2015年からスタートした
『トランスフォーマー アドベンチャー』は、
海外版『TRANSFORMERS ROBOTS IN DISGUISE』と
ほぼ同時展開ながらも、
トイのラインナップは大幅に異なっている。
日本独自のカラーリングによる
トイオリジナルのTFが多数組み込まれ、
アニメ劇中には登場しない
新キャラクターが多い事も特徴だ。
日本では特に人気の高いキャラクターの
ネメシスプライムが加えられている事も
注目点であり、限定品の常連である
ネメシスプライムが一般販売のラインで
発売された事はファンを大いに歓喜させた。
◆ 名前 : ネメシスプライム
◆グループ: ディセプティコン
◆ 役割 : 虚像兵士
◆ 変形 : トレーラートラック
◆シリーズ: トランスフォーマー アドベンチャー
◆ 発売日: 2015年4月25日
◆ 価格 : 2500円
パッケージ
ビークルモード
10輪の車輪を備えた
巨大トレーラートラックに変形。
連結器は無く、トラクターヘッドとコンテナが
一体になっている特殊な車両で、
G1後期の日本版TFシリーズ、
『トランスフォーマー ザ・バトルスターズ』
で登場したスターコンボイが
変形したトレーラートラックを思わせる。
サイド
タイヤは個別に取り付けられており、
転がし走行もスムーズ。
コスト削減の為、シャフトを使用しない
嵌め込み式を採用しているが、
タイヤの溝やホイールの立体的な造形と
シルバー塗装により、
チープな印象は払拭されているので
特に問題は感じられない。
リア
車体の大部分を占めるコンテナ部には、
ネメシスカラーの特徴でもある
メタリックグリーンのラインが入り美しい。
コンテナは主にロボットモードの脚部に
変形する為、完全な長方形ではなく、
天面には大きく隙間が空いている。
しかしコンテナ後部にはブレーキランプや
バンパー等のモールドも造り込まれており、
トラックらしさが表現されている。
ネメシスプライムは、
日本では未発売となった海外の
『TRANSFORMERS ROBOTS IN DISUGUISE』
シリーズで発売された
ウォリアークラス・オプティマスプライム
のリカラー版。
黒いボディの各部にメタリックグリーンと赤が入る
通称ネメシスカラー(ブラックコンボイカラー)
となり、ディセプティコンに属する
悪のオプティマスプライムとして設定されている。
TFアドベンチャー・ネメシスプライムは
日本限定で発売された。
トランスフォーム!
肩のジョイントを拳の穴に差し込んで、
トラックのフロント部を固定する
アイディアが興味深い。
パーツ数を少なくしている事に加え、
拳が変形用のジョイントを兼ねている
巧い変形だ。
ロボットモード
ボディに対して小さい頭部と
極端に長い脚部により頭身が異様に高く、
巨大なイメージが感じられる。
トラクターヘッドとコンテナ部が
一体となっている事で、
運転席部分は肩に配置されているが、
従来のコンボイ(オプティマスプライム)の様に
胸部にはV字型のウィンドーや
トラックのフロント部を思わせるヘッドライトや
グリルの様なモールドが備わっている。
リア
コンテナの一部は背中に、
折り畳まれたコンテナ側面は脚部に纏められ、
片脚に4輪ずつ備わったタイヤが
力強い印象を与えている。
大腿部の内側は「肉抜き」が入り
コスト削減の影響が見られるが、
内部にシャフトのモールドを造形する事で
メカニカルなイメージが付加され、
ロボットらしさを表現している
アイディアが巧い。
首が回転し、ボールジョイントの使用は肘のみ。
肩は前後に回転する事に加え、
ボディと肩を繋ぐパーツを上方に
動かす事が出来るのでポーズ付けに有用。
股関節は前後左右に動き、
大腿部にはロール、膝は90°曲がるので、
全体的に可動範囲は広い。
『オートボット総司令官である
オプティマスプライムと
瓜二つのディセプティコン戦士。
実は彼は、過去にブラッディノックアウトが
オートボット達を欺く目的で作った
偽者のオプティマスプライムである。』
『見た目が同じな為、オートボット戦士達は
敵と分かっていても攻撃を躊躇してしまう。
その点を巧妙に利用し、
オートボットとの戦闘を有利に進める。
ブラッディノックアウト曰く、自信作。
