NISA口座の金融機関を変更する方法は?事前に知っておくべき注意点を解説!
NISAは金融商品から得られる利益が非課税になるお得な制度です。
NISA口座を利用すれば投資の利益がマルっと手元に残るので、初めて投資をする際にNISA口座を開設した人も多いのではないでしょうか。
ただ、最初にNISA口座を開設した金融機関では商品のラインナップやサービスに満足できず、もっと良いサービスを提供している金融機関にNISA口座を変更したいと考えている人もいると思います。
そこで本記事では、NISA口座の金融機関を変更する方法を分かりやすく解説させていただきます。
NISA口座を変更する際の注意点についても紹介させていただきますので、ぜひ参考にしてください。
・NISA口座の金融機関を変更するには変更前の金融機関で利用しているNISA口座を廃止し、変更先の金融機関でNISA口座の開設手続きを行う必要がある
・変更前のNISA口座で保有している商品は変更先の新しいNISA口座に移すことはできないので注意
- NISA口座を変更する前に知っておきたいこと
- NISA口座は1人1口座しか開設できない
- NISA口座は1年ごとに変更可能
- 2024年からは成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能
- NISA口座を変更する手順
- ➀変更前の金融機関で行う手続き
- ➁変更先の金融機関で行う手続き
- NISA口座を変更するメリット
- 取引できる商品の選択肢が増える
- 取引手数料が下がる
- 使い勝手が良くなる
- NISA口座を変更するデメリット
- 変更前の保有商品は移管できない
- ロールオーバーができなくなる
- NISA口座の変更先としておすすめの証券会社
- SBI証券
- 楽天証券
- NISA口座の変更に関するよくある質問
- 一般NISAとつみたてNISAは切り替えできる?
- NISA口座を開設するなら銀行と証券会社どっちがおすすめ?
- NISA口座を変更するタイミングはいつがいい?
NISA口座を変更する前に知っておきたいこと
まずはNISA口座を変更する前に以下の3つの基礎知識を理解しておきましょう。
NISA口座は1人1口座しか開設できない
NISA口座は1人1口座しか開設することができません。
申し込み自体はできますが、税務署のチェックが入るため、2つ目のNISA口座が開設されることはありません。
できれば最初に希望の金融機関でNISA口座を開設できると良いのですが、既にNISA口座を開設していて金融機関を変えたい方は変更の手続きを行いましょう。
NISA口座は1年ごとに変更可能
NISA口座の金融機関変更は1年ごとに可能です。
ただし、変更に際してはタイミングに注意してください。
NISA口座の変更が可能な期間は、変更を希望する前年の10月1日から変更を希望する年の9月30日までです。
例えば、2024年にNISA口座の変更を希望するのであれば、2023年10月1日から2024年9月30日までにNISA口座の変更手続きを済ませる必要があります。
また、変更を希望する年に1度でもNISA口座で商品の買い付けを行っていた場合、その年はNISA口座の変更ができません。
仮に2024年にNISA口座で買付を行っていたとすると、2024年度はNISA口座の変更ができず、2024年10月1日以降に2025年度のNISA口座の変更手続きが行えます。
2024年からは成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能
以前のNISA制度では「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、どちらか1つしか利用することができませんでした。
ただ、2024年からは新しいNISAがスタートし、成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能となっています。≫成長投資枠とつみたて投資枠の違い
これまでは年単位で一般NISAとつみたてNISAの切り替えができましたが、両方とも併用できるようになるのは非常にポジティブな変更点です。
編集者
年間の非課税投資枠も最大360万円に増えていますし、非課税保有期間も無期限化されています。
NISA口座を変更する手順
NISA口座の金融機関を変更するには➀変更前の金融機関で利用しているNISA口座を廃止し、➁変更先の金融機関でNISA口座の開設手続きを行わなければなりません。
