◆シリーズ: キュートランスフォーマー
◆ 発売日: 2014年12月26日 `
◆ 価格 : 999円 `
ビークルモード
トヨタとスバルが提携して造り上げたFRスポーツカー。
日本車モチーフのホットロディマスは新鮮なイメージ。
オレンジ色等の赤系統の車体で、
ボンネットにファイヤーパターンがあれば、
どの車種でもロディマスに見えてしまう所が、
ロディマスの強烈な個性と言える。
リア
ウィンドーのガンメタル、ホイールのシルバーに加えて、
ブレーキランプは赤く塗装されている細かな彩色が見事。
給油口やデュアルマフラーも抜かりなく造形されており、
ディフォルメタイプのミニサイズTFながら感心する箇所も多い。
サイド
トヨタ・86GTの純正ホイールを再現し、
ツインスポークの造形まで拘っている事が分かる。
Qトランスフォーマーのカーモードは
チョロQスタイルだが、
車体各部の造り込みは非常にマニアックだ。
1986年の『トランスフォーマー ザ・ムービー』で
初登場したホットロディマスは、
架空のフューチャースーパーカーに変形した。
SFカーである事が個性の一つでもあり、リメイク版も
この伝統を受け継いでいる場合が多くを占める。
ホットロディマス初の実車モチーフは、2006年の
フォード・GTに変形した『トランスフォーマー キスぷれ』版。
他にも、明確なメーカーライセンス取得品ではないが、童夢・霊を意識した
『変形!ヘンケイ!トランスフォーマー』版が存在する。
メーカーライセンスを取得した日本車に変形するロディマスは、
トヨタ・86GTの『キュートランスフォーマー』版が初となる。
トランスフォーム!
ロボットモード
車体フロント部がボディになる
Qトランスフォーマーのスタイルにより、
ボンネットのファイヤーパターンが胸部に
配置される為、ロディマスらしさが引き立つ。
オレンジ色のボディに頭部の小豆色が
加わる事で、ロディマスという
キャラクターに相応しい配色となっている。
リア
スマートな体型というイメージが強い
ロディマスだが、QTF版では
カーモードのリア部が肩に収まる為、
肩幅が広く厳つい体型に変容している。
ロディマスの代表的な特徴の一つである
イエローのウイングパーツは無いが、
然程違和感は感じられないスタイルだ。
可動は首と肘の回転の他、
肩と股関節、膝はボールジョイントにより
自由度が高い可動を誇る。
膝下の脚部はロボットモードで接地する事は
不可避だが、全面塗装されているので
剥離しない様に留意した方が良い。
『正義感が強く熱血漢の若者。
若さ故のその型破りな行動は、
年長者にはしばしば理解出来ない事も。』
アマゾンやトイザらス・オンラインストア等、各ネットショップの
商品紹介では『ホットロディマス』ではなく、『ロディマス』となっており、
当初はロディマスという名称だったと思われる。
優しい顔立ちのイメージが強いホットロディマスらしからぬ
釣り目の厳しい表情をしている特徴は、総司令官ロディマスコンボイを
意識した物と考えられるが、スポーツカーに変形する事から
商品化する際に『ホットロディマス』に改名したのであろう。
アニメ『キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎』では、
ロディマスと同じく『トランスフォーマー2010』で活躍した
彼の副官であるウルトラマグナスと共に登場した。
尚、QTFホットロディマスは
若者らしさを前面に出して描かれており、
総司令官ロディマスコンボイの要素は廃されている。
悲観的なキャラ付けが成されていたウルトラマグナスに対し、
ホットロディマスは必要以上に楽観的に描かれており、
正反対のキャラクター性が笑いを誘うエピソードとなった。
ウルトラマグナスの事を「マグちゃん」などと呼ぶ
強調された軽いノリと言動は、ホットロディマスよりも
『トランスフォーマー カーロボット』の
スピードブレイカーを思わせる。
ホットロディマスの伝統を受け継ぎ、スポーツカーを
モチーフにしている事は納得の選択と言えるが、
車種が日本車というのは非常に稀なケースだ。
これはキュートランスフォーマーのコンセプトの一つである
「新たなファン層の開拓」を反映した物と思われる。
Qトランスフォーマーは自動車メーカーのライセンス取得商品であり、
ディフォルメされながらも各車種が判別出来るリアルさを備えている。
加えて、TFマニア以外の「車好き」の一般層を取り込む手法として、
自動車漫画の代表格『頭文字D』(イニシャルD)を
意識した車種が複数選ばれている事も特徴の一つである。
しかしQトランスフォーマーは、
イニシャルDとコラボしている訳ではない。
それにも拘わらず、イニシャルDに登場する車種だけではなく
カラーリングまで踏襲している為、ある意味、非常に露骨。
トランスフォーマーのトイでは初となる車種が多い事も特徴の一つで、
一般層が知る日本車も多数ラインナップされており、
イニシャルDを連想させる車も意図的に加えられている。
イニシャルDの主人公が乗車する「ハチロク」と呼ばれる
トヨタ・スプリンター トレノ AE86を変形モードとするマイスターを始め、
イエローボディのマツダ・RX-7のサンストリーカー、オレンジ色の
86GTのホットロディマスもイニシャルDを意識した車種だ。
「ハチロク」繋がりでイニシャルDの原作者が86GTの
イラストを描いた事があり、車体カラーはオレンジ色であった。
オレンジ色のボディカラーという特徴を備え、
更にスポーツカーに変形するTFと言えば、
まずホットロディマスが思い浮かぶ。
QTFではイニシャルDを意識した車種が
先に決まっていたと考えられ、それに合わせて
ホットロディマスを当て嵌めたと推察される。
快活な若者というキャラクターのホットロディマスは、
スポーツカーに変形する事もあって
『走り屋』のイメージも兼ね備えている。
車種が日本車になってもスポーツカータイプであれば、
無理なく馴染んでしまう所もホットロディマスならではだ。
キュートランスフォーマーは実車モチーフを
前提としてスタートしたシリーズだけに、
国産車とロディマスという意外な組み合わせとなったが、
新たなロディマス像を提示してくれた面白味のある物であった。
◆参考にならない比較◆
⇒ MEGA SCF 04 ホットロディマス `
⇒ TFクロニクル EZコレクション ホットロディマス
⇒ EZコレクションガム 2 ホットロディマス `
⇒ SCF ACT-2 ロディマスコンボイ `
⇒ ロディマスコンボイ シャンプー `
キュートランスフォーマー QTF
QT-07 ロディマス(トヨタ 86)