◆ 名前 : バリケード
◆グループ: ディセプティコン
◆ 通称 : 邪悪な詐欺師
◆ 変形 : フォード・サリーン S302マスタング
VFLオートモーティブ・VFLロケットV8 ポリスカー
◆シリーズ: トランスフォーマー 最後の騎士王
◆ 発売日: 2017年4月29日
◆ 価格 : 2800円
パッケージ
ビークルモード
2015年型の新型フォード・サリーン S302マスタングは、
5リッターV型8気筒エンジンに加えて
ツインスクリュー式スーパーチャージャーを
搭載し、最大出力は725馬力を発生させる。
この新型マスタングをベースに
自動車デザイナーのヘンリックス・フィスカーが
造り上げたカスタムカーが、
『ギャルピン フィスカー・マスタング ロケットV8』だ。
フィスカー氏が共同開発していた
ギャルピン・オート・スポーツから権利が
VFLオートモーティブに移った為、
『VFLロケットV8』に改名された。
マスタングの外観を引き継ぎながら、
ボンネットの二箇所に設けられた
エアインテークや大型フロントグリル等が
特徴的なデザイン。
バリケードはサリーン・マスタングの
カスタムカーであるロケットV8を、
更に映画撮影の為にポリスカー仕様に
改造した特別車両だ。
サイド
メーカーライセンスを取得していない為、
細かい部分は実車と異なるが、
ロケットV8仕様マスタングの再現度は高く、
納得のスタイルを誇る。
ドアに『POLICE』の文字が入るのは
実写映画のパトカーと同じだが、
ディセプティコンマークは
トイ独自のアレンジである。
コスト削減で嵌め込み式のタイヤが
多くなったTFトイだが、
バリケードの場合は金属ピンで
取り付ける方式となっており好感が持てる。
リア
パトカーとしては青いカラーが印象的だが、
これはトイオリジナル要素ではなく、
映画撮影に使用されたバリケードの
パトカーも紺色に近いボディカラーだった為、
トイでも忠実に再現している
拘りのカラーリングとなっている。
又、塗装箇所が多く、クリアパーツで
成形されているルーフやサイド部分は
ウィンドー以外を全て塗装、黒い成形色の
フロント部も大部分を青で塗装している。
2007年の実写映画第1作目の
『トランスフォーマー』に登場したバリケードも
サリーン・マスタングに変形した為、
TF ザ・ラストナイト版バリケードも
新型マスタングに変形する拘りは
ファンにとっても嬉しい所だ。
厳ついフロントマスクや大型のグリルガードが
設置されている特徴も受け継がれており、
カーモードでもバリケードの
キャラクター性が表現されている。
トランスフォーム!
ロボットモード
カーモードのフロント部がそのまま配置された
胸部により、マッシブな逆三角形体型を
構築している事に加え、大きめの拳も相俟って
非常にパワルな印象を受ける。
明確なヒューマン体型の為、
ヒーロー的なスタイルとなっており、
頭部以外はオートボットでも
通用しそうなデザインだ。
リア
ウィンドー及びルーフ部分が全て背中に
収まっているので大味に見えてしまうが、
側面のドア部分及び本体とルーフパーツを
繋いでいるヒンジを折り畳むという
変形機構は組み込まれており、
実際に手に取ると変形させている
という実感がある。
又、後ろ側に突き出た踵パーツは
可動式なので接地性向上に役立っており、
難無く自立する。
2007年の『トランスフォーマー』から
2011年の『TF ダークサイド・ムーン』までの
前三部作に登場したクリーチャー要素が
強かったバリケードとは打って変わり、
ラストナイト・バリケードは
ヒーロー体型となった事で
大幅に印象が変化した。
四つ目の昆虫の様な顔のみ、
悪役的な要素が残されている。
従来のバリケードとは同一人物とは
思えないほど姿が変貌しているが、
それでもアメリカンパトカーから変形するTF
という個性は引き継がれており、
胸部のライトを赤と青に塗り分けてパトランプに
見立てている事で、ロボットモードでも
アメリカのパトカーである事が強調されている。
首と股関節にボールジョイントが組み込まれ、
