困りものの父が、またまた大騒ぎしています。
父は91歳。
これといった趣味がなく、もともと自分本位な性格なので、自分の思い通りにならないと大騒ぎします。
たとえば、年をとると思うように動けなくなったり、耳が遠くなったりしますよね。うちの父はそういうことを認めようとしません。自分は今まで通り聞こえて動けないと「イヤ」なんです。若い人と同じものを同じだけ食べます。こちらが言うことは一切受け止めません。
父が住む家は建て替えになるので、引っ越し費用をもらって仮住まいに移ることになりました。その仮住まいに移ると今までの環境ではなくなるので、それが困る困ると騒いでいます。近くにスーパーがない、いつも通っている医者に遠くなるなど。それは仕方がないことで何とか新しい住まいに慣れていくしかありません。
もちろん、引っ越しはこちらが手伝うし、引っ越し先での生活は不自由がないように協力するからと言ってありますが…。「これもダメあれもダメ」など、あまりにも先回りして考えすぎていて、それが災いしたのか、体に症状が出はじめました。本人は甲状腺だと言いますが、あごにコブができてそれがかなり大きくなってしまったのです。
そのため病院に連れて行って検査を受けさせることになりました。運の良い父のことですから、きっとまたすぐ元気になるのではと思います。
そもそも、亡くなる人は「死ぬ死ぬ」と言わずにすうっとみまかっていきますよね。大騒ぎする人は騒げるだけ元気なんです。だから生死にかかわるようなことはなく、長生きすることができると思います。
なぜまわりが言うことを信じ、ゆったり構えることができないのか。自分が考えて自分がすることがすべてであって、まわりに助けてもらっているという意識がないからなのです。それならどんなことも自分ひとりですべてできるのか?といえばできません。父はなんでも自分で決めて自分でどうにかできると思っていますが。
デイサービスでは、自分よりも若い人なのにレクリエーションがうまくできない人もいるし、杖をついて歩いている人もいる。俺が一番なんでもできるんだ、だから俺はいつもスタッフに「〇〇さんはほんとうにすごいですね」と言われているんだ、とよく自慢しています。なので、余計に自分を過信しすぎているきらいがあるのです。
父は内向的で気が小さい性格だから他人様には低姿勢で感じがいいです。なので、デイサービスの方やお医者さんなどは父がわがまますぎて身内が困っていることなどわかってもらえません。
余計なことをあれこれ考えず、有り余る時間で読書でもしてくれたらと思うのですが。趣味がないので暇で、考えなくてもいいことを考えてはストレスを自分で作ってしまうのです。
父をみていて感じることは。
耳の聞こえが悪くなったら、補聴器をつけて、それでも今までとおりの聞こえ方にはならないけど、それはそれで仕方がないと思うこと。
今までのようには動けないことを自覚する。バスを待つのが嫌だからと自転車に乗れば今までのような体幹も筋肉もないのだから転んでしまう。危険を避けるためには、バスを待つこと。
その他いろいろありますが、年を取ったら無理をしないようにすることですよね。穏やかに過ごすように心がけるのがだいじなのだと思います。