンが似合わないわけないし最高になるからええやろ、と半ば確信してたんですよね。
いやめっちゃ神々しかった。三船氏のハイトーンなボーカル、あれには浄化作用がありますね……耳の通りがよくなったような錯覚すらあった。
かなり日差しがきつくて汗ダラダラだったんですが、朦朧とする意識の中であのライブ観てると、もうなんかお迎えきたのかと思いましたね。後光差してた。
最後まで観たかったですが、次のアクトが迫ってたので後ろ髪引かれながらホワイトステージへ。
ウキョ~~楽しかった~~!
ロットの後にこの人たちを観るのはさすがに落差が激しすぎないか?と思ったりもしましたが。
ステージ上にはバケツとPCのみ。最初こそいつものマント羽織ってましたが、脱ぎ捨てたらもうそれ部屋着じゃんみたいな服。ふざけきったセットでしたが、この軽薄感がめちゃ好きで。
ずっとふざけてる系。それも悪ふざけ系。でもなんか憎めないんすよ。何なんでしょうねぇ、音楽性とか全然違うけどスタンスとして電気グルーヴに近いものがあるのかも。
予習ですっかりハマってしまって、楽しみにしてました。
ホワイトステージだったのも相まって、キックと低音がボコボコお腹の底に響く!最高!
途中観客のひとりが高まって「アオ!」って奇声あげたら、なんかローラのツボに入ったらしくそのあとずっと曲間で「アオ!」って叫んでたの面白かったな。そのたびに「アオ!」とレスポンスするオーディエンス笑。
ていうか実質カラオケだったわけだけど、こんな贅沢なカラオケあるかいな、ホワイトステージやぞ?という肩透かし感みたいのも含めて、最高に彼ららしいハイパーなライブでした。
そんなライブを堪能して、興奮冷めやらぬ中。次のアクトまで時間があったので、ここで森のハイジカレーチャレンジ!ごはんどきの行列ほどは並んでなかったので(それでもまぁまぁ並びましたけど)、定番のカレーにありつくことができました。
カレーでお腹を満たしたら、眠気がきたのでアヴァロンの森にシートを広げて30分ほど仮眠。昨日の羊文学で眠くて楽しみきれなかったのが悔しかったので……。日が暮れ始めたこのとき、ホワイトステージではBLACK MIDIがアツいライブ中、大き目の音漏れに気を取られたのもあって熟睡はできませんでした笑。それでも少し体力回復したかな。
そしてすっかり日が落ち、かなり涼しく快適になってきた夜の始まりに。次もホワイトステージです。
いや~なんだろうなこの方のかっこよさは。いやずっとかわいいんだけどさ、画像のとおりもう目が表情がもう。凄みが凄い。日本語崩壊。
腹から声出して歌ってる感じがいいですよね。『光の方へ』で知って好きになったんですが。
この曲聞いたときは、なんでか知らないけどandymoriを思い出したりもしたんですが、情念系もいける人だとは思ってなかったんですよね。メロディが昭和感あって、昭和歌謡好きな妻が横で「誰これ!いいね!」と秒でハマってましたが、懐かしいメロディだけどちゃんと今っぽさがどこかにあって。いいなぁと思ったりしましたが。
ライブだとちょっと怖いぐらいの凄みを聴かせた圧倒的なパフォーマンスをなさるんですね、すごかったですほんと。
最新アルバムもすごくよくて。この日のライブの一曲目は表題曲のこれだったわけですが、もう一曲目からくらってしまいました、すごかったですね。
すばらしいステージでした、固唾を呑む、息を呑むとはこのことか、と。
そして私は踊ってばかりの国というバンドが好きなのですが、かつて所属していたギターの林さんが、今はカネコアヤノバンドでホワイトステージに立っているのを見て、それはそれで感慨深いものがありましたね。ギターソロでめちゃくちゃ輝いてた、躍動してた。
すげえものを観てる実感があったのでかなり後ろ髪引きちぎりながらでしたが、この日はヘブンのトリがどうしても観たかったのでホワイトを途中で退散。