肩は二重の回転機構により
前後と横方向に動かす事が出来、
肘、膝、足首、踵には可動軸、
上腕と手首、大腿部にロールを備えている。
加えて肩に設置されている前輪及び
フェンダーの基部も回転可能なので、
ポーズ付けの際は逃がす事が出来る。
『バリケードは、全てのオートボットを
破壊する為、敵を欺く事一点に
熟達したディセプティコンだ。
彼は敵が自分を安全な警察車両と信じて
騙されている事を楽しんでおり、
彼等が最も予期していない時に攻撃するのだ。
混沌とした戦いが勃発する中、バリケードは
あらゆる所に潜んでいる邪悪な存在である。』
ハンドガン
偽装しているとは言え、
警察官の姿を持つバリケードには、
小型の拳銃がよく似合っており、
映画版TFに相応しいリアルさがある。
アメリカ各州の警察で正式採用されている、
オートマチック式拳銃の
スタイルを再現している拘りも
実写映画版ならではと言えよう。
以前のバリケードはボディ各部が尖っていたり、
長い腕部や鉤爪状の指等、怪物的なイメージが
強いロボットモードであったが、
ラストナイト・バリケードはポリスカーに
変形するだけではなく、ロボットモードでも
警官である事が強調されている。
人間に近いスタイルに加え、
武器類も人間の警官と同じ
デザインの物を使用している為、
人間社会に溶け込む潜伏能力の高さが
更に向上していると考えられる。
ハンドガンは大腿部に設けられた
四角いジョイントに装着しておく事が可能で、
これも実際の警官のスタイルを意識した
ギミックである事は間違いないだろう。
本来ホルスターは腰に装着している物だが、
バリケードのトイでは大腿部にセットする事で
ポージングの妨げにならない為、
巧い配置と言える。
警棒
シンプルな武装だが、
こちらも警官の装備品の一つで、
実際の警棒のデザインを
再現している事が分かる。
長い棒状の「ソード」という
武器は既出であったが、
警棒がアクセサリーとして付属する
TFトイは極めて稀。
ワンパーツで構成される武器ながら
形状は工夫されており、
側面にサイドハンドルが備わった
トンファースタイルの警棒となっている。
サイドハンドルを拳の下側に差し込めば
トンファー型の武器にする事も出来、
棒状の武器パーツ一つでも
様々な表情を付けられる事が嬉しい。
ハンドガンと同様に警棒も
大腿部のジョイントに装着可能。
警棒用のケースや
ハンドガン用のホルスターは無い物の、
大腿部にジョイントを追加するという
簡単な構造でも武器類を携帯している
スタイルを構築出来るアイディアが見事。
この様な仕様は、コスト削減と
遊びの幅を広げる事を両立している
『トランスフォーマー アドベンチャー』の
ノウハウが活かされている様だ。
ガトリングガン
前腕に巻き付ける様に装備させる事で、
8本の銃身を備えた
ガトリング砲の如き武装となる。
公開されているラストナイト版バリケードの
コンセプトアートやCGモデルでは
銃身は6本なのだが、
トイでは8本に変更されている事で
より強力な武器である事が強調されている。
ガトリングガンには二箇所に
可動軸が備わっているので開く事が出来、
カーモードのリアウィンドーに設置された
ジョイントに差し込む事で攻撃車両に
変化出来るというギミックも備わっている。
実際のパトカーでは有り得ないスタイルだが、
トランスフォーマーには
『ビークルバトルモード』の概念があり、
映画劇中にも様々なTFが
ビークルバトルモードで登場している。
リアウィンドーに開いたガトリングガンを
装着するスタイルは、ロボットモードでも
そのまま活かす事が可能で、
武器を装着したままビークルから
ロボットへの変形も可能。
背中にガトリングガン、両脚の大腿部に
ハンドガンと警棒を装着出来る為、
余剰パーツがなくなる様に
設計されている事が分かる。
バリケードの前腕の裏側にある肉抜きは、
武器類を取り付ける為のジョイントも
兼ねており、ガトリングガンのみならず
警棒も装着する事が出来る。
又、肉抜きのジョイントの形は
両腕共に同じなので、ガトリングガンを
右腕に装備する事も可能。
