PWM分岐ケーブルの使い方
「ファンコネクタの数が足りない」となるとついついファンコンとかを買ってしまいそうになりますが、冷静に考えればPWM分岐ケーブルで十分だよなぁ、みたいな。
PWM分岐ケーブルについて語ってる記事があまりないみたいなので、語ります。
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PWM分岐
今回購入したのは以下のPWM分岐ケーブルです。レビュー記事を書きたい訳ではないので商品の紹介は程々にしておきます。(というかただのケーブルなのでレビューすることがない)
で、PWM分岐ケーブルを使う際の疑問とか注意点みたいなの、少しだけ。
回転数が取れるのは1つだけ
大抵のPWM分岐ケーブルは分岐しているうちの1つだけが4ピン全て繋がっています。他は回転数を取得するための3番目のピンがない。
マザーボード側に渡される回転数はこの4ピンの端子に繋いだ物になります。
他のファンは回転数を渡すピンが付いていないので、当然ながら回転数は取れません。(PWM制御はちゃんとできる)
ただ、これはPWM分岐ケーブルのデメリットって訳でもない。ファンコンを使う場合でも、ファンコンで回転数は取れるけどマザー側では取れない……みたいなのが割と当たり前なので。
消費電力に気を付けよう
ファンを複数繋ぐと当然ながらそれだけの電気が必要になります。
マザーボード側のファンコネクタにも消費電力の上限があるので、ちゃんと必要な電気が流せるか確認しましょう。
最近のマザーだと水冷ポンプ用にたくさん電気を流せる端子があったりします。
たとえば俺の使ってるX570 TaichiだとCPU_FAN1が1Aで、他はすべて倍の2Aまで対応しています。
たとえばですが、俺が使おうとしているCorsair ML140とかは消費電力が0.259Aとなっている。これを2つなら当然2倍なので0.518Aになる。
(モーター類は始動時に定格の3倍くらい電流を必要とする、とはいえ一瞬大電流を流すくらいなら普通は出来るはずなので大丈夫なはず……たぶん)
2分岐くらいならどんなマザーでも問題ないと思う。4分岐とかだと少し気にした方が良い。
自信がなければペリフェラルで電力を供給するような製品を使うと良いです。
回転数は連動する
これがファンコンとの大きな違い。PWMの分岐ケーブルに繋がれたファンは基本的に同じ回転数で回ります。
「同じ回転数」という表現は厳密には正しくない、「同じ割合」と言った方が良いかな。
PWMは「何パーセントくらいの回転数で回すか?」という方式なので、PWM制御のファンなら異種混合させても一応大丈夫です。(この割合の事をデューティー比とかって言います)
たとえば回転数が2000のファンと1000のファン分岐ケーブルに繋いで50%で回すと、2000のファンは1000に、1000のファンは500に……という風に動作します。
ただ、回転数を取得する側の都合があるので基本的には同種のファンを繋ぐ方が良い。
出来るだけ同じファンを繋ごう
先の通り、回転数が取れるのは分岐しているうちの1つだけです。
そのため、分岐したケーブルに繋ぐファンは同じファンを利用する方が良いです。同じファンなら同じ回転数で回るため1つだけしか回転数が取れなくても問題ない。
マザー側のコネクタが圧倒的に足りなくて……というなら分岐数の多いケーブルでファンを異種混合して繋ぐしかないですが、欲しいコネクタ数が1~2くらいなら2分岐のケーブルで同種のファンを繋ぐ方が良いです。
ケースファンが複数あるからって、全部のファンで種類が違うなんてことは珍しいと思います。大抵は同じ種類のファンが2個接続されてたりするはずです、そこを分岐ケーブルにしましょう。
DC制御の時は要注意
マザーボードによっては、ファンに与える電圧を調整して回転数を制御できる物もあります。ファン側がPWMに対応していなくても回転数を制御できる。
PWM分岐ケーブルでこういう事をするのも一応は可能ですが、あまりお勧めはしない。
本来はPWM制御のファンを分岐するものなので、環境によって上手くいったりいかなくなったり……
もしそれをやろうと思うなら、異なる種類のファンを繋ぐのはやめた方が良いでしょう。
ファンによって回転数が最小/最大になる電圧が異なるので、異種混合すると片方のファンが静かになるまで回転数を下げたらもう片方のファンが回らない……なんてことになりうる。
PWM対応ファンならPWM分岐ケーブル
ファンコンも悪くはないんですが、多くは回転数がDC制御です。PWMの分岐の方がマザー側から制御できたりと色々メリットがあります。
PWMに対応したファンを使うのなら、PWM分岐ケーブルを使用する方が良いでしょう。
逆に、3pinのファンを制御したい時とかはファンコンを検討した方が良いです。3pinのファンで種類の違うものが混ざっている時は特に。
用途に合わせて上手く使いこなしてください。