~まあおたいらに~ Make Yourself ComfortableMake Yoursef At Home - Haiku Blog of Muku Watanabe | 渡邊むく俳句ブログ~まあおたいらに~
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背伸びして滅びし世あり豆桜

谷渡り

2024/04/05 Fri


谷渡りうぐひす坂は男坂

(たにわたり うぐいすざかはおとこざか)


Muku





五分咲きのソメイヨシノ (Cherry blossoms) April 4, 2024




今日の季語 (Season Word of the Day)

🔹谷渡り:春
主季語:鶯(うぐいす)、他の子季語:黄鳥(うぐいす、きちょう)、匂鳥(においどり)、春告鳥(はるつげどり)、藪鶯(やぶうぐいす)、飼鶯(かいうぐいす)、初音(はつね)、鶯の谷渡り、鶯鳴く。≪参照:角川書店版『合本俳句歳時記』、同『新版季寄せ』≫

🔹『古今集』に<鶯の谷より出づる声なくば春来ることをたれか知らまし 大江千里>とあるように、明瞭な鳴き声によって春の到来を告げる鳥として人々に親しまれて来た。早春に平地で囀り始め、気温の上昇にともない冷涼な地帯に移動する。そのため高山地帯や北海道では夏鳥とされる。「ケキョケキョ」と続けて鳴くのを鶯の谷渡りと呼び珍重する。また「法、法華経」という聞き做(な)しから「経読み鳥」ともいわれている。≪参照:角川書店版『合本俳句歳時記』≫
🔹私註:「谷渡り」をウグイスが谷を渡るときの鳴き声とする説や、どちらも「谷渡り」とする説もある。またケキョケキョと長く続けて鳴く「長鳴き」(谷渡り)は警戒の鳴き声とする説もあるが、私見としては全ての長鳴きが警戒の鳴き声ではないように思われる。長鳴きを耳にすることは多いのでそれが谷渡りとして「珍重される」かどうかは率直に疑問。警戒時など、ウグイスが飛びながら鳴くことは珍しくないが、ホトトギスのように鳴きながら峡谷を渡る姿を愚生は目撃したことがない。目撃すれば珍重されよう。「谷渡り」を愚生は比喩と考えている。
🔹ウグイス(鶯、鴬、学名: Horornis diphone)は、スズメ目ウグイス科ウグイス属に分類される鳥類で、オオルリ(大瑠璃)、コマドリ(駒鳥)と並ぶ日本三鳴鳥の一つとされる。≪参照:Wikipedia≫
🔹私註:「日本三鳴鳥」は野鳥を愛玩のために飼育することが許されていた時代に発生した言葉。野で聞く全ての鳥の声はそれぞれに持ち味があり、鑑賞に堪えるものが多い。優劣は個人の好み。
🔹私註:「聞き做し」とは、鳥や動物の鳴き声を人の言葉や文字に置き換えて覚えやすくしたもの。鳥の聞き做しを英語では"bird song mnemonics"という。ウグイスの英語の聞きなしで有名なものに"Hallelujah!"(ハレルヤ!)がある。
🔹ウグイスは藪の中を移動して餌を探すため、止まる姿勢は枝に水平。≪参照:谷口高司監修『バードウォッチング』≫
🔹私註:藪の低木から飛び立つ際には、頭が下に尾が上になる姿勢をとることがある。飛び出しの勢い(蹴る力)をつけるためのようだ。
参考写真




閑雲記(Diary)

🔹うぐいす坂

 うぐいす坂は 軍港の町横須賀にある坂。
 けれど横須賀生まれの妻も知らない坂。
 とうの昔に「かつての名前」化した坂。

 うぐいす坂は 関東大震災の崩落跡に男坂がある坂。
 その上に立派な稲荷社があり 更にその上に
 日清戦争の戦勝を祝って命名された大勝利山がある坂。
 尾根に 黒船を見ようと坂本龍馬が急いだ浦賀道がある坂。

 うぐいす坂は 米海軍の軍港を見下ろす坂。
 でも秘密が多い軍港の中は見えない坂。
 今もそう呼ぶ上町と 大半が外国になって
 誰もそう呼ばなくなった下町を 結ぶ坂。