各人の好みの武装モードを
作り上げる事が出来る。
カーモードでも武器類全てを
装着する事が出来る。
リアウィンドーに設置するガトリングガンの他、
ハンドガンと警棒は車体底面に
位置した前腕のジョイントに装着可能。
又、大腿部のジョイントに武器類を
取り付ける事も出来、どちらに装着しても
カーモードで転がし走行させた際に
床面に接地しない様に造られている
という配慮が嬉しい所だ。
シールド
アンオフィシャルながら、
背中のルーフを取り外し、警棒と
組み合わせてシールドにする事が出来る。
ウィンドー部分が透明な為、
警察や軍隊がデモ対策や暴徒鎮圧の際に
使用する、透明なポリカーボネート製の
ライオットシールドを思わせるスタイルとなる。
ルーフ内側の四角いジョイントに
警棒側面の突起を差し込むと
ロボットモードで保持する事が出来る為、
盾に見立てられる。
ジョイント部は確実に
固定される訳ではないので、
ロボットの拳に警棒を持たせた後に
ルーフを取り付けた方がやり易い。
しかし元々説明書には
記載されていない遊び方で、
ルーフはクリアパーツで耐久性が低く、
ヒンジを繋ぐ部分も製品状態で既に
白化しているので、破損する危険性もある。
シールドを構築する際は、
「割れても耐え忍ぶ」精神力が必要。
ナックルダスター
拳を強化する武器で、アメリカでは
ブラスナックル(BRASS KNUCKLES)、
日本では拳鍔やメリケンサックと
呼ばれる事もある。
ラストナイト・バリケードの特徴の
一つとなっており、左右の拳で
異なる文字が立体で彫り込まれている。
右拳は『PROTECT』、
左拳は『SERVE』の反転文字。
これはロサンゼルス市警発祥の
アメリカ警察のモットーである
『TO PROTECT AND TO SERVE』
(市民を護り奉仕する)を表した物。
「保護」と「奉仕」の文字を
殴り付けて相手に刻印するという、
言葉の意味と行動が正反対な所に
皮肉が込められており、バリケードの
卑劣極まりない性格が表れている。
このアメリカ警察のモットーを揶揄した一文が、
バリケードの車体に書かれている
『TO PUNISH AND ENSLAVE』である。
『TO PUNISH AND ENSLAVE』は
「罪人を罰し服従させる」という意味で、
実写映画第一作目『トランスフォーマー』
の頃からパトカーモードに記載された
バリケードのモットーとして有名。
このモットーは歴代バリケードのトイに
受け継がれており、最初に登場した
2007年版のMD-02 バリケードは勿論、
2010年に発売されたRD-24 ヒューマンアライアンス バリケードや
2011年の『トランスフォーマー ダークサイドムーン』のDD-03 バリケード、
2017年のラストナイト版・TLK-02 バリケードも含めて、
モットーは車体後部側面に
印刷されている所も嬉しい配慮だ。
トイにもプリントされた事で
『TO PUNISH AND ENSLAVE』は、
バリケードの個性の一つとして
広く認知される事となる。
映画第一作目でこの一文が画面に
大きく映し出された事は、
バリケードのキャラクター性を示すと共に、
映画製作陣による社会風刺も
兼ねていたと考えられる。
アメリカ警察の腐敗や差別、暴力行為は
社会問題の一つでもあり、
『TO PROTECT AND TO SERVE』
(保護と奉仕を)という建前に対し、
『TO PUNISH AND ENSLAVE』
(罰と服従を)は本音を表している。
力を行使して弱者を虐げる
映画に於けるバリケードの姿は、
現実の一部のアメリカ警官の姿でもあるのだ。
ディセプティコンがアメリカの警察、軍隊、
CIA等のビークルに擬態している事も、
政府機関に悪が潜んでいるという現実問題を
映画のTFを通して表しているのだろう。
実写版トランスフォーマーは
SFアクション映画なので、社会批判や
問題提起を強調している訳ではないが、
各所に垣間見える現実社会を
「茶化した」シーンや設定は興味深い物だ。
TF映画のブルーレイやDVDを
所持しているのであれば、
