
◆グループ: コンバットロン
◆ 役割 : 狙撃兵
◆ 変形 : クラウスマッファイ・レオパルド2 A5
◆シリーズ: トランスフォーマー ユナイトウォリアーズ
◆ 発売日: 2016年6月25日
◆ 価格 : 15000円

パッケージ

ビークルモード
ドイツ陸軍の主力戦車レオパルド2は、
レオパルド1に代わり1979年から
正式採用された第三世代戦車の代表格だ。
ラインメタル社製120mm.滑空砲を主砲とし、
チタンやセラミック、グラスファイバー等を
使用した複合装甲により高い防御力を誇る。
年々改良が重ねられており、
1979年の最初期型はレオパルド2A0とされ、
以降、A1~A7が開発され、
更に派生型も数多く存在する。

サイド
砲身の形状や傾斜が付いた半菱形状の砲塔前部、
車体全体や四角く角張っている車体後部等の
特徴から、数あるレオパルド2の
バリエーションの中でも、A5以降のタイプの
デザインを取り入れた形状に造られている。
各部の細かなモールドやクローラー部の
履帯及び車輪はリアルに造り込まれており、
ガンメタルで塗装されたクローラーにより
一段と戦車らしさが表現されている。

リア
全体像はレオパルド2を再現している
ユナイトウォリアーズ・ブロウルの戦車だが、
レオパルド2を完全再現している訳ではなく
意図的に異なるデザインにしており、
砲塔後部はイギリスの戦車チーフテンの様な
雰囲気が感じられる。
又、実車のレオパルド2は全体の装甲が
フラットなデザインだが、UWブロウルは
車体全体にハッチや機械類、
金具の様なモールドを追加して
冷戦時代の第二世代戦車の様な古めかしさが
表現されており、車体側面の履帯カバーは
レオパルド1の様な造形になっている。

ユナイトウォリアーズ及び
コンバイナーウォーズのビークルは、
メーカーライセンス取得品ではない為、
意図的に実車や実機とは異なるスタイルに
アレンジしているという特徴がある。
ブロウルも同様に実際のレオパルド2とは
異なる部分も多いが、G1期の初代ブロウルが
レオパルド1に変形した事から、
リメイク版ブロウルを製作する際に
同系列車両で発展型のレオパルド2を
意識した事は間違いないだろう。

UWブロウルは非常にリアルな造形の
戦車モードだが、戦車の特徴の一つである
砲塔の旋回は出来ない構造になっている。
合体ロボットである事を大前提としているトイなので
致し方ない所だが、主砲は上方に向ける事が
可能なので表情が付けられる。
実際の戦車の主砲では不可能な仰角だが、
TFトイなので問題は無い。

車体後部はロボットモードの足の裏になり、
ブルーティカスに合体した際に
手足の合体パーツを取り付ける
ジョイントの穴も設置されている。
テールランプがモールドされ、
車両らしさを表現しているが、
コスト削減と強度を上げる為に
肉抜きが多用されている事が特徴。
しかし単なる空洞ではなく、
シュレッダーの刃の様な造形にして
危険さを表現し、厳つく攻撃的なイメージの
戦車に相応しい形状を
取り入れている事は好感が持てる。
トランスフォーム!


ロボットモード
戦車の車体フロントが胸部に収まり、
腕部に変形したクローラーは
履帯が正面に配置され、
砲塔を背負ったスタイルや脚部の膝辺りに
ハッチの様な丸いモールドがある所等、
全体像はG1アニメ設定の特徴を
再現したデザインだ。
アニメ版を踏襲しながらも各部の造り込みは
非常に細かく、情報量が多いので
現代的で見劣りする事は無い。

リア
砲塔をそのまま全て背負う変形は
G1トイやアニメ設定と同じで、
ブロウルの個性にもなっている特徴だ。
G1ブロウルのトイは
グリーンとグレーの成形色であったが、
ユナイトウォリアーズ版では
アニメ設定を再現している為、
オリーブ色とガンメタルを採用し、
より軍事的なイメージとなった。

首は回転可能だが、
ユナイトウォリアーズ(コンバイナーウォーズ)
のトイとしては珍しくボールジョイントを
使用していない事が却って目新しい。
肩はボディ側の付け根と
上腕側の二箇所が縦に動き、
上腕側には前後の回転も備わっている。
肘と股関節にボールジョイントが組み込まれ、
腰と大腿部にはロール、膝は90°曲がり、
足首には横方向に開く可動が備わっている。

ブロウルはコンバイナーウォーズの
トイの中でも後発で登場した型の為、
新要素が追加されており、
腹部が特徴的な構造で造られている。
上半身と下半身を繋いでいる腹部は
板状のヒンジパーツのみとなっており、
武骨なボディ全体を支えているのが
板状のパーツなので、少々心許ない感はある。

