◆シリーズ: トランスフォーマー
◆ 配布 : 2009年3月末 `
◆ 価格 : 非売品 `
ビークルモード
20世紀後半、米ソの冷戦時代に開発されたF-14は、ソ連の如何なる兵器にも
対抗し得る様に設計された、アメリカの航空防衛の要とも言うべき戦闘機である。
強力なレーダーシステムは160㎞以上離れた戦闘機をも捕捉、追跡し、
6発まで搭載可能な空対空フェニックスミサイルは
アクティブ・レーダー誘導方式の為、撃破率は極めて高いとされる。
リア
G1期のエアーボット部隊の一員で、日本では『エアーボット副官』の
役割が与えられていたスリングを再現したマイクロン。
エアーボット・スリングと同様に白い機体に赤が入るカラーリング、
更にキャノピーがオレンジ色という面がG1スリングを強く感じさせる。
機体底面には3箇所にランディングギアがモールドされている。
ジェット機型トランスフォーマーのトイに設置される事が多い
着陸脚を、極小サイズのマイクロンで再現した拘りに感心する。
収納は出来ない物の、リアルさを表現するには充分であろう。
F-14最大の特徴とも言える可変翼を、マイクロンという
小サイズトイで再現した手腕は評価に値する。
機体のスタイルも比較的リアルで、F-14である事が
一目で認識する事が出来る優秀な造形である。
トランスフォーム!
機首と機体前部が展開して腕部とボディに、機体後部が開いて脚部を構成する。
マイクロンながら複雑な変形工程が取り入れられており、楽しめる変形である。
ロボットモード
両腕に機首が位置している為、少々長く見えてしまうが、
複雑な変形ながらも人型のスタイルを保っている所は評価出来る。
両脚はハの字型に開いた状態の為、接地性が良く、
ウイング部を背負っていながらも倒れ難くなっている。
リア
リアルなジェット機モードや拘りの変形工程等、
マイクロン単体で高い完成度を誇っている事に加え、
後頭部にはマイクロンジョイントも設けてあり、
マイクロンの特徴もしっかりと組み込まれている。
基となったのは、2007年から展開した海外版TFシリーズの
『TRANSFORMERS CLASSICS』で登場したミニコンの一体。
3体セットのミニコンチームの一つ、クリアスカイズチームに
属するサンダーウイングのリカラー版である。
日本では2007年夏のキャンペーンで配布された、
限定マイクロンのノイズイフェクトと同型。
G1期のエアーボットを意識した白と赤の
ボディカラーは、微細なラメが混入されており、
メタリック感を放つ美しい成形色になっている。
又、バイザー状の目はオレンジ色で塗装され、
これもG1スリングと共通する特徴の一つである。
商標の理由からか、スリングの名前の前には
軍団名のサイバトロンが付け加えられており、
『サイバトロンスリング』の名称となっている。
海外主導のTFでは『オートボット~』という
ネーミング方法は頻繁に登場するが、
日本版TFで『サイバトロン~』という名称は
そう多くはない為、目新しさが感じられる。
サイバトロンスリングが登場した時期は、実写映画の
第一作目『トランスフォーマー』と第二作目の
『トランスフォーマー リベンジ』の間で、この時期のメインの
TFシリーズは『変形!ヘンケイ!トランスフォーマー』であった。
映画版では海外名の『オートボット』を軍団名としている。
『サイバトロン』という日本版の軍団名を使用している事から、
当時展開中であった『変形!ヘンケイ!トランスフォーマー』の
世界観に属するTFとして設定されていると考えて差し支えないだろう。
但し、スリングの説明書ではシリーズ名は明確にされておらず、
『トランスフォーマー』のロゴが印刷されているだけである。
マイクロン版スリングは非売品の配布アイテムだが、
入手方法は少々特殊な物となっていた。
頻繁に実施されるマイクロン配布キャンペーンの
店舗でTF商品を購入すると貰えるというパターンではなく、
クレジットカードの会員になるとプレゼントされるという物だった。
トランスフォーマー・オフィシャル・クレジットカードは
2009年2月16日から会員登録受付けを開始し、同年3月末から
特典のマイクロンとクオカードを会員に発送している。
クレジットカード会員とならなければ入手出来ないという、
トランスフォーマーでは初となる条件が課されたアイテムである。
更にクレジットカードのデザインはサイバトロンとデストロンの
2種類が用意され、サイバトロンカードには『スリング』が、
デストロンカードには『ボルター』が付属するという物だった。
この為、どちらか一つを選ばなければならず、
頭を悩ませたファンも多かった事だろう。
クレジットカードのデザインは、サイバトロンタイプは『コンボイ』の絵柄で、
サイバトロンの軍団カラーである赤いカードとなっている。
G1期から最も馴染みがあるキャラクターの初代コンボイの起用は、大人になって
経済力も備わっている往年のファンを大いに意識している事が窺える。
又、特典のクオカードも、クレジットカードと同様のデザインだった。
主に大人を対象としたクレジットカードの様なアイテムが登場する事は、
それだけトランスフォーマーの歴史が積み重ねられてきた証拠である。
更に特典フィギュアの付属や、TFクレジットカードでしか購入出来ない
限定トイを発売する等、会員獲得の為の攻勢は抜かり無い物であった。
この様な内容を踏まえるとマイクロン・スリングは、
TF史の中でも特異な境遇で登場した、変わり種のTFトイと言えよう。
◆参考にならない比較◆
⇒ トランスフォーマー ユナイトウォリアーズ UW-01 スリング `
⇒ トランスフォーマーG1 エアーボット C-52 ファイアーボルト
⇒ トランスフォーマーG1 エアーボット C-54 エアーライダー `
⇒ トランスフォーマーG2 TRF-14 エアロレード `
⇒ トランスフォーマー ジェネレーションズ TG-12 エアレイド `
⇒ トランスフォーマー ユナイトウォリアーズ UW-01 スカイダイブ