 うぐいす坂は 老いた師の後ろについて登った坂。
 「この坂はうぐいす坂と云ってね」と師が教えてくださった坂。
 花のころに鶯を聞けば 思い出してしまう坂。



防衛大学正門前の桜
(Cherry blossoms at NDAJ - Yokosuka) April 5, 2017




観察日記 (Field Note)



フィールドノート (Field Note) April 4, 2024


ムクドリ (White-cheeked starling) April 2, 2024




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連翹(れんぎょう)

2024/04/02 Tue


連翹黄庭広ければ刈り込まず

(れんぎょうき にわひろければかりこまず)






連翹も小米やなぎも枝垂れをり

(れんぎょうもこごめやなぎも しだれをり)






濃き色の壺に連翹さりげなく

(こきいろのつぼにれんぎょう さりげなく)




Muku





レンギョウ (Forsythia) April 1, 2024




今日の季語 (Season Word of the Day)

連翹(れんぎょう):春 (子季語:いたちぐさ、いたちはぜ、連翹黄に、連翹の花、連翹咲く、連翹の黄)≪角川書店版『合本俳句歳時記』、『新版季寄せ』≫

🔹レンギョウ(中国名:連翹、学名:Forsythia suspensa)は、モクセイ科レンギョウ属の落葉性低木広葉樹。別名、レンギョウウツギ(連翹空木)。「いたちはぜ」、「いたちぐさ」は古名。原産は中国。≪参照:Wikipedia≫
🔹「早春、葉の出る前に、枝ごとに鮮やかな黄色の筒状の花をびっしりつける。」≪参照:角川書店版『合本俳句歳時記』≫




閑雲記(Diary)

🔹連翹 (Forsythia)

 ミシガン州は春の訪れが遅い。四月に雪が降り、キャンパス内に咲いた連翹の花が雪帽子を被る年もあった。
 後年、ミシガン州の旧知の友人が副社長を務める会社を、早春に訪ねたことがある。友人とはビジネスパートナーとしても浅からぬ関係があった。彼が現役を引退するのを機に、私も勤めていた日本の会社を辞める決心をした。友人には私が退職することを伝えてあったが、広いアメリカのあちこちにいる友人や取引先を身銭を切って訪ね回る、少し気が重い挨拶旅だった。
 彼の会社のオフィス棟の廊下の壁に創業者の肖像画が掛かっていて、傍の花台の上に置かれた壺に連翹が飾られていた。平生は花など飾られていない場所の筈だが、誰が飾ったのかと、ふと気になった。友人のベテランの秘書か、それとも社長の若い秘書か…。なんとなく友人の秘書ではないかと思った。花のことは詳しくなかったが、連翹が東洋原産の植物であることぐらいは知っていた。その連翹を、その人はどんな思いで飾ったのだろう…。ひょっとして、その日はるばる日本から訪ねてくることになっていた私のためだったのではないか?
 いつも柔和でふくよかな友人の秘書に「連翹を飾ったのはあなたですか?」と訊ねようと思ったが、機を失してしまった。以来三十五年の月日が経った今も、連翹の花を見るとその時のことが蘇る。東洋の花である連翹はミシガンの春告げ花でもある。

      壷の連翹庭の連翹夕心 /高田風人子

🔹故風人子先生の連翹の御句。連翹を二度繰り返し、敢えて字余り・破調でお詠みになられたが、それが全く気にならない。下五の夕心が絶妙。「壺に」、「庭に」としたくなりそうなところだが、「壺の」、「庭の」とされたのは流石。それぞれの連翹をじっくりとご覧になっておられる様子が伝わってくる。「に」では即時にそこまで伝わってこない。連翹のリフレイン効果が希薄になる。



レンギョウ (Forsythia) March 28, 2024




フィールドノート (Field Note)



フィールドノート (Field Note) 2024年4月2日


ヒバリ:雄 (Skylark, Male) April 2, 2024




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山桜

2024/04/02 Tue


青年の颯とひと言山桜

(せいねんのさっとひとこと やまざくら)


Muku





ヤマザクラ (Wild cherry blossoms)




今日の季語 (Season Word of the Day)

山桜(やまざくら):春 

🔹「関東より西部の山地に自生し、また広く植えられている。赤みを帯びた葉と同時に白い花をつけるのが特徴。古来詩歌に詠まれてきた桜はこの花が多い。古くから桜名所として知られる奈良県吉野山の桜は現在でも山桜が多い。❖厳密には桜の一品種であるが、山に自生する桜を山桜として詠むことが多い。」≪角川書店版『合本俳句歳時記』≫

