2007年にスタートし、
10年を超える長期シリーズとなった
実写映画版トランスフォーマーは、
歴代キャラクターをリメイクした
『TFスタジオシリーズ』で
新たな展開を開始した。
スタジオシリーズは新規造形である事に加え、
リアルさも兼ね備えた完成度の高さから
前評判が非常に高く、ムービーTFを好む
コアなファン層に需要があるシリーズ故、
販促キャンペーンは必要無いと思わせる程だった。
しかし畳み掛ける様に限定プレミアムを
投入した事はファンにとって嬉しい悲鳴であり、
TFトイを手に取らずには
いられなくなるのであった。
◆ 名前 : クアッドバレルショットガン `
◆シリーズ: トランスフォーマー スタジオシリーズ
◆ 配布日: 2018年4月21日 `
◆ 価格 : 非売品 `
パッケージ
フロント
クアッドバレルショットガン
(QUAD BARREL SHOTGUN)とは、
「四つの銃口を持つショットガン」
という意味だが、トイでは五つの銃口を
備えた銃の様に見えてしまう。
しかし中央の穴は他の武器パーツを
合体させる為のジョイントであり、
銃口としてモールドされているのは
左右の四つの穴である。
サイド
全体はグレー成形色で構成され、
赤とメタリックブルーの塗装を追加する事で、
オプティマスプライムを思わせる
カラーリングにしている。
塗装箇所は側面の一部だけで
上面と底面は未塗装。
それでもオプティマスの武器である事を
表現するには充分であり、
配色の巧さが光るアイテムである。
リア
比較的リアルな造形のショットガンであり、
銃身の上部には照準器も備わっている。
後部のグリップもリアルさを追及している為、
形状は完全な円筒形ではないが、
5ミリジョイントに対応しているので
別売りTFトイに装備出来る。
グリップ部分は可動式で、折り畳んで
銃本体に収納する事が出来る。
これは基になったトイが、複数の銃を合体させる
機能があった事の名残りであり、ショットガン型の銃も
合体モードにする為にグリップを収納可能となっている。
この可動がチープさを緩和しており、
プレミアムとしての特別感を与える事に貢献している。
クアッドバレルショットガンの基になったトイは、
2014年に発売された『トランスフォーマー ロストエイジ』の
ムービーアドバンスドシリーズ・AD-21 ハウンドに付属した
武器の一つで、中型のショットガンを使用している。
販促用プレミアムならば、ADハウンドの武器の中で
最も大型のガトリング砲が魅力的だったと考えるかもしれない。
しかし中型銃のショットガンを選んでいるのは、
メーカーがコスト削減を優先した結果ではない。
これは2017年の映画『トランスフォーマー 最後の騎士王』で
オプティマスプライム(ネメシスプライム)が
ショットガン型の銃を使用している為。
映像ではオプティマスの前腕の内部から
銃が出現してショットガンを形成し、
バンブルビーとのバトルで使用した。
プレミアムのクアッドバレルショットガンは、
映画に登場したオプティマスの銃を再現した物であり、
敢えて中型のショットガンを選んでいるのだ。
2017年版の限定プレミアムは大型の武器が多かった為、
クアッドバレルショットガンは少々ボリューム不足に感じるが、
実際に映画に登場した武器であるならば納得出来るだろう。
又、『クアッドバレルショットガン』の名称は、
今回の配布キャンペーン用に新たにネーミングした物ではない。
2014年公開の映画『トランスフォーマー ロストエイジ 』の為に作られた
ハウンドのキャラクター設定の時点で命名されていた。
プレミアムは、トイのハウンドに付属する同型武器のリカラー版の為、
映画版設定の名称をそのまま採用しているのだ。
オプティマスプライムの武器としてのクアッドバレルショットガンは、
キャンペーンで初めて登場したかの様な印象を与えている。
しかし、実は2014年に既にオプティマス用の武器として造られて
トイに付属していたのだが、特に注目される事は無かった。
2014年に発売されたLA-01 バトルコマンドオプティマスプライム及び、
LA-14 バトルコマンドオプティマスプライム&バンブルビー最強タッグセット、
