◆ 名前 : グラップ
◆ 変形 : クレーン車
◆ブランド: ハッピーセット
◆メーカー: マクドナルド
◆シリーズ: トランスフォーマー マイクロン伝説
◆ 発売日: 2003年2月7日
◆ 価格 : 360円 (税抜・ハンバーガーセット)
パッケージ
ビークルモード
クレーン車モードはタカラ / ハズブロ製の
変形トイ版グラップのデザインを
リアルに再現しており、
フロントガラスを青く塗装する事で、
グラップのオレンジ、グレー、ブルーという
ボディカラーも受け継いでいる。
ルーフにクレーンを設置している所は
ハッピーセット版特有の物で、
クレーンが長い為、フックがある側を後ろに
向けている状態がデフォルトだ。
リア
クレーンを後ろに向けるスタイルは
パッケージ兼説明書で示されており、
タカラの変形トイ版とは異なる解釈を
取り入れているアイディアが見事だ。
車体リア部にはウインチも造形されており、
元々のグラップのデザインをアレンジを
加えながらも忠実に再現しようとする
拘りに感心する。
尚、クレーン車型トイとしてタイヤは
スムーズに回転し、転がし走行が可能。
クレーンは前方に向ける事も出来、
車体に対し大型のクレーンは迫力がある。
又、クレーン部分は簡単に
取り外す事が出来る様に造られており、
これは海外版ハッピーミールの
スモークスクリーン(グラップ)のギミックの
名残りだが、幼児が乱暴に扱ったり
落としたりした際の破損防止も
考慮した物であろう。
ハッピーセット(ハッピーミール)トイは
幼児が遊ぶ事を大前提としているので、
パーツが壊れ易い等の危険な要素は
全て排除する方針で設計されている。
トランスフォーム!
ロボットモード
重機から変形するTFに相応しく、
体格が良いパワフルな印象のロボットモード。
車体底面部分には、ボディや脚部が
細かく造り込まれている事が確認出来る。
胸部にウインチが備わった車体が
配置される所や、運転席が開いて
内部に拳が収まっているパーツ構成は、
タカラ / ハズブロ版変形トイのグラップを
参考にした物と思われる。
リア
ハッピーセット・トイ故に、簡単且つ大胆な
変形機構が採用されている事がグラップの特徴。
ロボットモードのスタイルは特殊な物だが、
頭部、胴体、手足というパーツは認識可能な為、
一応ヒューマン型ロボットなのだ
という事は理解出来る。
サイド
正面や背面からは
ヒューマン体型を維持している様に見える
ハッピーセット・グラップだが、
横から見ると非常に違和感のある
体型という事が分かる。
胴体に対し、胸部と頭部は
大幅に前に突き出ており、
逆に腕部は後ろ側過ぎる為、
非常に異様なスタイルとなっている。
ハッピーセット・グラップは
特異な体型である事に加え、
足の裏はカーモードのフロントなので
安定性が悪く後ろに倒れ易い。
クレーンパーツの上面側のジョイントを
使用して背中に装着すると、
クレーンが支えになるので
倒れる事はなくなるが、更にバランスが
崩れた様なスタイルのロボットになる。
本家タカラ / ハズブロ版のトイでは
実現不可能であろう、
大きなインパクトを放つデザインで
製品化した事は称賛に値する。
一度目にしたら忘れられない様な
人型から離れたロボットモードは、
前例の無いオリジナル要素に満ちており、
大いに評価されるべき物だが、一般的には
受けが悪いであろう事も想像に難くない。
ハッピーセット・グラップは、人によって
好みが分かれるアイテムと言えるだろう。
実写映画に登場するディセプティコンは、
悪役である事を分かり易く示す為に
外見も禍々しさが強調された
クリーチャータイプのTFが数多く登場した。
しかし映画以前の2003年に展開した
『トランスフォーマー マイクロン伝説』では
悪役のデストロンでもクリーチャータイプの
TFは一人も存在せず、
更にグラップはサイバトロン戦士なので
人型から離れた体型にする必要性は無い為、
ハッピーセット版の異様なスタイルは
非常に斬新で驚きに満ちた物だった。
ハッピーセット・グラップは
特に異形の姿をコンセプトにしている訳ではなく、