実は夜のヘブンは5回目の参戦にして初めて。ちょっと奥さん、夜のヘブンすごく雰囲気いいわよ。さすがに疲れがたまっていたのと、踊って跳ねてしながら観るアクトではなかったので、後ろのほうで椅子に座りながら観ることにしました。
アウスゲイル。
いやほんとこれ観てよかった。ほんとうに文字通り昇天した。天に昇った。
これまたお恥ずかしい話ですが、前から名前だけ聞いたことあって、なぜか勝手にアヴィーチーとかの仲間だと思い込んでたんですよね……それがヘブンの最終日トリにラインナップされたもんだから、え!?なんで!?とか思って検索して聞いたわけなんです。
なんて美しい音楽……。 アイスランドの方なんですね、だから雑な仲間分けをするならシガー・ロスとかビョークといっしょにくくるべきだったわけで何がEDMかという感じで……無知は恥……。
そんぐらいのニワカ仕込みだったんですけども。ニワカかどうかなんてもう関係ないですね、フジの奥地、あの夜のヘブンの静寂の中でこの美しい音楽にどっぷり。なんと幸福なことか。
ヘブンのトリということもあって、めっちゃ長いことやってくれました。19曲もやってくれたみたいですね。
3日間の疲労感がここではかえってこのライブを観るのにいい塩梅で、それで人がちょっと少なめだったのも相まって、最高の、ほんとうに最高の至福感に包まれて浸されて。後ろのほうでゆっくり座って観れたのもかなりよかったですが、終盤はがまんできずに前の方で立ち見しました……。
最後にはアンコールに応えてギター一本で演奏してくれましたね。
エモいという流行語の一言で片づけてしまいそうになりますが、もうほんと至福、至高、言葉では尽くせない幸せの時間でした。あの涼しくて静かな山の中のヘブンで観れたってのがまた最高だった……。
粟立った肌を抱えながら、ヘブンからの帰り道。
うわぁ、この写真見返してるだけで、エモがむせ返るほど押し寄せてくるよ……はやくフジロック行きたい……。
グリーンでは終わりかけのLIZZO。『About Damn Time』が聞こえてきたんでちょっと駆け足したんですが、LIZZO本人を見ることはできませんでした……残念。
この帰り道はただ帰っているわけではなく、私はまだ、レッドマーキーはプラネットグルーヴ、深夜の部を目指していたのです。
いやほんと、ヘブンからレッドマーキーまでが遠くてよかった、歩いてる時間差が無ければアウスゲイルからきゃりーなんて高低差で耳キーンレベル。
だから乗り切れるか勝手に不安を感じてたりしたんですけど。
今きゃりーがこんなカッコイイことになってるなんて全然知らなかったですよ。まじでこれ聞いてみて。
Twitterで流れてきた話を信じれば、どうも海外ツアー回ってきた後みたいだったんですよね。それでっていうのもあると思うんですけど、序盤からこんな感じで、とにかくキメッキメでバッキバキのダンスミックス。たぶん半分以上は冷やかしだったはずの赤い屋根の下は、完全に大熱狂。死ぬほど盛り上がりました。そして後半にはおなじみの曲ラッシュ。『にんじゃりばんばん』『ファッションモンスター』『PONPONPON』『つけまつける』……
このショート見てもらえばわかると思うけど、マジで楽しかった。エグいて。なんで苗場できゃりー、しかも深夜の部やねんとは思ったけど、今となってはここ以外のスロットはなかった。最高でしたね。この感じならPerfumeがいつかホワイトに出てくれないかな……と思ったり思わなかったり。
予想外のブチ上がりに息も絶え絶え、お腹すいたのでいったんオアシスでスタミナチャージ。
もち豚丼と、ハライチ澤部が特番で食ってたボロネーゼ。夜中にこんなもん食って大丈夫かやと思ったけど、まぁフジロックなので大丈夫です(?)。
きゃりーのあとはGINGER ROOTがレッドマーキーをブチ上げていました。その音漏れを聴きながら舌鼓を打ち。
そしていよいよ、私のフジ2023は次のアクトで〆ることとなりました。レッドマーキー深夜の部、ずっと楽しみにしてたお次はこの方です。
ヤング・ベー!!
