◆シリーズ: トランスフォーマーZ
◆ 発売 : 1990年3月 `
◆ 価格 : 800円 `
ビークルモード
1980年代に存在していたアメリカの
自動車会社デロリアン・モーター・カンパニーが
唯一製造した車種がDMC-12であり、
1985年公開のSFアドベンチャー映画
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で
キーとなるタイムマシンとして登場した事で
一気に人気車種となった。
リア
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では
リア部分にタイムマシンのパーツが
積載された改造車だったが、
実車では車体後部を覆う
ルーバーが設置されている。
ガルウイングのドアは再現不可能であったが、
グロリアンは角張った車体や
グレーのボディカラー等、
デロリアンの特徴を巧く表現している。
サイド
デロリアン・モーターが一車種しか
製造しなかった為、車種名のDMC-12よりも
デロリアンと呼称される事が多く、
映画の影響もあって数十年以上も
人気を保ち続けている。
トイのタイヤは4輪が個別に設置してあり、
ミニサイズながらも転がし走行が可能。
マイクロマスター、
日本ではマイクロトランスフォーマーと
呼称される新型TFは、
『基地遊び』をコンセプトとした
シリーズで登場した為、
各マイクロTFは非常に小さいサイズ。
後年登場したマイクロンよりも
若干小さい位だが、
実車をモチーフにしている等、
リアルさも備えている。
トランスフォーム!
ロボットモード
レースカーパトロールチームは、
最初期に製作されたマイクロTFだけに、
シンプルなデザインが特徴と言える。
グロリアンはフロントのサイド部分が
変形した長い肩や、段差のあるルーバーが
配置された膝下部分の脚部に独自性がある。
リア
パーツ数は少ないながらも
可動箇所も考慮された設計となっており、
肩、股関節、膝が可動するので
ある程度のポーズ付けも可能。
脚部内側に踵となる支えのパーツが
モールドされているので、
自立させる事に問題は無い。
『グロリアン』の名称は日本独自の物で、
変形モードのデロリアンと韻を踏んでいる所が
洒落が利いていてセンスが良いネーミングだ。
4台の自動車で構成される
レースカーパトロールチームの中で、
グロリアンはカーモードの名前と
一文字違いなので
非常に覚え易いTFでもあった。
又、当時は日本車でニッサン・グロリアという
車種が現役で存在してた為、
グロリアという言葉から「自動車」を
イメージする事が出来た世相も
『グロリアン』の名前に
関係してるのかもしれない。
デロリアンはスポーツカー、
グロリアはセダンでタイプは異なるが、
双方共に角張った車体の
高級車という点は共通しており、
『グロリアン』の名称は両方のイメージを
想像させる非常に巧いネーミングと言えよう。
元々の海外名は全く異なる
『スウィンドラー』である。
英語では『SWINDLER』となるが、
これはコンバットロンのスィンドルと
同じ言葉の『SWINDLE』を使用した名前である。
SWINDLEの意味は「詐欺」、
接尾辞のerを付けたSWINDLERは
詐欺を働く人、即ち「詐欺師」となる。
この様にスウィンドラーはサイバトロン戦士に
相応しくない意味の名前である。
しかしスウィンドラーがグロリアンに
改名されたのは、ネガティブな意味を
考慮しての名称変更ではないと思われる。
G1期のトランスフォーマーは、
100%子供を対象としている
トイシリーズだった。
更に「SWINDLER」の意味を
空で理解していた日本の児童は
殆んど居なかっただろう。
インフェルノ(大火、地獄)や
ブレインストーム(閃き、精神錯乱)等、
捉え方によっては悪い意味を含む名称の
サイバトロン戦士も多数存在するので、
スウィンドラーの意味は
重要ではなかったと言える。
改名された理由で最も可能性が高いのは、
他のTFと同名になる事を避けた為と考えられる。
G1期は同一人物でない限り、同じ名前は
使用しないという姿勢を極力貫いていた。
従って既に登場していたスィンドルの存在が、
改名の理由ではないかと推察されるのだ。
コンバットロンのスィンドル、
即ちスウィンドルと
ほぼ同じ名前になってしまうスウィンドラーは、
当時のネーミング方法に
合わなかったと考えられる。
『グロリアン』は同名の者が居ない
新しい名前であり、
尚且つ「グロリア」と「デロリアン」という
二つの言葉を組み合わせた
『グロリアン』という響きは
高級車をイメージさせる効果があるので、
カーロボットチームの一員の
名前として相応しい。
日本のトランスフォーマーは
1985年のスタート時から、
コンボイ、ランボル、ドラッグ等、
変形モードのイメージを取り入れた、
日本人にとって覚え易く言い易い
名前が使用されてきた。
グロリアンの場合もこの伝統を受け継ぎ、
自動車のイメージを連想させる事に加え、
同名キャラとの重複を回避する事も考慮した
非常に優れたネーミングであった。
トランスフォーマーの日本名は、
G1初期からセンスの良さが
光る物ばかりだった事の証明である。
◆参考にならない比較◆
⇒ C-334 レースカーパトロールチーム ロードハンドラー
⇒ C-334 レースカーパトロールチーム スピンチェンジ `
タカラ マイクロトランスフォーマー
C-334 レースカーパトロールチーム
TF 2019 WFC
トランスフォーマー シージ
[Micromasters]
レースカー パトロール