◆ 名前 : シルバーボルト
◆グループ: フューザー / サイバトロン
◆ 役割 : 追跡員
◆ 変形 : オオカミ + ワシ
◆シリーズ: トランスフォーマー ビーストウォーズ メタルス
◆ 発売日: 1999年9月9日
◆ 価格 : 1800円
パッケージ
ビーストモード
2体の動物が融合した
キメラ的なTFのフューザーズは、
不気味な印象の者が大半を占めるが、
シルバーボルトは均衡の取れた
ヒロイックなビーストモードを有しており、
CGアニメにも採用され、
レギュラーキャラクターとして活躍した。
狼と鷲の合体ビーストであり、
肉食獣の頭部と胴体に鉤爪を備えた
猛禽類の前脚が加わって力強いスタイル。
リア
身体と後脚は狼だが
尻尾は鷲の尾羽である事に加え、
背中から生えて大きく広がった翼が最大の特徴。
有翼動物の代表格であるペガサスにも似た姿は、
神秘性とヒーロー性を兼ね備えている。
『ビーストウォーズ メタルス』のトイは、
先行して登場していた海外版と差別化する為、
日本独自仕様に変更されている物が
殆んどを占める。
日本版シルバーボルトは海外版よりも
明るめのグレー成形色を基本とし、
CGアニメ設定に近付ける為に
瞳のある目に塗り分けを変更している。
羽ばたきギミック
尻尾の尾羽を持ち上げると、
内部パーツが連動して両翼を
羽ばたかせる事が出来るギミックを搭載。
更にスプリングが仕込まれているので、
スイッチの尾羽を離すと翼は元の位置に戻る。
シルバーボルト、変身!
ロボットモード
マッシブなボディに大型の翼を背負った
天使の如き姿は、如何にも
『正義のヒーロー』といった雰囲気が
感じられる非常に纏まりが良いスタイル。
ロボットの顔は人間的な物ではなく
動物の特徴を備え、脚部も鳥の鉤爪が
そのまま配置されている。
これはフューザーは2体の動物を
融合させただけではなく、ロボットモードも
動物との融合を強く表現しているからだ。
リア
尾羽パーツは連動ギミックのスイッチも
兼ねている為、扱い易い位置の
背中に収まる巧い変形工程だ。
羽ばたきギミックは
ロボットモードでも機能する。
このギミック搭載のユニットが
背部に位置している為、重心が後ろよりで
倒れ易い傾向があるので、
可動式の鉤爪状の踵パーツを
調整してバランスを取ると良い。
首は回転するが、左右の肩パーツに
遮られて可動範囲は狭い。
手足の自由度は高く、肩と肘、
股関節にはボールジョイント、
膝の可動軸も深く曲げる事が出来るので
ポージングは優秀。
足首の鉤爪は、前側3本と
踵側1本が個別に可動する。
翼の基部も可動し、
上方に角度を付ける事が出来る。
1990年代後半の次期に展開した
『ビーストウォーズ』のトイは、
近年のTFと比べるとパーツの密度が
高かったのだが、それでも手足の各部には
破損防止の為に肉抜きがある。
シルバーボルトは腿の内側に肉抜きがあるが、
『大腿骨』の形状に造形している
アイディアに感心する。
単なる空洞にせず、
肉抜きまでもキャラクター性を
考慮している姿勢は素晴らしい。
『新たに加わった、
オオカミとワシのフューザー戦士。
ワシの翼で空を飛び、
オオカミの牙で攻撃する。
とても真面目な性格で、
ちょっと正直過ぎるくらい。』
『頭が良い戦士。
目、鼻、耳の各センサーが優れており、
周囲2キロ以内の敵を探知出来る。
羽を使う技が多い。』
テックスペック
・パワー : 7
・知力 : 10
・スピード : 8
・耐久力 : 8
・階級 : 7
・勇気 : 9
・火力 : 6
・テクニック: 8
フェザー・ミサイル
『羽から撃ち出すミサイル。
追尾式なので、どこまででも追い掛ける。
2本同時に撃つ。』
両翼にセットした二つのミサイルは、
スプリングの力により発射可能。
ミサイルの形状は鳥の羽根を模した物で、
装填する事で大型の翼が
更にボリュームアップする。
ミサイルは特殊な連動ギミックにより発射する。
背中に配置された尾羽を持ち上げる、
又は後ろに引くと、パーツが連動して
両翼が内側に羽ばたく様に移動し、
翼のスイッチがシルバーボルトの
ボディと接触する事で押され、
ミサイル2本を同時発射する。
ミサイル発射の連動ギミックは
ビーストモードでも可能。
非常に面白味のあるミサイル発射機構だが、
翼はハの字型に開いているので、
2本のミサイルは明後日の方向へ
飛んで行ってしまう。
意外によく飛ぶので、
紛失しない様に注意が必要。