Night Tempoきっかけでフューチャー・ファンクというジャンルを知り、その流れで大好きになったトラックメイカーでした。
いっちばん最初に知ったのは、このドンキーコングを動画ネタにしたフラミンゴーシスとのコラボ曲。そもそもスーパードンキーコングシリーズが死ぬほど大好きな私はサムネにつられて見に来たわけですが、この曲がめっちゃ良くて。それでちょっと漁ったらいい曲ばっかで。
この曲とかもめっちゃいいよね。そういえばライブの一曲目はこれでしたよ、もうアガらないわけがない。Night Tempoよりダンスに寄ってる感じ。
直近のアルバムもさわやか目のいいアルバムで、この曲とか何回聴いたかわからんレベルで好き。
それがフジ3日目の深夜だってんだから、もう残す体力なんて考えなくていい、死に物狂いで踊りました。ほんとに死に物狂い、あんなに踊り狂ったこと今までなかった。
途中なぜかYMCAが流されて、フロア全員でお決まりのYMCAポーズ、それを見て爆笑してるヤング・ベー。なんか「ジャパニーズはこの曲かけるとYMCAのポーズするらしいぞ」って聞いてたのかな。めちゃくちゃ楽しかったからオールオッケー!
たぶん本人も日本のアニメ文化とか好きだから、日本で演るのは楽しいんだろうね、ずっと煽りまくってて。ちょっと煽りすぎで「いやいや煽るのもいいけど曲ちゃんと繋げて!」みたいに思った瞬間もあったけど、でも全力でその煽りに応えて踊りまくりました。
深夜なんで下手したら肌寒いくらいの涼しさだったんだけど、昼間並みに汗だくになるまで踊って、踊り続けて、踊り果てて、私のフジロックは終わりました……。
終わったんだなぁ……。
……ざっくりまとめると、今年は『酷暑』『人が多い』『決済がんばれ』に尽きるフジロックでした。
開催後、ふたを開けてみれば来場者数は11万4000人。コロナ前には一歩及ばないものの、かなり人が戻ってきていました。やっぱり外国人がとても多かった実感はありましたね。ていうか外国人の方が多いんじゃないかってぐらい。なのに決済システムが瀕死状態だったので、「超気持ちいい」かと聞かれれば別にそんなことはなかったですねぶっちゃけ。去年が人半分ぐらいでごはんスイスイだったから余計に今年それが悪目立ちした感じ。
あ、あとコロナの規制がなくて野外、とはいえこれだけ一か所に人が集まるわけなので、私はクソ暑くても我慢して3日間ずーっとマスクしてたんですが。マスクしてるの俺だけなんじゃないかコレ……ってぐらいマスクしてる人を見かけませんでした。熱中症対策とか考えれば全然外すときは外してもいいんですけど、モッシュピットはやっぱりマスクしてほしかったなぁという怯えが少しありました。結果的にクラスターとかはなかったみたいですが。
とはいえ。やっぱり人が多い方が、フェスに・フジロックに来たなというのを強く感じて楽しかったですね。演者側としても人多いほうが嬉しいだろうし。
パレス復活もよきニュースでした。夜、くたびれながらあの喧噪を横目に帰るのがまたいいですよね。来年こそクリスタル・パレスで踊ってみたい。
ラインナップは今年も最高。私としてはストロークス呼んでくれただけでも大満足なのですが、観たアクト全部よかった最高だった。
マイベストアクトは、THE STROKES、CAROLINE POLACHEK、Ásgeirの3組です。いやほんと全部よかったけどあえて言うなら。
幻となった2020から、この2年でまぁまぁ回収してきてるわけですが、来年はぜひTAME IMPALA、Four Tet、Floating Pointsなんかを回収してほしい……。
あと私としてはHorsegirlをレッドで……それから勝手に去年から言ってますがRooseveltとかもレッドかホワイトで観たいですなぁ……今年新譜出してるThe Hivesなんてグリーンかホワイトでどうでしょう……。
今のうちからもうラインナップの妄想が止まらん……。
そんな感じで、私のフジロック2023は終わりました。備忘録もこれにてオシマイ。
去年から始めたブログですが、こうやって残すために書いていくと、ちゃんと今年のフジロックをいい意味で過去の思い出にできますね。句読点を打っていく感じ。やっとフジロスから抜けて、新しい音楽を掘る旅に出られそうです。
ほんとはもっとみなさんの参考になるような装備の記事とか書きたいんですが余力がなく……またそのうち更新するのでそのときは読みに来てください。
それではみなさま、良いお年を!