今や『ゴーボッツ』の名はトランスフォーマーの
サブグループの一つとして定着するに至ったが、
元々はバンダイ製ロボット・トイである
マシンロボをアメリカに輸出した際の
シリーズ名であった。
『チャレンジ・オブ・ザ・ゴーボッツ』の
タイトルでアニメ作品も製作され、
トランスフォーマーとはライバル関係にあったが、
販売元のトンカ社が
ハズブロ社に買収された事により
ゴーボッツの運命は変わるのだった。
◆ 名前 : トレッズ
◆グループ: G1ゴーボッツ
◆ 役割 : 次元探査実験部隊
◆ 変形 : GM・M551 シェリダン
◆シリーズ: トランスフォーマー コレクターズエディション
◆ 発売 : 2004年3月末
◆ 価格 : 3500円
パッケージ
ビークルモード
輸送機からの空中投下を可能とする為に
車体をアルミ合金製にして軽量化した空挺戦車で、
1959年からアメリカが開発を進めていた。
空中投下の際はパレットに乗せて固定した上で、
パラシュートを付けて降下させる。
リア
小サイズのミニボット型とはいえ、
砲塔の各部は細かく造り込まれており、
側面には弾薬箱や
スモークディスチャージャーも備わっている。
履帯も含めて車体全体はリアルに
造られており、砲塔の旋回と
底部の車輪による転がし走行が可能。
サイド
トレッズはG1ミニボットのワーパスの
リカラー版で、グリーンの車体により
戦車らしさが引き立っている。
殆んどのTFトイにはリカラー版が存在するが、
1985年に登場したG1ワーパスの型を
使用したリカラー版は、意外にも
2004年のトレッズまで造られなかった。
復刻版トイが次々に発売された2000年代は、
それ等の金型を利用した
リカラー版も数多く登場した。
トランスフォーマー コレクションの6体セット、
『12 ミニボットチーム』を基にした
リカラー版が『G1ゴーボッツ』である。
G1ゴーボッツはミニボットの型に合わせて、
1980年代にアメリカで展開したマシンロボの
輸出版であるトンカ社製『GOBOTS』の
キャラクターを当て嵌めている。
戦車タイプのワーパスの型を
使用したリカラー版には、
トンカ版ゴーボッツの戦車型ロボットである
トレッズがモチーフとして選ばれている。
M1 エイブラムス戦車に変形した
トンカ版トレッズは、元々日本のマシンロボの
一つとして開発されていたが、
日本のマシンロボシリーズでは未発売となり、
海外のゴーボッツラインでのみ
発売されたトイである。
ワーパス型のG1ゴーボッツ・トレッズは
エイブラムスとは世代が異なる旧型戦車だが、
戦車型ロボットである事に変わりは無い。
トランスフォーム!
ロボットモード
戦車に変形する都合もあるが、
両足が繋がっている所が
G1ワーパス型トイの特徴。
トレッズのモチーフになっている、
80年代のチャレンジ・オブ・ザ・ゴーボッツ版の
トレッズも両足が繋がったスタイルだった。
リア
手足に配置されたクローラーが一際目に留まる
戦闘的で武骨なデザインが特徴。
戦車に変形する事と両足が繋がっている
スタイルという共通点がある物の、
それを理由にワーパス型を
選んでいる訳ではない。
TFコレクション・ミニボットチームで
ラインナップされた6体に
80年代のゴーボッツを当て嵌めているので、
元々戦車のワーパス型ありきで
トレッズという初代ゴーボッツの
キャラクターを選んでいるのだ。
G1ゴーボッツの面々は、
一般に知られるトランスフォーマーとは別種族だ。
異なる宇宙にある彼等の母星が崩壊の危機に
瀕した為にトランスフォーマーの世界へ
次元を超えて到来した、言わば避難民である。
本来はゴーボッツ(マシンロボ)なのだが、
TF世界のトランスフォーマーのボディに擬態して
トランスフォーマーのふりをしているのだ。
これは現実の会社間の問題を
設定に取り入れた物で、
アメリカでゴーボッツ(マシンロボ)を
販売していたトンカ社が経営危機に陥った事を
ゴーボッツ世界の崩壊の危機に重ねている。
更にトランスフォーマーの
販売元であるハズブロ社に
トンカ社が買収、吸収されたという事実を
ゴーボッツがTF世界に到来したという
設定で表現している。
自分達の世界が崩壊するという大惨事により、
敵味方に分かれていたゴーボッツ達も
争っている場合ではなくなり、手を組む事となる。
G1ゴーボッツ6名が、
サイバトロン3人、デストロン3人という
混成部隊になっている理由である。
しかし真実はサイバトロン4名、
デストロン2名なのだ。
トレッズはデストロン側、ゴーボッツとしては
悪の軍団レネゲイドのキャラクターとされている。
しかしトレッズは本当は
正義の軍団ガーディアンの戦士で、
悪のレネゲイドに変装している
という裏設定がある。
この設定も現実に販売された
トンカ版ゴーボッツのトレッズの
トイ仕様が元ネタとなっている。
当時のゴーボッツ・トレッズには
悪の軍団レネゲイドの軍団マーク・ステッカー
が貼付されていたのだが、
正義のガーディアン軍の
メンバーとして発売されていた。
現実のトンカ社がハズブロ社に吸収された事や
当時のトンカ社版トイを題材にした事で、
トランスフォーマーの
G1ゴーボッツとしてのトレッズは
非常に複雑な設定を持つキャラクターとなった。
トランスフォーマーのふりをしているゴーボッツであり、
本来は正義のガーディアン軍の戦士なので
TF世界ではサイバトロンでなければならないが、
悪の軍団・レネゲイドのふりをしているので
TF世界の悪のデストロン軍のマークを付けて
デストロン兵士として活動している。
トランスフォーマーの世界を探る
G1ゴーボッツだが、更にトレッズは
ゴーボッツ内の敵の動向を探るという、
二重に偽装している
潜入捜査官の様なキャラクターだ。
世界崩壊と次元移動で
協力する事になったとはいえ、
やはり敵同士では信用していない
シビアな面が興味深い。
G1ゴーボッツ・トレッズのボディカラーはグリーン。
トンカ版チャレンジ・オブ・ザ・ゴーボッツの
トレッズもグリーンの戦車だったが、
これをモチーフにしている訳ではない。
戦車が緑色な事は
至って当然のカラーリングなので、
ワーパスの様に赤い戦車の方が奇異なのだ。
カラーリングのモチーフは、
日本で1985年に業者向けに作られた
商品カタログに掲載された
ワーパスの試作品を参考にしている。
緑色のワーパスは、
日本版トランスフォーマーの初期タイトルである
『変身戦隊トランスフォーマー』の
カタログにも使用されている。
トンカ社製のトイ仕様や
会社の吸収合併という現実に起きた事柄を、
アレンジして取り入れたG1ゴーボッツの
設定により、トレッズの様な
面白いキャラクター性のTFが登場したのだ。
しかしトイに付属するカードには、
トレッズの情報は一切記されていない。
海外ではトンカとハズブロは
一つの会社に収まったが、
日本では元々のマシンロボを製作したバンダイと
タカラは別会社でライバル関係なので、
G1ゴーボッツの個別キャラ設定が
公に開示されなかった事が唯一の難点であった。
◆参考にならない比較◆
⇒ 84 G1ゴーボッツ バッドボーイ `
⇒ 84 G1ゴーボッツ スモールフット
トランスフォーマー G1
オートボット ワーパス 復刻版
トランスフォーマー キングダム
KD-06 オートボットワーパス