又、連動ギミックを使用しなくても、
翼のスイッチにより
個別に発射する事も出来る。
タロン・ソード
『羽に隠された剣。
軽くて硬いので、接近戦に向く。
投げナイフとしても使える。』
フェザー・ミサイルは端にグリップが
備わっており、シルバーボルトの拳に
装備する事でタロン・ソードとなる。
ミサイルと手持ち武器を
両立している巧い設計だ。
尚、トイパッケージでは
ボルトサーベルの名が与えられている。
又、アニメに於いても手持ちの槍として
使用する事があり、トイのギミックが
CGアニメでも活かされていた。
チェスト・ガトリングガン
赤い球体の周りを囲む12個の突起という、
トイの形状から着想を得たと思われる
アニメ設定で追加された武装。
しかし実際のアニメ劇中で使用される事は無く、
武器に設定された事だけにとどまっている。
元々海外用フルCGアニメである『ビーストウォーズ』は、
シリアス且つ重厚な内容のSF長編シリーズだ。
海外よりやや遅れて導入した日本版では、
児童向け作品という面を強調して
キャラクター設定や台詞の言い回しを大幅に変更し、
低年齢層にも受け入れ易くする配慮が成された。
CG版ビーストウォーズのシーズン2に当たる
『ビーストウォーズ メタルス』から新登場した
シルバーボルトも日本独自設定に変更された
キャラクターの一人で、大幅な改変が加えられた。
原語版に於けるシルバーボルトは、
『忠義を尽くす中世の騎士』をイメージさせる
キャラクター性が特徴であった。
体格が良く頼りになる生粋の戦士であり、
尚且つ実直で情熱的、清廉潔白さの体現者、
古風で騎士道精神に厚い強力な新メンバーである。
日本語吹き替え版では上記の様な
キャラクター性は殆んど反映されず、
『真面目』である事だけがクローズアップされた。
更にストーリー冒頭で救命ポッドから
誕生するシーンが描かれている為か、
最年少キャラに設定されている日本版ラットルよりも
更に年下の後輩キャラに変更されている。
トランスフォーマーは製造、又は誕生した時点で
既に精神年齢がプログラムされているので、
生まれたばかりのTFでも精神が幼い訳ではない。
原語版シルバーボルトは、コンボイ(ゴリラ)と同年代か
それよりも高い年齢設定のキャラクターであり、
最新メンバーではある物の、未熟な新人的な雰囲気は無い。
日本版シルバーボルトは原語版とは
正反対とも言えるキャラクター設定となり、
『新人』である事が強調されている。
声質も原語版とは全く異なる高い声で
「~デッス!」と裏声交じりで話す様子に、
本来の『頼りになる騎士』の面影は無い。
吹き替え版ビーストウォーズも2作目となり、
スタッフや声優の「慣れ」が生じていた
『ビーストウォーズ メタルス』では、
ギャグ要素が大幅に強くなった。
これもシルバーボルトがギャグ要員的な
キャラクターとなった理由の一つと言えよう。
又、シルバーボルトは狼と鷲が融合したフューザー戦士で、
北アメリカ大陸で最強クラスの肉食獣であるオオカミと、
アメリカを象徴する国鳥イーグルを合体させた
如何にもアメリカ人受けしそうなデザインのTFだ。
即ちアメリカ人の児童にとっては、
シルバーボルトは非常に「恰好良い」キャラクターなのだ。
この点も日本版では全く異なる視点で表現され、
オオカミではなく「犬」と呼ばれる事が多く、
羽の生えた犬から派生した『パタパタイヌ』の名が定着してしまい、
本来恰好良い筈の姿がギャグの対象とされた。
変更不可能なストーリー以外で、如何に面白い要素を
加える事に工夫を凝らしていたかが窺える。
日本語版ビーストウォーズは原語版とは異なる
キャラクター設定に変更された者が
多い事が特徴だが、シルバーボルトは
その最たる代表例と言えよう。
ここまでキャラクター性を崩されたTFは
珍しい部類で、海外版とは全く異なる
個性豊かな日本版シルバーボルトを生み出した
吹き替え版スタッフの才能は大いに評価出来る。
ビーストウォーズは日本独自のキャラ設定が
あったからこそ、後年まで人気を
維持し続けている事は間違いないだろう。
◆参考にならない比較◆
⇒ ビーストマシーンズ デラックスクラス ジェットストーム
⇒ ビーストマシーンズ ハッピーミール ジェットストーム `
トランスフォーマー ビーストウォーズ
VS-41勇猛の対決
シルバーボルト VS メタルスランページ
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