     山又山山桜又山桜 /阿波野青畝

     敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山櫻花 /本居宣長




閑雲記 (Diary)

 桜についての人の思いはさまざまでしょう。『古事記伝』を著わした江戸時代の国学者で医師の本居宣長(享保15:1730年 - 享和9:1801年)は吉野にゆかりの深かった人で、山桜をこよなく愛したことでも知られています。
 「敷島の」は「大和」にかかる枕詞です。歌意は「日本人の精神とは何かと訊ねられたら、朝日に輝いて咲いている山桜を、その象徴として挙げたい」となるでしょうか。
 この歌を軍国主義の象徴とするのは誤解と言えるでしょう。太平洋戦争時に、この歌が軍国主義者や大日本帝国帝国陸軍・海軍の幹部らによって利用・宣伝されたことは事実です。そしてそのことが、敗戦国となった日本の戦後の歴史の中で、この歌が長い間曲解されてきた最大の理由だろうと思います。宣長のこの歌には、たとえば特攻精神のようなものに結び付く要素は微塵も見当たりません。「敷島の」と聞いただけで「軍国主義」と決めつける風潮を本居宣長が知ったら、きっと嘆き悲しむことでしょう。
 「山桜」について、昭和の批評家小林秀雄(明治35:1902年 - 昭和58:1983年)が『学生との対話』(国民文化研究会・新潮社編)で語った話を、以下に紹介サイトのリンクを貼ってご紹介します。 ➡ 
小林秀雄が解釈する、本居宣長「敷島の大和心を人問はば 朝日に匂ふ山桜花」(本多勇夫「塾・ひのくるま / 折々の記」)




フィールドノート (Field Note)



フィールドノート (Field Note) 2024年4月1日


ホタルカズラの花 (Lithospermum_zollingeri) April 1, 2024



左:サクラ、右:ハナモモ (L: Cherry blossoms, R: Hana peach - Prunus persica)




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山霞(やまがすみ)

2024/04/01 Mon


旅の窓たまゆら惜しむ山霞

(たびのまど たまゆらおしむやまがすみ)


Muku





春林 (Spring forest)




今日の季語 (Season Word of the Day)

山霞(やまがすみ): ≪典拠:角川書店版『新版季寄せ』≫

🔹同じ角川書店版『合本俳句歳時記』には収載されていませんが、『新版季寄せ』には主季語「霞」の子季語の一つとして収載されています。因みに「霞」の子季語を以下にご紹介します。
🔹霞の子季語: 霞む、薄霞(うすがすみ)、遠霞(とおがすみ)、山霞、朝霞、昼霞、夕霞、晩霞、春霞、横霞、野は霞む、草霞む、霞む日、霞濃し、町霞む、村霞む、鐘霞む、霞立つ、霞引く≪以上、角川書店版『新版季寄せ』≫。棚霞≪角川書店版『合本俳句歳時記』≫。
🔹主季語「霞」について、『合本俳句歳時記』は次のように解説しています。【春は大気中の水分が増えることによって、空の色・野面(のづら)・山谷(さんこく)など遠くのものが霞んで見えることがある。横に筋を引いたように棚引く霞を棚霞という。「草霞む、山霞む、また鐘の音に「鐘霞む」などとも用いられる。『万葉集』の<ひさかたの天の香久山この夕べ霞たなびく春立つらしも 柿本人麻呂>のように、古来春の風情を表すものとして多く用いられてきた。※霞は遠くかすかで、ほのかな優しい感じのするものである。】
🔹NHK放送文化研究所は、《毎年、春先から今の時期にかけて多く見られる「霞」[カスミ]は、「もや」や「霧」とは違うのでしょうか。》との問いに対して、《「かすみ」は、空気中に浮かんでいる細かい水滴やちりなどのために遠くがぼんやりとしていて、はっきり見えない現象です。「霧」「もや」「煙」「遠い山にかかった低い雲」などを指して一般的に「かすみ」といっていますが、気象学的にはっきりと定義づけられている「霧」や「もや」と違って気象用語としては使われません。「かすみ」が発生している状態を表現する「たなびく」は、「かすみ」や「雲」にはいいますが、「霧」にはいいません。これに似た表現で「たちのぼる」は、「霧」や「雲」にはいいますが「かすみ」にはいいません。「かすみ」は夜には使われず、夜の現象は「朧」[オボロ]と呼んで使い分けています。また俳句では、秋の「霧」に対し「かすみ」は春の季語になっています。》と回答しています。俳句は気象学ではありませんが、参考までに。