しかしヒンジパーツには重要な意味がある。
従来のユナイトウォリアーズTFが
上半身と胴体内の合体用ジョイントが
縦向きであったのに対し、
ブロウルは戦車のボディが
張り出した胸部を再現する為に
合体ジョイントを収納している上半身が
横向きになっているのだ。
ヒンジはボディを横向きにする
役目があるだけではなく、
ボディの向きが縦型から横型に変われば、
その分背の高さが足りなくなる為、
腹部のヒンジパーツで背丈を伸ばしているという、
熟慮された設計なのである。

『ブロウルはエネルゴンによって
機能しているのだろうが、
彼の本当の燃料源は“怒り”である。
デストロン兵士の多くは、
不快で激昂し易い気質を持っているが、
それはブロウルの荒い気性に
比べたら些細な物である。』

『激しい怒りは、精鋭軍事部隊の
任務の妨げになると思うかもしれないが、
ブロウルにとっては正反対で
怒りはプラス要素になるのだ。
彼は怒り狂っている時に最も有能な働きをする為、
戦闘時にブロウルが最高の状態で戦える様に、
仲間達はブロウルを故意に激怒させている。』

『短気で口喧しい。
装甲が厚く、大抵の攻撃を跳ね返す。
圧縮音声エネルギーを発射する
双発砲を持っている。』
こちらの設定は、G1当時に日本で発売された
大百科に掲載されている物からの引用。

G1トイ版を再現する傾向が強い海外版だが、
ブロウルに限ってはコンバイナーウォーズ版も
アニメ版カラーのオリーブ色の
成形色を使用しており、
日本のユナイトウォリアーズ版と
非常に類似したイメージのトイであった。
日本版はアニメ設定を更に取り入れ、
左腕にデストロンマークをプリントし、
胸部両脇のスモークディスチャージャーや
前腕にはガンメタルの塗装が施され、
胸部内の合体用ジョイントパーツや肘、
大腿部をガンメタル成形色にしている。

更に頭部の塗装もアニメ設定を再現した
塗り分けを採用し、顔のマスクは赤、
ゴーグルの目はオレンジ色に塗装されている。
海外版と大幅に印象が異なるのは
頭頂部全体もオレンジ色に塗装している事だが、
本来のアニメ設定では
額の中央をオレンジ色にして
頭頂部はグレーとなっている。

アニメ版のブロウルの頭部は、
本来の設定通りのグレー&額のみ
オレンジの場合や、グレー一色であったり、
頭頂部がオレンジ色であったりと
エピソードやシーンによっても異なるのだが、
頭頂部全体をオレンジ色に
塗ってしまっているのは
単なる彩色ミスである。

トランスフォーマーのG1初期アニメでは
セル画の彩色ミスは散見され、
ブロウルも頭部の細かな部分の
彩色ミスが多々見られた。
トイのTFユナイトウォリアーズ版では
アニメ設定を取り入れたカラーリングが
特徴だが、ブロウルの場合は
頭頂部全体がオレンジ色という
アニメの彩色ミスバージョンを
再現してしまっている。

全体像が海外版と類似したイメージの為、
差別化を考慮したのかもしれないが、
頭頂部がオレンジ色という日本版は、
些か違和感がある事は否めない。
UWブロウルの頭部は一度ガンメタルで
全体を塗装してから頭頂部やゴーグル、
マスクを追加塗装しているだけに、
頭頂部はガンメタルの塗装を残しておいた方が
アニメ版のイメージに近かった筈だ。

ツインソニックキャノン
ブルーティカスに合体した際に
手や足に変形するパーツは、
ロボットモードでは大型の2連装キャノン砲となる。
日本版はアニメ設定を再現している為、
合体時に統一性を持たせる目的で
ブロウルのボディカラーと同じ
オリーブ色で成形されている事が特徴。

戦車モードではコの字状に変形させた
ツインソニックキャノンを、砲塔後部に備わっている
専用のジョイントパーツに取り付ける事が出来る。
砲塔の上部に副砲が備わったスタイルは
G1ブロウルと同じで、G1版を意識して
設計している拘りは大いに評価出来る。

砲塔の天面に設けられた5ミリジョイント用の穴に、
ツインソニックキャノンを逆さにして取り付ける事も可能。
こちらのモードは少々見映えが悪くなるので、
上記の様に専用ジョイントを使用して
武器をコの字型にして装着する方が様になる。
又、ツインソニックキャノンの名称は、
海外のコンバイナーウォーズ版からの引用だが、
1986年のG1ブロウルと同名の武器で、
当時の日本版では『双発砲』と訳されていた。