2018年発売の仕様変更版・TC-09 バトルコマンドオプティマスプライムに
多数付属する武器の中にクアッドバレルショットガンも
含まれており、2挺付属する。
造形はバトルコマンドオプティマス専用の物で、
今回のプレミアム版とは別物であり、
グレー成形色のままで塗装は施されていなかった。
ムービー版オプティマスプライムの武装は多様で、
これまでにもエナジーソードやエナジーアックス、
エナジーフック等の近接戦用の武器が
様々なトイシリーズで付属武器に採用されてきた。
オプティマスプライムの武器としてはマイナーなショットガンを、
既存トイの流用品とはいえ、オプティマスカラーに彩色して
プレミアムに起用した事は大いに評価出来る。
『クアッドバレルショットガン プレゼントキャンペーン』と題された
販売促進キャンペーンは、ムービーTFの新カテゴリーである
『トランスフォーマー スタジオシリーズ』の発売日に合わせ、
2018年4月21日(土)から実施された。
タカラトミーのトランスフォーマー商品を一回の会計で
税込み4000円以上購入するとプレゼントされた。
スタジオシリーズの販促キャンペーンだが、
TFトイであればどれでも対象品とされた。
事実、2018年4月の時点では、
『トランスフォーマー 最後の騎士王』や
『TFアドベンチャー マイクロンの章』、
『キュートランスフォーマー』等の在庫品は
多数店頭に残っており、普通に販売されていた。
店頭告知
タカラトミーの公式ホームページの発表によると、
各店舗にキャンペーンポスターが提示されている筈だったが、
縦長で場所を取る為か店頭に出していない店舗もあった。
写真の告知はトイザらスが独自に製作した御馴染みの物。
トイザらスでは全国合計4000個限定と公表されている。
尚、配布は店頭のみでトイザらス・オンラインストアは対象外だった。
トランススフォーマーの限定プレミアムの配布条件で設定される
金額は上昇傾向にあり、2010年代のキャンペーンは設定金額が
「3000円以上」に指定されている物が多くを占めていた。
しかし2017年の『トランスフォーマー 最後の騎士王』の
販促キャンペーンでは「2000円以上」に値下げするという
意外な配布条件となった事でファンを驚かせた。
2017年は新作映画公開の年であり、
これまでのファンに加え、新たなファン層を開拓する目的で
配布条件の金額を下げたと考えられる。
デラックスクラスのトイを1個買えば、メッキ仕様の
豪華な武器パーツも貰えるキャンペーンは魅力的だった。
これに対し、2018年のTFスタシオシリーズのキャンペーンでは
「4000円以上」だった為、昨年の倍額になってしまった。
『トランスフォーマー スタジオシリーズ』は、
新規のファンよりも既にTFファンとなっている
比較的マニア向けのトイシリーズの為、
4000円以上という強気の金額設定となったのであろう。
しかしスタジオシリーズのトイを揃えたいファンにとっては、
DXクラスを2体購入すればクリア出来る条件だったので、
然して大きなハードルではなかったかもしれない。
テメノスソードやエナジーアックス、エナジーフック等は、
映画に於いても見せ場が与えられていただけに、
トイの付属品に加えられるのは必然と言える物だった。
クアッドバレルショットガンは、上記の武器ほど目立たず、
重要性も高いとは言い難い物であった為、
この様な販促キャンペーンのプレミアムに起用されなければ、
忘却の彼方へ消え行く運命であった可能性も無きにしも非ずだ。
それ故にショトガンを選んだ着眼点は素晴らしく、
オプティマスプライム専用武器の一つとして
ファンの記憶に刻まれたのである。
◆参考にならない比較◆
⇒ トランスフォーマー 最後の騎士王 シルバーテメノスソード `
⇒ トランスフォーマー 最後の騎士王 ゴールドベクターシールド `
⇒ トランスフォーマー 最後の騎士王 ブロンズキャリバーアックス
⇒ レジェンダリーウェポン プライムアックス `
⇒ レジェンダリーウェポン スピノハンマー `
⇒ レジェンダリーウェポン プテラスピア `
⇒ レジェンダリーウェポン テメノスソード `
トランスフォーマー スタジオシリーズ
キャンペーン限定品
クアッドバレルショットガン