観る度に何か発見する事を
念頭に視聴する事を推奨したい。
2014年の『トランスフォーマー ロストエイジ』で、
主役級キャラクターのオプティマスプライム、
バンブルビー、メガトロン以外の
前三部作に登場したTFは
殆んど一掃されてしまっただけに、
再登場の可能性は無いと思われていた
バリケードの復活には意表を突かれた。
更にTFザ・ラストナイトでは
全く新しいデザインの姿に生まれ変わり、
新鮮さを取り戻している事に加え、
マッスルカータイプのアメリカンパトカーを
選んでいる事や車体に記載されたモットー、
騙し討ちを好む卑劣な性格等、
かつてのバリケードのキャラクター性を
崩さずに受け継いでいる所も含め、
ファンも納得のバリケードとして
再起を果たした事は嬉しい限りである。
⇒ ◆参考にならない比較◆
⇒ 映画トランスフォーマー MD-02 ディセプティコンバリケード `
⇒ 映画トランスフォーマー EZコレクション バリケード `
⇒ TRANSFORMERS MOVIE レジェンドクラス リーコンバリケード `
⇒ ビークール B-17 アメリカンパトカー ディセプティコンバリケード `
⇒ トランスフォーマー スタジオシリーズ SS-21 ディセプティコンバリケード
トランスフォーマー 最後の騎士王
TLK-02 バリケード
付喪様、はじめまして。PGS堂と申します。
2010年の冬頃から拝見しておりました。初めてコメントさせていただきます。
マイクロンや配布武器、本体に付属のミニロボといったミニマムなものを詳細にレビューしておられるので、記事毎に百科事典の1項目を読むような感覚でいつも更新を楽しみにしています。
TLKバリケードの画像を当初目にした時は旧来のような異形感が無くなっておりガッカリしたのですが、いざ映画を観に行くとその格好良さが大好きになってしまいました。
いかにもアメリカ警察官を思わせるマッシブな体形や豊富な武装など、玩具としても手応えがあり素晴らしいと思います。
望みは薄いかもしれませんが、モホーク等の残りのディセプティコンも商品化して欲しいです。
2010年の冬頃から拝見しておりました。初めてコメントさせていただきます。
マイクロンや配布武器、本体に付属のミニロボといったミニマムなものを詳細にレビューしておられるので、記事毎に百科事典の1項目を読むような感覚でいつも更新を楽しみにしています。
TLKバリケードの画像を当初目にした時は旧来のような異形感が無くなっておりガッカリしたのですが、いざ映画を観に行くとその格好良さが大好きになってしまいました。
いかにもアメリカ警察官を思わせるマッシブな体形や豊富な武装など、玩具としても手応えがあり素晴らしいと思います。
望みは薄いかもしれませんが、モホーク等の残りのディセプティコンも商品化して欲しいです。
はじめまして、長期に渡りブログを見て頂きありがとうございます。
TFが大好きなので、プレミアムの武器やヘッドマスターの頭部ロボだけ等、
比較的小さい物でも色々と書きたい事が多くて記事が出来上がる感じです。
しかし実は、指先サイズのトイもデラックスクラスやボイジャークラス位の
大型トイも、記事を作る手間は同等だったりします(笑)
ラストナイト・バリケードは復活した事に加えて、
デザインが大幅に変わってイメージチェンジして驚きでしたね。
トイも遊び易くてかなり楽しめる一品だと思います。
新ディセプティコンの中でも、モホークは
インパクト強かったので私もトイが欲しかったです。
TFが大好きなので、プレミアムの武器やヘッドマスターの頭部ロボだけ等、
比較的小さい物でも色々と書きたい事が多くて記事が出来上がる感じです。
しかし実は、指先サイズのトイもデラックスクラスやボイジャークラス位の
大型トイも、記事を作る手間は同等だったりします(笑)
ラストナイト・バリケードは復活した事に加えて、
デザインが大幅に変わってイメージチェンジして驚きでしたね。
トイも遊び易くてかなり楽しめる一品だと思います。
新ディセプティコンの中でも、モホークは
インパクト強かったので私もトイが欲しかったです。