エレクトロンブラスター
ユナイトウォリアーズ(コンバイナーウォーズ)の手足に変形するTFは、
合体パーツが変形した武器と専用武器の二つを所持している事が常だったが、
ブロウルは専用武器が無く、主砲を取り外して銃の代替としている。
G1ブロウルは主砲とは別に
エレクトロン銃という武器が付属していたが、
コンバイナーウォーズでは取り外した主砲を
エレクトロンブラスターとしている。

主砲を取り外して銃とし、手に装備するアイディアは
評価に値するが、ブロウルの個性でもある
主砲を背負ったスタイルが崩れて物足りなくなる。
これを補う為に、代わりにツインソニックキャノンを
砲塔のジョイントに装着すれば、デザインは異なるが
砲身を背負っているというスタイルを構築出来、
ボディカラーと同じオリーブ色の成形色なので違和感も無い。

デストロンの反逆者を集めた
コンバットロン部隊の中でも、
ブロウルは最も粗野で暴力的、
短気で野蛮な無頼漢である。
スタースクリームによって復活させられた直後、
そのスタースクリームに「おまえをスクラップにしてやる」と
言い放ち戦いを挑む様な好戦的な兵士であり、
常に不平を口にして仲間のコンバットロンにも
喧嘩を吹っかける荒くれ者だ。

常に怒りを抱えているブロウルは
非常にデストロンらしい兵士であり、
戦闘では先陣を切って攻撃を仕掛ける勇猛さを見せるが、
考え無しで向こう見ずな性格と言う方が正しいだろう。
尚、G1ブロウルのテックスペックの知力の数値は、
コンバットロンの中で最も低い2(日本版設定では1.5)であり、
頭脳面は今一つな為、戦略や作戦を立案する事は無く、
戦う事だけに特化した兵士である。

ブロウルの凶暴性は異常な程で、
パーソナルコンポーネントを
地球人の学生達が製作したロボットB.O.T.に
移し変えられてしまった際も大暴れした。
TFに比べたら取るに足りない
人工ロボットのボディにも拘わらず、
アイアンハイド、ギアーズ、バンブルの3人が
相手にしても手に負えない程の凶暴さで
サイバトロン戦士達を翻弄するという、
ブロウルの怒り狂うキャラクター性が
非常に巧く描かれていた。

G1アニメ設定の特徴を取り入れたアレンジが
非常に巧いUWブロウルのトイは、
武骨なロボットモードとリアルな戦車モードの
両形態のスタイルが抜群に良い。
G1トイと同じレオパルド戦車を選んでいる所も嬉しい面であり、
懐かしさと新しさのバランスが取れている優れたトイと言えよう。
単に新作トイでリメイク版を造るだけではなく、
G1当時のオリジナルのトイやアニメ作品への
リスペクトが感じられる事が、
リメイク版の重要な要素の一つなのだ。

◆参考にならない比較◆
⇒ TFジェネレーションズ TG-03 ディセプティコン ブラストオフ
⇒ TFジェネレーションズ TG-04 ディセプティコン ボルテックス
⇒ 記事一覧【9】 トランスフォーマー G1リメイク 4
⇒ 記事一覧【6】 トランスフォーマー G1リメイク 1
⇒ 記事一覧【7】 トランスフォーマー G1リメイク 2
⇒ 記事一覧【8】 トランスフォーマー G1リメイク 3
⇒ 記事一覧【十三非常階段】 `

トランスフォーマー ユナイトウォリアーズ
UW-07 ブルーティカス
レビューお疲れ様です
僕もこれは持っているのですが、コンバットロンの中で一番気に入りました
デザインがG1に近づけられており、なおかつプロモーションも進化している素晴らしいものでした。
またビークルモードもちゃんとレオパルド戦車で嬉しかったです
ブロウルのリメイクアイテムとしては及第点だと思います
僕もこれは持っているのですが、コンバットロンの中で一番気に入りました
デザインがG1に近づけられており、なおかつプロモーションも進化している素晴らしいものでした。
またビークルモードもちゃんとレオパルド戦車で嬉しかったです
ブロウルのリメイクアイテムとしては及第点だと思います
兵器集団のコンバットロンは人気が高いので、
日本でも一般販売されたのが良かったですね。
G1ブロウルのアニメ設定を再現したロボットモードのスタイルや、
重厚なカラーリングで戦車らしさが巧く表現されているのも嬉しい所です。
戦車の種類もG1版に合わせてレオパルドを選んでいて、
元々のキャラクターをよく考慮しているなと感心しました。
日本でも一般販売されたのが良かったですね。
G1ブロウルのアニメ設定を再現したロボットモードのスタイルや、
重厚なカラーリングで戦車らしさが巧く表現されているのも嬉しい所です。
戦車の種類もG1版に合わせてレオパルドを選んでいて、
元々のキャラクターをよく考慮しているなと感心しました。