G1期以来、バンブルは愛嬌のある
マスコット的なキャラクター性が特徴であったが、
2007年の実写映画化によりイメージを一新、
馴染み易い性格に加えて
戦闘にも果敢に挑む戦士として描かれた。
映画第4作目に当たる
『トランスフォーマー ロストエイジ』では、
1~3作目までのバンブルビーとは
大幅に異なるデザインに変更し、
よりスタイリッシュで攻撃的な
イメージとなった事で、バンブルビーの
新たな魅力を引き出してくれた。
◆ 名前 : バンブルビー
◆グループ: オートボット
◆ 変形 : GM・シボレー
2014 カマロ コンセプト
◆シリーズ: トランスフォーマー ロストエイジ
◆ 発売日: 2014年8月8日
◆ 価格 : 2800円
パッケージ
ビークルモード
実写映画トランスフォーマーシリーズの
世界的大ヒットの影響は大きく、第4作目の
『トランスフォーマー ロストエイジ』版バンブルビーは、
既存の自動車をモチーフにしているのではなく、
映画サイドからのリクエストで製作されるという、
それまでとは逆のパターンだった。
マイケル・ベイ監督のリクエストを基に
GM社がカマロのデザインを新たに作り起こし、
アグレッシブなイメージを放つフロントマスクの
2014カマロ・コンセプトを完成させた。
サイド
バンブルビーのトイは海外版と日本版では
仕様が異なり、日本版はカーモードの
ボディの大部分に塗装処理が施されている。
ボンネット、バンパー、グリル等を含む
フロント部全体と車体サイド、
ルーフからリアに掛けての天面部分は
全てオレンジイエローで塗装されている。
ドア後部とリアフェンダー、リアバンパー部は
成形色のままだが、これ等の部分は
変形後に折り畳まれて干渉し合う為、
塗装剥離する可能性が高いので
元から塗らなかったのだろう。
リア
イエローボディに黒いストライプが入る
スタイルは、2007年の映画第一作目から
変わらず受け継がれており、
ムービー版バンブルビーらしさが
存分に表現されている。
ウィンドーがクリアブルーという面も
トイでは伝統的な配色であり、
ロストエイジ版バンブルビーでも
取り入れている配慮は嬉しい所だ。
フロントマスクの中央には
シボレーのエンブレムのモールドがあり、
同様にリア部にもエンブレムを
造形しているという細かな拘りが見事。
ヘッドライトやエアインテークはリアルに
造り込んでいる事に加え、簡略化されながらも
ナンバープレートや左右の2連マフラーも
造形されており、カーモードのリアルさは
充分に表現出来ていると言えるだろう。
フロントフェンダーには、
オートボットマーク型のエンブレムが
モールドされている。
これは車体両サイドに造形されており、
実車と同様のデザインを再現している。
オートボットマークを
タンポ印刷して欲しかった所だが、
シルエットのみな所が惜しい。
タイヤはコスト削減の為、嵌め込み式だが、
ホイールの造形も非常に細かくリアルだ。
ホイールは黒い成形色のままで未塗装だが、
これは映画で使用された実車のカマロが
ガンメタルのホイールだったので、
実車と同じイメージの黒を
そのまま採用している為だろう。
カマロのマッスルカーらしさと
スタイリッシュさを併せ持つフロントマスクは、
メタリックブルーの吊り目状の
ヘッドライトが攻撃的なイメージ。
TFロストエイジ・バンブルビーは
一級の戦士として位置付けられている為、
カーモードでもスピードとパワーを合わせ持つ
戦士らしさが感じられるデザインが巧い。
トランスフォーム!