簡単な変形やギミック搭載、頑丈さ等を
考慮した結果のスタイルと言える。
ハッピーセット(ハッピーミール)トイの
楽しみの一つは、
この様な独自にアレンジされたデザインであり、
チープトイならではの野暮ったさが
最大の魅力であった。
昨今のハッピーセット・トイはスタイルが良く洗練され過ぎていて、
従来のミールトイに見られた誰も思い付かない様な奇抜なアレンジが
少なくなってしまった事は残念な所である。
グラップは大胆なアレンジで特殊な体型となっているが、
それでも首と肩が回転するという可動も省略せずに組み込んでおり、
ポーズ付けも可能としている仕様は驚くべき物である。
グラップは気っ風の良い江戸っ子気質のトランスフォーマーで、
重機に変形する事もあってパワフルな“土方の兄貴”的な存在だ。
ハッピーセット・グラップは唇が厚く頬骨が浮き出た顔で造形されており、
体力自慢のキャラクターに相応しい独特なデザインが素晴らしい。
ハッピーセット・トイでもキャラクター性をよく理解している証明である。
元々のグラップは肩にクレーンを設置したスタイルなのだが、
ハッピーセット版ではクレーンを肩に取り付ける事は出来ない。
写真では単に乗せているだけで固定されていない為、
本体を動かすとクレーンは落ちてしまう。
ハッピーセット・グラップの場合、ロボットモードのデザインを忠実に
再現する事よりも、クレーンパーツを使用するギミックの方を優先している。
グラップにはアクションギミックが搭載されている。
カーモードで走行させると、車体内部に組み込まれたカムにより
クレーンが上下に連続して動くという、面白味のあるギミックが備わっている。
このアクションは前進、後退どちらでも有効という優れ物だ。
クレーンの上下アクションは、実は日本で発売された
ハッピーセット版の為に、新たに導入されたギミックである。
先行して発売された海外のハッピーミール版スモークスクリーン(グラップ)では、
バンパーのスイッチが押されるとクレーン部分が跳ね上がって分離するという物だった。
即ち、ハッピーセット・グラップは日本限定トイなのだ。
造形は海外版と酷似しているが、日本のハッピーセット版は
全てのパーツを新規造形で造り起こしており、ギミックも一新した為、
内部構造も全て造り直しているという驚きのアイテムである。
全パーツを新規の物で製作していながら、異形のスタイルは
そのまま海外版と同じにしているという面も注目に値する。
↓
この様なパーツの変更は同シリーズのハッピーセット・ホットロッドも同様で、
日本仕様のマイクロン伝説ハッピーセットは非常に力が入ったアイテムだった。
気付く人間の方が少ない、もしくは誰も気にしていないにも拘わらず、
敢えて全て新たに造り直しているというマイクロン伝説ハッピーセットの
必要以上のこだわり振りは、驚嘆する物がある。
↓
マイクロンジョイント
左肩には凸型のマイクロンジョイントが設置されており、
タカラ / ハズブロ製のマイクロンを
エボリューション(合体)させる事が出来る。
ハッピーセットだけではなく、タカラ製のTFトイとも
連動して遊べるという気の利いた仕様が嬉しい所だ。
元々のデザインがヒューマン体型のTFであるグラップだからこそ、
ハッピーセット版の人型から離れたスタイルは衝撃であった。
奇抜なスタイルはそれだけでコレクションに加える充分な理由となるが、
各部の造形は意外にも細かく造り込まれており、ギミック搭載や
余剰パーツとなるクレーンを背中に取り付けておける工夫等、
遊び易さを第一に考慮した数々のアイディアには驚かされる。
ハッピーセット・グラップはトランスフォーマーの傑作トイの一つに
数えられる事は間違いなく、その類稀な存在感により、
いつまでも輝きを失う事は無いだろう。
◆参考にならない比較◆
⇒ TFマイクロン伝説 ハッピーセット ホットロッド `
⇒ TFアルマダ ハッピーミール オプティマスプライム
マクドナルド ハッピーセット
トランスフォーマー マイクロン伝説
ホットロッド グラップ セット
トランスフォーマー マイクロン伝説
MC-12 ラチェットS スーパーモード