◆ 名前 : ガスカンク
◆グループ: メタルビースト / デストロンガー
◆ 役割 : 特殊工作兵
◆ 変形 : メカスカンク
◆シリーズ: トランスフォーマー カーロボット
◆ 発売日: 2000年3月16日
◆ 価格 : 980円
パッケージ
ビーストモード
原型のトイは、1999年に
海外版『ビーストウォーズ』の
トランスメタルス2シリーズで
発売されたスティンクボム。
スカンクという珍獣が選ばれているのは、
ビーストウォーズが長年継続し、
有名且つ子供が認知している動物が
尽きてきた背景があると思われる。
サイド
黒と黄色の成形色が共通している為、
原型トイのスティンクボムに
類似したイメージだが、
塗装面は大幅に変更されている。
白であった背中のラインはシルバーに変更、
牙や四肢の爪にはシルバー塗装を追加、
金メッキだった尻尾やボディ側面のパネルは
銀メッキに、更にガスカンクの
尻尾にあるメカニカルなモールドは
銀メッキの上にクリアオレンジを重ねている等、
全体的に塗装箇所が増え、各部のモールドが
引き立つ塗装処理となっている。
リア
元々トランスメタルス2のトイなので、
生身とメカ部分が半々のサイボーグ的な
姿が特徴で、スカンク特有の
大きな尻尾もメカニカルにアレンジされ、
更にメッキ処理が施されており見映えする。
一見すると左右対称に見える姿だが、
生体要素とメカ要素の配分は
左右で異なっており、右脚と左脚の
モールドも全く異なる拘りの造形。
後脚だけでも左右で異なるデザインが
与えられている事が見て取れる。
ツメや足の裏、脹脛も左右で異なり、
足の裏のメカ要素は
シルバー塗装を施してモールドを
分かり易くしているという拘りが見事。
元はトランスメタルスのアイテムだけに、
各部の造り込みは非常に細かい。
ビーストウォーズ期に登場したTFトイの為、
全身各所の可動部は豊富に設けられている。
四肢の付け根と前脚の足首は
ボールジョイントで接続されているので
可動範囲が広く、肘と膝の可動軸により、
スカンクモードでもポージングの幅は広い。
ジャックテールと命名されている
尻尾の付け根はボールジョイントと
可動軸を併用した二重関節なので
自在に動かす事が出来、
尻尾先端のイエロー成形色の
クローパーツも展開可能。
ガスカンク、変身!
スカンクの胴体全体を回転させ、
スカンクの頭部をロボットモードの胸部に
収納したり、腰や肩パネルの回転等、
意外性のある変形工程が見事だ。
ロボットモード
目の周りを覆い、サイド部分が伸びている
マスクや牙を剥き出しにした表情は
X-MENのウルヴァリンの様なイメージ。
スカンクの前脚が折り畳まれた
上腕にボリュームが集中しており、
筋肉隆々で逆三角形体型のマッチョな姿の為、
全体像はアメリカンヒーローを
思わせるパワフルなイメージのTFだ。
リア
スカンクの尻尾部分は後頭部に配置され、
ポニーテール状の頭部デザインという所が
ガスカンク最大の特徴と言えるだろう。
巨大な尻尾に加えて
スカンクの背中部分のパーツも
全て背負うスタイルだが、
明確に踵パーツが造形されている為、
接地性は抜群で
後ろ側に倒れ易いという事は無い。
全身各所の関節部は
ボールジョイントを使用しているので
可動範囲が広く、ポーズ付けの
自由度が非常に高い。
首、肩、肘、股関節、膝、足首に
ボールジョイント、肘は変形用の
前後の可動軸もポージングに利用出来、
腰にはロール、更に後頭部の
ジャックテールの基部は
ボールジョイントと左右の可動軸で
自在に動かす事が可能。
『デストロンガーの実働部隊。
破壊工作のエキスパートで、
右肩に時限爆弾を持ち、
口から笑いが止まらなくなるガスを噴射。
尻尾の先端は特殊合金で出来たクロー。
性格は大変なお洒落好き。』
テックスペック
・パワー : 7
・知力 : 6
・スピード : 7
・耐久力 : 7
・階級 : 6
・勇気 : 8
・火力 : 5
・テクニック: 7
ジャックテール
後頭部から伸びる髪の毛状のスカンクの尻尾は
自在に動き、先端のツメで敵を切り裂
くガスカンクのメイン武装となる。
持ち前のパワーとジャックテールを
組み合わせた攻撃は、重機TFの
ビルドボーイやビルドハリケーンをも
軽く吹っ飛ばしてしまう程。
レフトメーザー
左肩に埋め込まれた
デストロン(プレダコン)マークの
スパーククリスタルは、
TFカーロボットのメタルビーストでは
レーザー砲として機能する設定。
メタルビースト各人が放つ
メーザー(レーザー光線)は
それぞれ異なる特性を持ち、
ガスカンクのレフトメーザーは
強烈な『熱線』。
デストロボム
『時限爆弾を始めとする
様々な種類の爆弾を内蔵している。』
右肩のカバーも展開するトイの