ロボットモード
実写映画第4作目にして、
全面リニューアルされた
ムービー・バンブルビーの新たな姿。
G1バンブルのマスコット的な
イメージを残していた映画1~3作目の
デザインとは完全な別物になっており、
戦士としての逞しさや洗練された
スタイリッシュさが顕著になった。
リア
映画TFロストエイジに於ける
トランスフォーマーのデザインは
どのキャラクターも人間的な要素が強く、
変形を考慮していない為、
バンブルビーも自動車の要素が
ほとんど無い様なデザインだった。
実際の変形トイでは映画通りのデザインは
不可能な為、背中にカーモードのボンネットや
ルーフが全て配置されている。
しかしパーツを分割してヒンジで折り畳んで
三重にする事で情報量が増えているので、
ムービー版TFとして
納得の出来映えとなっている。
ニュースタイルのバンブルビーのトイは
ポーズを付け易い様に設計されており、
各関節には簡易的なクリック可動を
採用しているので保持力が強い。
ポージングで使用されている
ボールジョイントは首のみで、
肩は前後左右に回転する二重の可動が
備わっており、肘はクリック関節及び横ロール、
股関節は前後の回転に加え
横方向の可動はクリック式、
膝と足首も深く曲げる事が出来る。
『彼は人間との友情を結んだ
最初のトランスフォーマーである。
再び人類が危険な状況にある中、
バンブルビーは偽装を解き、
新たな姿となって戦いに飛び込んで行く!』
プラズマキャノン
バンブルビーの主武装である
腕部が変形したキャノン砲が備わっている。
ムービー・バンブルビーはプラズマキャノンを
装備しているという基本設定があり、
2007年の実写映画第1作目から
バンブルビーの武器として描かれている。
形状は作品毎に変化しながらもキャノン砲の
設定は受け継がれており、武器名称も
プラズマキャノンで統一されている。
ロストエイジ・バンブルビーのトイでは、
右腕に変形機構が内蔵されている。
右腕の前腕部分は回転式になっており、
拳を反転させるとキャノン砲が現れて
武器に変形するというギミック。
簡単な構造だが、バンブルビーの
キャラクター性の一つにもなっている
腕がキャノン砲に変化する特徴を
トイでも再現している事に好感が持てる。
尚、左腕に変形機構は無いが、
右腕だけでも充分楽しめる。
バトルマスク
頭部のイエローパーツをスライドさせて
目の部分を覆う事が出来る。
戦闘時に装着するバトルマスク機構を、
デラックスクラスのサイズで無理なく再現し、
造形面でも破綻していないという
驚きのギミックだ。
頭部は非常に小さいパーツ構成にも拘わらず、
顔が変化するギミックを導入した手腕は
大いに評価出来る。
又、通常はマスクの下に隠れた額部分にも
細かなモールドが施されている事が確認出来る。
後頭部はクリアブルーパーツで
成形されており、本来は集光ギミックを
備えた構造に造られている。
しかし丸い目は水色で塗装されているので、
集光ギミックは機能しない。
海外版では未塗装のままで
クリアブルーの目が光ったのだが、
日本版が塗装されているのは
差別化と豪華さを付加する為と思われる。
デザインをリニューアルしたバンブルビーは、
マッシブなイメージが強調され、
より戦闘的な姿に変化している所が特徴である。
バトルマスクを装着した顔のデザインは
スズメバチを思わせ、
胸部パネルの形状もスズメバチの顔を
思わせるデザインになっている。
これはオレンジの色味が強くなった
ボディカラーにも表れている。
パッケージのボックスアーに使用されている
バトルマスクを装着したバンブルビーの
イラストも、スズメバチを強く感じさせる。
バンブルビーの意味は「マルハナバチ」、
日本人には身近な蜂のミツバチと言った方が
キャラクターイメージが伝わり易いだろう。
可愛らしさが感じられるミツバチから、
ロストエイジ版では攻撃的なスズメバチに
イメージを一新している事で、
バンブルビーの戦士としての側面を
強調している事が窺える。
スピニングディスク
タイヤのホイールが変形した様な
星型の武器が二つ付属する。
開発者によると回転式カッターの様な
武器を想定していたとの事だが、
トイでは特にギミックは無く、
5ミリ径のグリップで手に装備出来る。
スピニングディスクは、
背部に背負っているボンネット部の
ジョイントに装着しておく事が可能。
取り付けている向きは異なるが、
映画劇中のバンブルビーも
ディスクを背負うデザインの為、
トイでも雰囲気を出す事に成功している。
カーモードでは車体底部後方に
取り付ける事が出来る。
スピニングディスクにモールドされている
小さな二つの突起を、車体に設けられた
ジョイントに差し込んで固定する。
ディスクを取り付けたまま走行させても、
引きずらない様に計算された設計である。
