元々、マグネパワーズの中では
『青いミクロマン』のウォルトだけに、
青と白のツートンカラーのプライズ版も
受ける印象は然程変わらない。
これは無彩色である白を無色と感じてしまい、
青が引き立っているからであろう。
前腕と膝下の脚部が青い成形色で構成され、
白成形色のボディの胸部と背中、腰に
青い塗装が施されている。
頭部の銀メッキ、胸部の金メッキに加え、
ブレスレットとマグネアームが
ゴールド塗装されている所は、
他のマグネパワーズ・フィギュアと同仕様。
ボディ各部を構成するパーツの成形色や塗装の
色は変わっても、メッキやゴールド塗装という
共通した特徴を残す事ににより、
マグネパワーズとしての
統一感が生み出されている。
平成ミクロマンシリーズで中心となる
ミクロマン・マグネパワーズ5人は、
メンバーそれぞれが宇宙の別々の場所で
活躍していた為、旧知の仲という訳ではなく、
地球を護る為に集められた精鋭チームである。
大幅な年齢差があったり、各人の経歴も
様々だが、全員がトップクラスの実力を
備えた選抜されたミクロマン達だ。
ウォルトはマゼラン星雲で戦っていた
ミクロマンで、水を操る特殊能力と
拳法を基本とする格闘術を得意とする戦士だ。
マグネパワーズはリーダーのアーサーを始め、
生真面目なメンバーばかりなので、
陽気で楽観主義者のウォルトは
場を和ませるチームのムードメーカーであり、
戦力だけではなく精神面でも
チームに貢献している人物だ。
トイのミクロマン・マグネパワーズは、
後の2000年代以降も継続する事となる
多くの可動箇所を備えたミクロマンフィギュアの
基本となったシリーズだ。
通常のミクロマンは全高約10cmだが、
マグネパワーズは8cmと小柄に設計されている。
それでも全身には可動を組み込んでおり、
ポーズ付けには充分な可動を備えている。
マグネパワーズの可動箇所は、
首と二の腕の回転、肩の前後左右の可動、
右肘と膝の可動軸に加え、股関節は
ボールジョイントで自在に動かす事が出来る。
後年のミクロフォースやマスターフォース等の
ミクロマンフィギュアは
全身30箇所がフル可動するという、
小サイズ可動フィギュアとしては
驚異の仕様となった為、それ等に比べると
マグネパワーズの可動箇所は
少なく感じるかもしれない。
しかし2003年以降のミクロマンは
可動箇所を極限まで増加した物の、
各パーツが細かく造られている為に
関節部が破損し易いという弊害も起こっている。
その点、マグネパワーズは
堅実な造りと全身可動を両立しており、
多少乱暴に扱っても折れたり割れたりする事は
ほとんど無いという頑丈さが
長所の可動フィギュアだ。
低年齢の児童が遊ぶ事を前提としてる為、
壊れ難さに重点を置いており、
長期間経過しても経年劣化で
自壊する様な事が無いのは驚きである。
↓
ノーマルのマグネパワーズはボディの大部分が
クリア成形で造られているが、
それでも割れ易いという事は無く、
気負わずに遊べる所がメリットだ。
基本となった初期タイプのマグネパワーズ
の方が、後年登場した可動を重視した
ミクロマンフィギュアよりも
長く楽しむ事が出来るというのは皮肉だが、
それだけマグネパワーズが
優れているという証明でもあるのだ。
◆通常版ミクロマン ウォルトとの比較◆
フロント
双方共に「ブルー」のイメージが濃厚だが、
プライズ版は白い部分も多い事が見て取れる。
通常版ウォルトは濃淡が異なる
ブルーで纏められているが、
プライズ版は青と白の
2色構成で独自性を確立している。
リア
マグネパワーズの限定カラーバリエーションは
景品用のアミューズメント限定版だけではなく、
販売促進用の非売品マグネパワーズも
製作されている。
アーサー、カーク、キースの
クリアバージョンが存在し、
1999年の春から夏に掛けての期間に
販促アイテムとして各ショップで配布された。
アニメ劇中に於いてマグネパワーを使って戦う
ミクロマンだが、実際のフィギュアにも
マグネットが組み込まれているので、
磁石を利用した遊びを行える事が
特徴の一つである。
全身四ヶ所に磁石を内蔵している
ミクロマン故に、『マグネパワーズ』の名に
相応しい仕様のフィギュアだ。
胸部、左腕、両足の裏に埋め込まれた
磁石を駆使する事で、様々な遊び方が
生み出せるのもマグネパワーズならでは。
写真の様に左腕のマグネットに
乾電池を取り付ける事も可能で、
背景紙の下の床面に鉄板を敷く事で
安定性が増す。
胸部の磁石も同様に、鉄製の物や
磁石を密着させる事が出来る。
ウォルトのボディに貼り付いているのは、
ペプシコーラのオマケ特典として製作された
スターウォーズ・マグネット。
表面はホログラムステッカーが貼付されており、
裏面には円盤状の磁石が取り付けられている。
ミクロマンより多少重い物でも
磁力により保持できる為、
様々な物を取り付けて遊べる
プレイバリューの高いフィギュアである。
↓
又、別売りのミクロマントイとの連動も
考慮されており、チェンジトルーパーズや
ミクロマンマシンに搭乗させる事も可能。
チェンジトルーパーズのマシンモードには
ミクロマン用のグリップが
設けられているので、ミクロマンの右手に
グリップを握らせる事が出来る。
アイテムの増加で遊びの幅が広がる所が、
ミクロマンシリーズの伝統である。
ウォルトも他のプライズ版マグネパワーズと
同様に、昭和期の1975年に登場した
M111シリーズをモチーフにしている。
ウォルトは白と青が半々ぐらいの
配分なので少々イメージが異なるが、
白いミクロマンのM112 バーンズを
モチーフにしており、白い成形色のボディ、
肩、大腿部や、腰と脛の青が共通している。
玩具コレクターにとって経年劣化は
最も頭を悩ます問題の一つで、
主な材質がプラスティックであるが故に、
保管しているだけで変色していたり
割れてしまっているトイを発見した時は
深い悲しみに包まれる。
通年、室温と湿度を最適の状態に保てる
博物館の様な環境を用意する事は不可能なので、
経年劣化し難いアイテムは非常に有難い物なのだ。
発売時にはどの様なトイでも
劣化し易いか否かは判断出来ないのだが、
ミクロマン マグネパワーズは長期間保存にも
耐える優れたアイテムという事が
証明されたと言えよう。
◆参考にならない比較◆
⇒ 003 マグネパワーズ ミクロマン ウォルト `
⇒ アミューズメント限定版 ミクロマン エジソン `
⇒ アミューズメント限定版 ミクロマン オーディーン
⇒ 002 マグネパワーズ ミクロマン イザム `
⇒ 004 マグネパワーズ ミクロマン エジソン `
⇒ 005 マグネパワーズ ミクロマン オーディーン `
ミクロマン マグネパワーズ
超磁力システム
ミクロマンウォルト 限定版
ミクロマン レッドパワーズ
L-03 レーザーウォルト