構造を活かして、内部の球体のモールドを
爆弾に見立てているアイディアが巧い。
ワライガス
『体内で様々な毒ガスを合成可能で、
笑いガスの他、物を溶かしたり
目潰しガスを発射する事が出来る。』
スカンク特有のガス攻撃は、
アニメに於いては実際のスカンクの様な
臀部からではなく口からガスを放つ。
常に大量のキャラクターが登場する
トランスフォーマーでは、
各TFを個性的に表現する事は
アニメ製作陣にとっても大きな課題であろう。
数あるTFシリーズの中には、タカラや
ハズブロが提示したキャラクター設定を活かして
それぞれの人物像を広げている作品もあれば、
中心メンバー以外は単なるギャラリーの如き
没個性なTFばかりになってしまった
アニメ作品も存在する。
『トランスフォーマー カーロボット』は
全てのキャラクターを個性的に描いた
成功例と言える作品であり、
どんな脇役でも個性が引き立っていた事は
大いに評価出来る。
ガスカンクは悪役の一兵卒という脇役だが、
非常に個性的で印象深いキャラクター性が
与えられており、いわゆるオカマ趣味という
トランスフォーマーでは珍しい部類の
異色のTFである。
この様なオカマ的なキャラクターが登場した
背景には、アニメ作品で大量のキャラクターを
描き分けなければならない事と、
子供にも分かり易く各キャラクターを
印象付ける目的があった為と思われる。
1990年代後半の
日本版『ビーストウォーズ』シリーズで
多用された独自の口調や方言を
取り入れる手法の延長として、
オカマ的な要素を加えたキャラクターが
生み出されたと考えられる。
日本版TFアニメでは『ビーストウォーズⅡ』で、
ガスカンクと同系統のキャラクターの
スタースクリームが既に登場しているが、
BWⅡスタースクリームの場合は
スマートなエリート兵士という側面が強調され、
オカマ的な要素は口調程度にとどめられていた。
しかしガスカンクは裏声混じりの
高い声色で喋り、お洒落で派手好き、
宝石等の美しい物を好むという、
性格面までオカマ的に描かれている。
因みにガスカンクの誕生石は
ダイヤモンドで4月生まれだと自ら語っている。
海外では規制が厳しい事もあり、
子供向けアニメに相応しくないと判断される為か、
海外版トランスフォーマーのアニメには
オカマキャラは基本的に存在しない。
ガスカンクも海外版の
『TRANSFORMERS ROBOTS IN DISGUISE』では
太い声の普通の兵士に変更されており、
オカマ的な表現は排除されている。
オカマ的なキャラクター性が特徴のガスカンクだが、
その性格や仕草とは裏腹に、怪力を秘めた戦闘力の高いTFである。
デストロンガーの中ではトップクラスのパワーを誇り、
自ら「力だけなら誰にも負けない」と嘯くほどの実力を備え、
自分の身体の何倍もある荷物を満載した機関車の走行を
正面から受け止めて停止させた後、軽々と持ち上げて投げ飛ばしている。
ストーリー後半にギガトロンが仲間の能力を取り込んで
デビルギガトロンに転生した際、ガスカンクから奪った能力は
『パワー』であり、デビルギガトロンが変形する強大なパワーを備えた
デビルエレファントモードは、ガスカンク由来の新形態である。
故に、ガスカンクは性格や態度等の表面的なイメージを覆す、
底知れないパワーを備えた戦士という事が想像出来る。
更にガスカンクは怪力だけが自慢のTFではなく、
コンピューターのプログラミングや高性能暗号解読器を
発明する等、メカ関連に造詣が深い一面も披露している。
強力なパワーと多彩な攻撃を繰り出す高い戦闘力に加え、優れた頭脳を備えた
万能な兵士である事は間違いないが、ガスカンク、ギルドー、グッシャーのトリオを
指揮するゲルシャークの作戦に難がある為か、実力は今一つ発揮出来ていない。
ガスカンクのオカマ的なキャラクター性は、初見した時は安直な印象を受けるが、
第一印象とは正反対とも言える怪力自慢な上にメカにも強いという、
想像を超えるギャップが見る者に驚きを与えてくれた。
トイに関しては、基となったスティンクボムのブラッシュアップ版とも
言える様な豪華な仕様となり、大幅な塗装追加により
各部のモールドが引き立つ様になった事は大いに評価出来るだろう。
キャラクター設定、トイ仕様共に楽しむ事が出来るガスカンクの様なTFが、
『トランスフォーマー カーロボット』シリーズには多数存在しているのだ。
◆参考にならない比較◆
⇒ メタルビースト D-004 グッシャー
Transformers - Robots in Disguise
- Sky-Byte -
トランスフォーマー カーロボット
D-002 ガスカンク
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