スピニングディスクの名称の通り、
本来ならば写真の様な回転するギミックを
組み込みたかったと思われる。
回転しているのは、2003年に展開した
『トランスフォーマー マイクロン伝説』
シリーズで発売されたマイクロン・フレイムの
エクスディメンションズ版で、黒いボディなので
スピニングディスクと類似性がある。
TFマイクロン伝説期のマイクロンには
5ミリジョイントは無いので、
バンブルビーの手に装備させる事は
出来ないが、一工夫加えれば
保持している様に見立てる事が可能。
ロストエイジ・バンブルビーの
スピニングディスクのグリップは、
円筒形の中央に穴が開いており、
奇しくも2003年当時の
凸型マイクロンジョイントと同型である。
このグリップに凹型マイクロンジョイントが
備わっているマイクロンを差し込む。
スピニングディスクのフレーム部分を
バンブルビーの手に保持させれば、
回転可能なマイクロンを装備させる事が出来、
スピニングディスクの
本来意図していたであろう
回転ギミックの雰囲気を楽しめる。
TFロストエイジのトイは、
簡単な変形で手軽に遊べる
ロストエイシシリーズと、
手応えのある変形とリアルな造形が特徴の
ムービーアドバンスドシリーズの
二つのラインが中心となって展開した為、
数多くのトイが発売された。
ムービーアドバンスドシリーズは
比較的高い年齢層のファンを
対象にしているが、それでも変形は
『トランスフォーマー リベンジ』の
時期のトイよりは分かり易く簡単である。
バンブルビーの変形も
それほど難しい物ではないのだが、
このトイの場合は変形機構よりも
変形の行い方の方が難しい。
カーモードからロボットモードに変形する際、
フロント部のジョイントが異様に硬く外れ難い為、
破損してしまうケースも多々あった模様。
フロント部中央パーツの赤い矢印で示した
ジョイントが外し難く、ヘッドライトがある
両サイドのパーツを無理に動かすと破損し易い。
この点はTF公式サイトの
トランスフォーマー デザイナーズレビュー
でも触れられており、開発者によると、
中央のパーツをしっかりと押さえ、
ロボット腕部になる両サイドのパーツは
真下に動かす様にすると上手く
ジョイントが外れると言う。
しかし実際は斜め下に動かす事になるので、
ジョイントパーツに負荷が掛かる事は
避けられない為、慎重に変形させるしか
無いだろう。
当方所有のバンブルビーも、
片側は白化し、もう一方は折れた。
フロント部のジョイントの破損報告が多い
ロストエイジ・バンブルビーだが、
他の部分の破損にも注意が必要で、
ウィーンドー部のクリアパーツがそれに当たる。
ロボットモードへの変形時に
ボンネットやルーフを折り畳んで
パネルを三重に重ねるのだが、
二枚目のパネルを繋げている
グレーのヒンジパーツを畳む際に
テコの力が働いてウィンドーの
クリアパーツ基部が割れてしまうのだ。
ここはクリアパーツに
金属ピンを通してあるので
元々破損の可能性が高く、
更にグレーのヒンジはクリアパーツに
負荷が掛かる形状な所が難点だ。
タイトな構造故に変形させると負荷が掛かって
破損し易い事が問題点だが、それ以外は
概ね満足出来るトイに仕上がっている。
新たな姿のロストエイジ版バンブルビーの
特徴を巧く再現したロボットモードに加え、
簡単な変形でカーモードのスタイルも
破綻無く纏め上げ、更にバトルマスクや
キャノン砲に変化する腕部を採用して
デラックスクラスのトイに
数々のギミックを取り入れる等、
ロストエイジ・バンブルビーのトイは
非常に優れた仕様と言えるだろう。
ムービー・バンブルビーのトイは
数え切れないほど存在するが、
2014年にリニューアルされた新デザインの
ロストエイジ版バンブルビーは
TFファンの誰もが注目していた事は間違いなく、
トイへの期待も大きな物だった。
最もベーシックなサイズのデラックスクラスで
発売された新たなバンブルビーは、
優れたデザインやギミックの多彩さにより、
ファンも納得のアイテムに
仕上がっていた事は嬉しい限りである。
新バージョンのバンブルビーの
スタイリッシュさを存分に堪能出来、
トイとしての遊び易さも優れている
好印象なアイテムであった。
⇒ ◆参考にならない比較◆
⇒ キュートランスフォーマー QT-02E バンブルビー `
⇒ キュートランスフォーマー QT-02E クリアバンブルビー
⇒ EZコレクション バンブルビー ラメイエローVer. `
⇒ ハッピーセット バンブルビー `
⇒ ハッピーセット バンブルビー・カー `
⇒ ベアブリック バンブルビー `
⇒ キュージョン バンブルビー `
⇒ 映画バンブルビー エネルゴンチャージバンブルビー `
トランスフォーマー 最後の騎士王
TLK-01 バンブルビー