◆シリーズ: トランスフォーマー レジェンズ
◆ 発売日: 2015年1月24日 `
◆ 価格 : 3200円 `
ビークルモード
スキッドステアローダーはブルドーザーや
バケットローダーよりも小型の建設機械で、
全長2.5m~3m程なので小回りが利く為、
狭い場所での作業に使用される。
スキッドステアローダーは
4輪タイヤの物が主流だが、
クローラーに差し替えているタイプも存在する。
サイド
グランドシェイカーは、
フロントのバケット部分に
可動式のクロー型アタッチメントを
取り付けたタイプとなっている。
クローはバケットですくい上げた
土砂や瓦礫、材木等を挟み込み、
バケットから落ちない様にする為の物。
リア
TFトイ版では、このバケット&クローを、
戦車等に取り付けて地雷を除去する為の
マインプラウにイメージを重ねている様で、
爆弾処理用のスキッドステアローダーという
特殊な変形モチーフが興味深い。
小型TFのマイクロンの変形モチーフに、
小型建機のスキッドステアローダーを
選んでいるセンスが抜群である。
単純にブルドーザーにする事も出来た筈だが、
敢えて小型建機にした
開発者の拘り振りには感心するばかりだ。
但し、海外版パッケージでは
子供にもイメージし易い様に
「ブルドーザーモード」と記載されている。
トランスフォーム!
ロボットモード
車体を立てただけという驚愕の変形工程は、
ミニカー型の非変形TFトイに通じる物がある。
しかし頭部、胴体、手足として
認識出来る造形により、ロボットモードを
確立している事実も見逃せない。
リア
後姿はロボットとしては
若干無理がある物の、
パワフルな建機型TFという事は
充分理解出来る。
車体リア部が全て
接地しているので立たせ易く、
腕部となるクローラーを動かしても
倒れない事がメリットだ。
『グランドシェイカーは地面の下に存在する
何かに異様な魅力を感じているらしく、
兎に角地面を掘って潜りたがり、
自ら掘った穴に埋まる。』
テックスペック
・体力 : 9
・知力 : 7
・速度 : 6
・耐久力: 9
・地位 : 7
・勇気 : 7
・火力 : 8
・技能 : 7
グランドシェイカーは、『トランスフォーマー レジェンズ』シリーズの
LG-08 スワーブ & テイルゲイトの4体セットに
付属するマイクロンの一人。
海外の『TRANSFORMERS GENERATIONS』版では
テイルゲイトと2体セットで発売され、これを日本版でも引継いでおり、
テイルゲイトのパートナーマイクロンという位置付けのキャラクターだ。
ウェポンモード
車体後部の白いルーフパーツを押し出すと、
各パーツがヒンジで連動してマジックハンドの様に伸張し、
更にクローが開くという変形機構が見事なTFトイである。
ビークルからロボットになる変形がおざなりな分、
ウェポンモードへの変形は凝っているという、
ジェネレーションズ・ローラー型のTFに類似したアイテムだ。
リア
数あるウェポンモードの中でも、クローを備えた
マジックハンドというスタイルは珍しい物で、
『トランスフォーマー ダークサイド・ムーン』で登場した
メックテックウェポンのヒートブレードクローが想起される。
マジックハンドという奇妙なウェポンモードとはいえ、
戦うロボットであるトランスフォーマーらしく
軍事目的の機能を考慮しているアイディアが巧い。
グランドシェイカーのウェポンモードは
「マニピュレーター型爆弾処理装置」という稀な例であり、
銃や刀以外の予想外のウェポンモードにする事で、
バラエティに富んだラインナップになっている事は好印象だ。
ウェポンモードでは、クローラー部を180°回転させて
前方に移動する形が正規の変形であり、
日本版、海外版両方の説明書でも図で示している。
しかしパッケージやネット上の公式画像の写真を始め、
日本版のイラストや付属するコミックに至るまで、
クローラーを後部に配置したままの状態となっている。
トイに付属するコミックでは、地面に埋まってしまったスワーブを
テイルゲイトがウェポンモードのグランドシェイカーを使用して
救出しており、マジックハンドとしての機能を発揮している。
又、クロー型のウェポンモードは爆発物処理に使用する事が、
『トランスフォーマー レジェンズ』の公式ページで
公開されたウェブコミックに描かれており、
ウェポンモードをマニピュレーター型爆弾処理装置と
解釈している事が示されている。
↓
上記のウェブコミックではグランドシェイカー達、武器に変形する
マイクロトランスフォーマーをマイクロン(タイトルではG1マイクロン)と
命名しているが、これはTFレジェンズ独自の新設定であり、
1984年~1990年代前半のG1期当時にはマイクロンは存在していない。
TFレジェンズは過去シリーズの設定を引き継ぎながら、
全く新しい解釈も加えている事があるので、
G1期からの設定と誤解されている場合もあるだろう。
又、ウェブコミックに記されている
『マイクロマスター(マイクロトランスフォーマー)は、
元々は一般市民セイバードロイド云々』
という設定は、これもG1当時には無かった物。
この設定は、2002年~2003年に
コンビニ限定で発売されたTFシリーズの
『トランスフォーマー マイクロマスター』で
追加された新設定である。
TFレジェンズでは従来のシリーズの様々な設定が