ざっくりと全体像をまとめると下記のようになりますが、変更前と変更先の金融機関でやるべき手続きをそれぞれ解説させていただきます。
➀変更前の金融機関で行う手続き
まずは現在NISA口座を利用している金融機関にNISA口座を変更したい旨を申し出ましょう。
金融機関によっては電話での連絡が必要だったり、Webだけで手続きが完結することもあります。
変更前の金融機関にNISA口座を変更したい旨が伝えられれば、「金融商品取引業者等変更届出書」が送付されます。
この「金融商品取引業者等変更届出書」が届いたら、書類の内容を確認し、記入の上、変更前の金融機関に送り返してください。
「金融商品取引業者等変更届出書」を返送して不備なく受理されれば、今度は「勘定廃止通知書」が送られてきます。
編集者
楽天証券などの一部のネット証券では「金融商品取引業者等変更届出書」の記入をせずにWeb上でいきなり「勘定廃止通知書」を請求することができます。
「勘定廃止通知書」は新しくNISA口座を開設したい金融機関に提出が必要な書類なので、大切に保管しておきましょう。
➁変更先の金融機関で行う手続き
「勘定廃止通知書」が届いたら、新しくNISA口座を開設したい金融機関でNISAの申し込み手続きを行ってください。
すると「非課税口座開設届出書」が送付されてくるので、必要事項を記入し、変更前の金融機関から送られてきた「勘定廃止通知書」を同封して変更先の金融機関に郵送すればOKです。
書類に不備がなく、税務署のNISA口座のチェックに引っかからなければ新しい金融機関でNISA口座が開設できます。
編集者
審査には1~2週間ほど時間を要することもあるので、余裕を持って早めに手続きを行っておきたいです。
NISA口座を変更するメリット
上記で紹介したように、NISA口座の金融機関変更は手続きが必要となりますが、金融機関を変更することで以下のようなメリットを享受できます。
取引できる商品の選択肢が増える
取扱商品が豊富な金融機関にNISA口座を変更すれば取引できる商品の選択肢が増えます。
特に銀行でNISA口座を開設していた人は特定の投資信託にしか投資することができませんが、証券会社にNISA口座を移行することで株式やETFにも投資ができるようになります。
2024年から始まる新しいNISAでは非課税投資枠も増加しますし、成長投資枠とつみたて投資枠の併用も可能となるので、NISA口座を利用する金融機関の商品ラインナップの豊富さはより重要度が高いです。
取引手数料が下がる
対面型の金融機関でNISA口座を利用している人はネット証券にNISA口座を変更することで取引手数料が大きく下がります。
取引手数料は運用成績にも直結する重要な要素ですし、同じ金融商品に投資をするのであれば手数料は安い方がいいです。
特に取引金額が大きくなるほど手数料の差は顕著になってくるので、なるべく早いうちから手数料が安いネット証券を利用することを推奨します。
使い勝手が良くなる
NISA口座の金融機関変更により、使い勝手が良くなる場合もあります。
NISA口座を利用する金融機関との取引は長期にわたるので、アプリの使いやすさやポイントサービスとの相性は重要です。
人によって利用する金融機関との相性は異なりますので、事前に確認しておくと良いですね。
NISA口座を変更するデメリット
一方でNISA口座を変更する際は以下の2点に注意して下さい。
変更前の保有商品は移管できない
変更前のNISA口座で保有している商品は変更先の新しいNISA口座に移すことはできません。
そのため、変更前のNISA口座と変更後のNISA口座で金融機関が分かれて管理することになります。
できれば1つの金融機関にまとめて資産を管理したいと考えている方もいらっしゃると思いますが、この点は仕方がないと割り切ってください。
ロールオーバーができなくなる
一般NISAを利用している方はNISA口座の金融機関変更を行うとロールオーバーができなくなるのでご注意ください。
ロールオーバーとは、非課税期間が終了した際に保有している金融商品を翌年の新たな非課税投資枠に移行することです。
例えば、2018年にNISA口座で70万円を投資し、5年後の2022年に30万円の含み益が出ている状態で非課税保有期間の期限を迎えるとしましょう。
この時にロールオーバーの手続きを行えば、翌年の2023年に100万円(元本:70万円+利益:30万円)のNISA枠を使って再度最大5年間非課税で運用することができます。