現在はロックダウンの下で副官として活動し、
オートボット達を虎視眈々と狙っている。』
『ネメシスプライムは、
オプティマスプライムにそっくりな姿をしている
ディセプティコンの兵士で、
ブラッディノックアウトが造った
オプティマスの偽者だ。
見た目がオプティマスそっくりなので
オートボット達は戦い難い。
性格はオプティマスと違い卑怯で残酷だ。
今はロックダウンの側近として
オートボット達を倒そうと狙っている。』
テックスペック
・体力 : 10
・知力 : 8
・速度 : 6
・耐久力: 9
・地位 : 3
・勇気 : 6
・火力 : 8
・技能 : 5
ネメシスプライムは日本独自の
新キャラクターでアニメには登場しない。
『トランスフォーマー アドベンチャー』の
アニメではキャラクター数が限られている為、
トイオンリーのTFが多数存在する事が
日本版トイシリーズの特徴となっている。
この様なキャラクターは、
トイパッケージに掲載された設定の中で
活躍の場が与えられている為、
パッケージも重要な情報源だ。
ネメシスプライムもその一人で、
ブラッディノックアウトやロックダウンという
別売りアイテムと連動した設定が興味深い。
ストーリー面で関連を持たせる事で
各キャラクターの相関が理解出来、
アニメに登場しなくても関係するキャラクターの
トイが欲しくなるという販売戦略が
巧みに取り入れられている事が分かる。
TFアドベンチャーのトイシリーズは
『アドベンチャーシリーズ』と
『イージーダイナミックシリーズ』という
二つのラインで展開している。
メインとなるアドベンチャーシリーズでは
パッケージにもキャラクター設定や
ストーリーが掲載されている為、
キャラクター同士の関係を
より深く知る事が出来る。
この様なキャラクター性が
トランスフォーマーの魅力の一つだ。
アックス
日本未発売のビデオゲーム『TRANSFORMERS WAR FOR CYBERTRON』の
オプティマスプライムが装備していた斧に酷似したデザインが特徴。
当時発売されたトイ、日本では『トランスフォーマー ユナイテッド』の
UN-01 オプティマスプライム サイバトロンモードには斧型武器は付属しなかったので、
数年の時を経てオフィシャルのWFC型アックスが登場した事は感慨深い。
尚、この斧は刃の後ろ側に設けられた5ミリ径の穴を利用して、
肩のジョイントに取り付けておく事が出来る。
2000年に展開した『トランスフォーマー カーロボット』に登場する
悪のコンボイ(オプティマス)の代表格・ブラックコンボイの武器は剣であった。
ブラックコンボイの剣・ブラックソードはクリアピンク成形、
海外版のスカージではクリアレッド成形の剣であった事は
後のネメシスプライムにも影響を及ぼしており、クリアピンクや
クリアレッドの剣が付属するネメシスプライムも登場している。
アドベンチャー・ネメシスプライムの斧はクリア成形ではないが、
ブラックコンボイが装備する武器のカラーリングの伝統を引き継ぎ、
ピンク色を採用しているマニアックさに好感が持てる。
海外版ウォリアークラス・オプティマスではオレンジ色であったが、
ネメシスプライムでは濃い蛍光ピンクに塗装されている拘りの仕様である。
アックスはビークルモードではコンテナ部にマウントする事が出来る。
斧を装着する事で隙間が空いていたコンテナ天面が塞がるので、
多少ではあるがイメージアップに貢献している格納方法だ。
尚、アックスの前方に開いている穴はネジ穴なので、5ミリジョイントで
統一されたTFアドベンチャートイの武器は、径が合わないので装備出来ない。
トランスフォーマーコード
スマートフォンやタブレット端末で読み取り、
専用アプリを使用する事で情報を閲覧出来る。
海外版にもコードが印刷されたステッカーが貼付されているが、
日本のアドベンチャーシリーズは別物の新規のステッカーを採用。
アプリの内容も日本独自の物が用意された。
ウォリアークラス(デラックスクラス)のオプティマスプライムの
サイズは若干小さめに造られているので、
オートボットの司令官としてはやや迫力不足に見えてしまう。
バンブルビー等の他のキャラクターとの体格差を考慮すれば、
