◆シリーズ: トランスフォーマー シージ
◆ 発売日: 2019年5月25日 `
◆ 価格 : 1800円 `
『トランスフォーマー シージ』で登場した
リメイク版マイクロマスターは2体セットで発売。
ステイクアウトは消防車に変形する
レッドヒートとセットになっている。
ビークルモード
『トランスフォーマー シージ』は、
TF達の故郷・惑星サイバトロンを
舞台としているが、
従来のシリーズのサイバトロンモードと異なり、
地球のビークルと然程変わらないデザイン。
ステイクアウトも赤と青のパトランプを備えた
「アメリカンパトカー」その物と
言えるカーモードだ。
サイド
地球に赴く前の姿という設定を反映して、
ドアにプリントされた文字は
惑星サイバトロンの
いわゆる『サイバトロン文字』になっている。
更にオートボット文字と
ディセプティコン文字の2種類があり、
それぞれアルファベットに対応している。
ステイクアウトのドアにはオートボット文字で
『POLICE』とプリントされているのだが、
左側ドアの「左 → 右」に読む形が正規の物。
右側ドアの文字は反転しているので、
オートボット文字の形も逆になっている。
リア
黒いボディに補色の白の塗装が映える。
ボンネットやドア、各部ウィンドーの
塗り分けも細かく、パトランプの赤と青が
入る事でアクセントとなっている。
タイヤは嵌め込み式なので回転精度は
一歩譲るが、転がし走行は可能。
マッスルカーを思わせるデザインと
黒を主体としたボディカラーのパトカーは、
ムービーシリーズのバリケードを思わせる。
しかしステイクアウトはオートボットなので、
バリケードの様な悪の偽装警官ではない。
トランスフォーム!
ロボットモード
G1版のトイは変形の都合上、
ボディに対して脚部が長い印象だったが、
リメイク版では全身のバランスが良く、
アニメ設定のホーリーその物の如き姿。
頭部及び胸部のブルー、
顔のシルバーは塗装で再現し、
G1版のカラーを踏襲している。
リア
カーモードのフロント部を
背負うスタイルもG1版と同じ。
フロント部の内側に追加された
円柱型の白いパーツは、
レッドヒートと合体する際に使用する
ジョイントで、ウェポンモードに変形する。
肩、股関節、膝にボールジョイントを
使用している為、極小サイズながらも
ポージングの幅は広く好印象。
首が回転する事も特筆に値し、
遊び甲斐のあるトイに仕上がっている。
G1版ステイクアウトとホーリーは
全く同じ仕様のトイだった為、
2019年のリメイク版ステイクアウトも
似たデザインになる事は必然。
しかし胸部のエアインテークの様な
スリットが造形された部分は、
明らかにアニメ設定のホーリーを
基にしているデザインなのだ。
G1ステイクアウトのトイにも
胸部にスリットは造形されているが、
無数の横線が彫られている形。
リメイク版ステイクアウトの様な
3枚の板が重なったデザインは、
アニメ版ホーリー独自の物である。
もう一点は肩に配置されたドアである。
G1ステイクアウトのボックスアートでは、
ドアは上下に分かれて上腕、前腕と
一体化している解釈で描かれている。
G1版トイでは、確かにドアと腕は
同化している様にも見えるのだ。
しかしリメイク版ステイクアウトの場合は、
腕部に配置されたパトカーのドアは
腕部と一体ではなく、肩に設置された
ガードの様なパーツとなっている。
ドアと腕部は別で、離れている
デザインという事が見て取れる。
これもアニメ版ホーリーの設定を
取り入れたデザインである。
リメイク版は名前やキャラクターは
ステイクアウトとされてはいる物の、
デザイン的には日本のアニメ版ホーリーを
参考に造られている事は間違いない。
モットー
『時には法を破ってでも、
任務を遂行するのだ!』
これはG1期のレスキューパトロールの
トイパッケージに掲載されていた
ステイクアウトのモットーである。
モットーからも分かる様に、ステイクアウトは
かなり強硬派な性格を有しており、
温和なホーリーとは正反対と言える。
姿は同じでもステイクアウトとホーリーは
対極の性格設定となっている所が面白い。
日本版アニメ『トランスフォーマーV』に於ける
人間の主人公ジャン少年の親友として活躍した
マイクロトランスフォーマーがホーリーだ。
4人のマイクロTFで構成される
レスキューパトロールチームの
リーダーも務めている。
海外版のステイクアウトと異なり、
日本版のホーリーは若年のTFで、
精神年齢はジャンに近い少年という設定。
『トランスフォーマー2010』に登場する
ウィーリーと同等か若干年上くらい。
↓
『トランスフォーマーV』で描かれたホーリーは、
日本のパトカーのカラーリングを取り入れ、
白が主体のボディカラーとなっていた。
しかしながら『トランスフォーマーV』の
展開中にホーリーのトイは発売されなかった。
↓
『トランスフォーマーV』のアニメが終了し、
TFの次シリーズである
『トランスフォーマーZ』で漸く
ホーリーのトイが発売される事となる。
その際、海外版トイのステイクアウトと
全く同じ仕様での発売となった為、
V版の様な白いボディではなく、
Z版は黒いボディに変更されている。
オリジナルビデオアニメ
『トランスフォーマーZ』に
登場するホーリーも、トイに合わせて
黒主体のボディカラーに一新された。
元々の玩具は黒いボディだったので、
Z版アニメのトイと同じカラーは当然と言える。
黒いホーリーは
『トランスフォーマーZ』に続き、次シリーズの
『トランスフォーマー ザ・バトルスターズ』
でも登場し、マイクロトレーラーを追加した
新たなレスキューパトロールチームの
トイも発売された。
更に1996年には食玩として発売された
『マイクロトランスフォーマー
アメリカンレスキュー隊』でも
同じトイが流用されている。
このリメイク版はステイクアウトとして
設定されているが、デザイン的には
ホーリーその物でもある為、
トランスフォーマーZ版ホーリー、
又はザ・バトルスターズ版ホーリーの
リメイク版と見做す事が出来る。
このトイの黒い成形色を白にすれば、
トランスフォーマーV版ホーリーを
再現可能と誰もが考えた事であろう。
実際、海外で新マイクロマスターの
リカラー版を10体纏めたセットが発売され、
ステイクアウトの白バージョンが登場した。
しかし白主体の成形色となった
ステイクアウトはホーリーではなく、
『TF合体大作戦』のロードポリスという
意外なキャラクター選定に驚かされた。
本国である日本でもマイナーな存在であった
日本限定トイのマイクロTFが、
海外シリーズでリメイクされるとは
予想外であった。
G1ステイクアウトとホーリーは
同じ仕様のトイだった為、同一キャラと
見做してしまった可能性もある。
それでも姿が同じホーリーではなく、
デザインが大幅に異なるロードポリスに
設定してしまう海外開発陣の
マニアックなセンスは興味深い。
日本のTFファンにとって、
このステイクアウトは紛う事無き
ホーリーのリメイク版と言えるだろう。
元々の海外用玩具のG1ステイクアウト
↓
G1玩具を基にアレンジしたアニメ設定のホーリー
↓
日本のアニメ設定を再現した2019年リメイク版
この流れからも分かる様に、
トランスフォーマーは海外と日本、
更に新旧の優れた要素を取り入れる事で、
より完成度の高いTF玩具が
生み出されていくのである。
◆参考にならない比較◆
トランスフォーマー シージ
SG-21 レッドヒート&ステイクアウト