混在しているのだが、分かり易く説明し、
つじつまも合っているので、特に問題は感じられない。
G1TFをリメイクするシリーズに
組み込まれているだけに、グランドシェイカーも
G1期から存在する歴史あるキャラクターだ。
モチーフにしているキャラクターは、1990年に登場した
コンストラクションパトロール(日本名:ビルドパトロールチーム)の一員で、
ブルドーザーに変形するマイクロマスターのニュートロである。
グランドシェイカーの頭部、胸部、
腹部、腰、大腿部、膝、つま先等、
全身の各部はマイクロマスター・ニュートロに
類似したデザインで造形されている。
クローラーが変形した腕部の肘部分に
タイヤのモールドを加えている所は、明らかに
ニュートロのデザインを受け継いだ物である。
グランドシェイカーの海外名はグランドバスター。
海外版は商標登録の都合でニュートロの名称が使用出来なかった為、
グランドバスターに改名されており、日本版では更に改名して
グランドシェイカーにしているという、少々複雑なネーミングである。
この様にトランスフォーマーでは、元々の名前が
大幅に変更されてしまうケースが多々ある。
グランドシェイカーの名称は、
G1期の1989年から海外で展開した
マイクロマスターシリーズで初めて登場した。
中型基地に変形する
装甲車型ビークル(日本版のC-345 ランドシェイカー)に
付属するマイクロマスターの名前がグランドシェイカーだった。
又、2010年の『トランスフォーマー オートボットアライアンス』では、
AA-07 ブリーチャーの初期名称としても使用された事がある。
又、比較的マイナーなTFのマイクロマスターのリメイク版の為か、
少々紛らわしい問題が発生しているキャラクターでもある。
レジェンズ・グランドシェイカーの海外名グランドバスターは、
G1マイクロマスター・コンストラクションパトロールのメンバーである
グランドパウンダーをイメージした名称で、
これも商標都合で変更した物。
ハズブロ社は「グランドパウンダー」の商標を取得出来ておらず、
『TRANSFORMERS ROBOTS IN DISGUISE』(TFアドベンチャー)に登場した
グランドパウンダーも、トイではグランドバスターに改名して発売した。
少なくとも、TFジェネレーションズ・グランドバスターが発売された2014年から
RIDグランドバスターが発売された2016年までは、
ハズブロ社が「GROUNDPOUNDER」の商標を取得していない事が分かる。
G1グランドパウンダーのモットーは『Dig in!』(地面を掘れ!)なので、
マイクロン・グランドシェイカーのキャラクター設定にある
地面を掘る事を好んでいるという内容に合致している。
マイクロン・グランドシェイカーの海外版ジェネレーションズ・グランドバスターの
キャラクター設定の原文には「dig into」という文が使われており、
G1グランドパウンダーのモットーを意識している事が窺える。
又、G1マイクロマスター・ニュートロのモットーは、
『Build it up, before they knock it down.』、
即ち「デストロンに壊される前に建設だ。」である。
マイクロン・グランドシェイカーの様な「地面を掘る」という要素はどこにも無いので、
G1ニュートロではなくG1グランドパウンダーのモットーをを取り入れて、
グランドシェイカー(グランドバスター)のキャラクター設定を作っている事が分かる。
マイクロンのグランドシェイカー(海外名:グランドバスター)は、
変形モードやロボットモードの姿から、モチーフにしている
キャラクターはG1マイクロマスター・ニュートロである事が分かる。
しかし、名前と性格設定はG1マイクロマスター・グランドパウンダーを
意識した物になっている為、二人のマイクロマスターを
組み合わせた様な特殊なキャラクターになってしまっている。
又、G1マイクロマスターとはボディカラーが大幅に異なり、
グリーン主体に変更されている理由は、トイでセットになっている
パートナーTFのテイルゲイトと同じ成形色を使用している為で、
特定のTFをモチーフにしている訳ではない。
商標登録問題やトイ製造時の金型の都合、
ニュートロとグランドパウンダーを混同している事等、
様々な要因が重なって名前や性格、
ボディカラーまで別物になっており、
最早、ニュートロと同一人物とは思えない程だ。
ここまでオリジナル版から懸け離れてしまったTF故に、
グランドシェイカーという新キャラクターと見做しても良いだろう。
G1期のマイクロマスターである
ニュートロとグランドパウンダーという
二人のTFが混在している様な姿、
変形モード、キャラクター設定、
商標登録の都合で何度も改名された事、
更に日本名も異なるという、
マイクロン・グランドシェイカーは
非常に複雑な経緯を秘めているTFである。
トイ自体はテイルゲイトの武器に変形する、
極小サイズのオマケ的な印象のTFだが、
キャラクター設定やネーミングの由来は、
テイルゲイトを遥かに超える内容を含んでいる。
ミニTFでも侮れない程の非
常に多くの情報を内包している事が、
トランスフォーマーシリーズの
面白い所であり、惹かれる要素なのだ。
◆参考にならない比較◆
⇒ LG-08 フェイサー
トランスフォーマー ミニボット
スワーブ&テイルゲイト