リージョンクラス(EZコレクション)と相性が良いサイズのトイである。
日本ではウォリアークラス・オプティマスを発売せずに、
カラーリングを変更した日本独自の新キャラクターである
ネメシスプライムとしたアイディアが非常に巧い。
オプティマスプライムはEZダイナミックシリーズの
大型トイ・TED-06 ビッグオプティマスプライムを発売し、
オートボット司令官として相応しいサイズのトイが選ばれている。
アニメ劇中でも巨大に描かれているオプティマスプライムとしては、
少々ボリューム不足な感が否めないウォリアークラス版オプティマスを
ネメシスプライムに変更した事で、訴求力が飛躍的にアップした。
日本に於いては、殊の外ネメシスプライムの人気が高く、
ショップ限定やイベント限定品に起用される事が多い為、
高い年齢層のファンには特に人気があるキャラクターだ。
『トランスフォーマー アドベンチャー』は基本的に子供向けのシリーズだが、
トイのラインナップにはG1リメイク・キャラクターを加えている等、
ターゲット層に大人のTFマニアも視野に入れている事が窺える。
この様な傾向から、オプティマスプライムよりもネメシスプライムにした方が
マニアも含めて売り上げが見込めると判断したと考えられる。
ネメシスプライムは『限定品』として度々登場するが、
ショップ限定では取扱店が近隣に無かったり、
イベント限定では遠方過ぎてイベント会場に行けない等、
在住する地域によっては非常にハードルが高い。
TFアドベンチャー・ネメシスプライムが一般発売品とされた事は
大いに評価出来る物で、各ネットショップでも販売された為、
地域による格差が払拭されている面も嬉しい所だ。
誰もが手にする事が出来、気軽に楽しめる物こそ、
オモチャとして真に価値があると言えるのである。
◆参考にならない比較◆
トランスフォーマー アドベンチャー
TAV13 ネメシスプライム
今作も一部を除いてアニメはフルCGですが前作のプライムに比べてリアル路線というより
アニメイテッドのようなフラットなデザインで攻めてきていますね。
そのおかげかアニメ内でのキャラクターと実物である玩具との見た目の温度差が少なくて楽しみやすいのは素晴らしいです。
しかし安く作られた部分などが際立ってしまい玩具そのものが他のシリーズに比べて少しチャチに見えてしまう感じがします。
でもアクションやギミックなどはしっかりしているので玩具としての楽しさは変わらないのかもしれませんね。
アニメイテッドのようなフラットなデザインで攻めてきていますね。
そのおかげかアニメ内でのキャラクターと実物である玩具との見た目の温度差が少なくて楽しみやすいのは素晴らしいです。
しかし安く作られた部分などが際立ってしまい玩具そのものが他のシリーズに比べて少しチャチに見えてしまう感じがします。
でもアクションやギミックなどはしっかりしているので玩具としての楽しさは変わらないのかもしれませんね。
2015/05/30(土) 18:33:09 | URL | 要塞参謀 | [ 編集 ]
TFアドベンチャーはTFアニメイテッドの様なカートゥーン的な
キャラクターデザインながら、3DCGを使用している所が新しいですね。
トイはアニメ特有のロボット、ビークルモードのデザインを再現しながらも、
簡単な変形で両モードを構築してしまう開発力も凄いともいます。
コスト削減の影響は各所に見られますが、それを緩和する工夫も見所の一つかも。
海外版ウォリアークラス・オプティマスはホイールも成形色のままでしたが、
ネメシスプライムはシルバーに塗られて格段に見映えが良くなりました。
日本版のTFアドベンチャートイは塗装や印刷が増えている所が嬉しいですね。
キャラクターデザインながら、3DCGを使用している所が新しいですね。
トイはアニメ特有のロボット、ビークルモードのデザインを再現しながらも、
簡単な変形で両モードを構築してしまう開発力も凄いともいます。
コスト削減の影響は各所に見られますが、それを緩和する工夫も見所の一つかも。
海外版ウォリアークラス・オプティマスはホイールも成形色のままでしたが、
ネメシスプライムはシルバーに塗られて格段に見映えが良くなりました。
日本版のTFアドベンチャートイは塗装や印刷が増えている所が嬉しいですね。