ロールオーバーを利用することによって最大10年間非課税で運用することができるのは魅力です。
ただし、ロールオーバーは同一の金融機関におけるNISA口座内での非課税期間延長であることが条件となっているため、NISA口座の金融機関を変更してしまうと利用できなくなってしまいます。
編集者
ちなみに2024年からは新しいNISAがスタートし、現在のNISA制度と新しいNISA制度は完全に分離されるため、2024年以降はロールオーバーができなくなる見込みです。
NISA口座の変更先としておすすめの証券会社
これからNISA口座を変更したいと考えている方におすすめの証券会社を紹介させていただきます。
2024年からは新しいNISA制度がスタートするため、取扱商品が豊富で手数料が安い証券会社を選ぶのがポイントです。
これから紹介させていただくネット証券2社は利用者も多く、総合的に充実したサービスを提供しているので、新しいNISA口座の選択肢としてご検討ください。≫新NISAおすすめ証券会社ランキング
SBI証券
SBI証券の詳細 | ||
---|---|---|
成長投資枠 | 国内株式 | 〇 |
IPO | 〇 | |
外国株式 | 〇(9カ国) | |
投資信託 | 〇(1,277本) | |
つみたて投資枠 | 取扱銘柄数 | 250本 |
積立方式 | 毎日/毎週/毎月 | |
最低積立金額 | 100円~ | |
ポイント | Vポイント、Pontaポイント、dポイント | |
クレカ積立 | 三井住友カード(0.5%~5.0%) | |
投信信託の保有によるPt付与 | 〇 |
SBI証券は総合力No.1でおすすめのネット証券です。≫ネット証券おすすめランキング
取扱商品も非常に豊富で、国内株式は4つの証券取引所に対応しているほか、外国株式は9カ国、実績最多のIPOもNISAで取引できます。
つみたて投資枠も取扱銘柄数がNo.1で、三井住友カードでクレカ積立を設定するとVポイントが貯まります。
VポイントやPontaポイント、dポイントなど対応しているポイントサービスの幅も広いので、これらのポイントサービスを利用している方はSBI証券で口座開設しておきましょう。
楽天証券
楽天証券の詳細 | ||
---|---|---|
成長投資枠 | 国内株式 | 〇 |
IPO | × | |
外国株式 | 〇(6カ国) | |
投資信託 | 〇(1,269本) | |
つみたて投資枠 | 取扱銘柄数 | 240本 |
積立方式 | 毎日/毎月 | |
最低積立金額 | 100円~ | |
ポイント | 楽天ポイント | |
クレカ積立 | 楽天カード(0.5%~1.0%) | |
投信信託の保有によるPt付与 | △ |
楽天証券は取扱商品が豊富で人気のネット証券です。
2023年12月期上半期決算説明会資料によると、楽天証券はNISA口座全体の31.0%のシェアを獲得しており、多くの方が楽天証券でNISAを利用していることが分かります。
つみたて投資枠の銘柄数もSBI証券に次いで多く、楽天カードでクレカ積立を設定すれば楽天ポイントが貯まります。
楽天のサービスを利用している方はぜひ楽天証券でNISA口座を開設してみてください。
NISA口座の変更に関するよくある質問
-
Q
一般NISAとつみたてNISAは切り替えできる?
-
A
以前のNISA制度では一般NISAとつみたてNISAの併用はできず、1年に1回だけ切り替えが可能でした。
2024年からスタートした新NISAでは成長投資枠(一般NISA)とつみたて投資枠(つみたてNISA)の併用ができるようになっています。
-
Q
NISA口座を開設するなら銀行と証券会社どっちがおすすめ?
-
A
NISA口座を開設するのであれば、証券会社がおすすめです。
銀行でもNISA口座を開設することはできますが、投資信託しか取引ができず、株やETFなどは取引できません。
証券会社の中でも商品ラインナップが豊富で手数料も安いネット証券がおすすめです。【詳細】≫NISA口座を開設するなら銀行と証券会社どっち?
-
Q
NISA口座を変更するタイミングはいつがいい?
-
A
NISA口座を変更するタイミングは10月~12月がベストです。
10月~12月にNISA口座の変更手続きを行えば、翌年1月から新しい金融機関でNISA口座を利用できます。
1月からNISA口座が利用できれば、非課税枠も最大限活用できますね。
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