閑雲記 (Diary)

 まだ現役の英語通訳だったある時、クライアントの某アメリカ企業の技術営業職の女性と一緒に丹沢山地の麓にある某日本企業の研究所を訪問しました。
 研究所へは横浜にある彼女の会社の提携会社の営業職の男性が運転する車で向かいました。花の頃でした。
 丹沢の山々が近くなるにつれ、霞の中から目を洗うように美しい新葉や山桜が見えてきました。ふと、車の後部座席に私と並んで座っている彼女の視線がその山霞に釘付けになっているのに気付きました。来日は初めてではない彼女でしたが、これから始まる大切な商談を前に大いに緊張していた筈です。その緊張を解すように、ふと眺めた車窓の春景色。日本の春の美しさに魅せられている様子の彼女。40代半ばぐらいの女性でしたが、自然を愛でる素直な心の持ち主なのだろうと思いました。
 日本の春の美しさを解する彼女の様子に、私は無性に嬉しくなりました。よし、週末の一日を彼女に付き合って、無償サービスで都内の日本庭園にでも連れて行ってあげよう!

     薄霞アクアラインの端あたり /むく(旧詠)



サクラ (Cherry blossoms)




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2024/03/30 Sat

          「写童会」写真展にて


人士なほ童心春の写真展

(じんしなおどうしん はるのしゃしんてん)


Muku





サクラ (Cherry blossoms)




閑雲記 (Diary)

🔹写真展: 風邪気味の先日行けなかった友人の写真展を観に。秦野市をはじめ、神奈川県西部にお住いの写真愛好家たちの展示会。驚いたのは私が昨秋撮った夜明の写真と全く同じ構図の作品があったこと。あの時、撮影ポイントに行くと先客が一人いました。多分その方の作品だろうと思いました。今日は会場にいらっしゃらなかったので、お目にかかれませんでしたが。あれはたしか、前日の夕方にその丘へ十三夜の月を観にゆき、月を眺めている白猫に会った翌朝だったか前日の朝だったかと思います。偶然の楽しさ。

🔹オオタカ?: 晴天の今朝は桜を愛でながらいつもの観察林へ野鳥を観に。猛禽のような声がしたので見上げると、高い梢にタカらしい鳥が。慌ててカメラを向けましたが、すぐに飛び立ってしまい、背中とピンボケ写真しか撮れませんでした。見た瞬間オオタカかと思いましたが猛禽類には疎いので、確実に種を同定することは出来ず。図鑑を確認したり動画やオンラシン図鑑で鳴き声を確認したりしましたが、ハヤブサかも、ハイタカかも、少し季節は早いですがサシバかもと、だんだん怪しくなってきます。いつも行く観察林で猛禽も観測出来ると知ったことを、今日の収穫としましょう。この辺りには丹沢山地からオオタカが飛来すると聞いています。お分かりになる方がいらっしゃれば是非ご教授ください。



猛禽 (Raptor species) オオタカか、それとも…。



春林 (Spring forest)




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桜隠し

2024/03/29 Fri


運命の日なのか桜隠し降る

(うんめいのひなのか さくらかくしふる)


Muku





ヤマザクラ (Wild cherry blossoms) 若木で小ぶりの花。マメザクラの種類かも。





今日の季語 (Season Word of the Day)

桜隠し(さくらかくし):春 (主季語:春の雪、子季語・類従季語:春雪[しゅんせつ]、淡雪[あわゆき]、沫雪[あわゆき]、牡丹雪[ぼたんゆき]≪角川書店版『合本俳句歳時記』≫
🔹桜が咲く時期に降る雪。≪角川書店版『合本俳句歳時記』≫
🔹旧暦三月に降る雪をいう。主として新潟県東蒲原郡地域で用いられ、同県魚沼地域では「蛙の目隠し」、「雁の目隠し」とも呼ぶとか。桜隠しとは文字通り、丁度桜の咲く頃、花を包んでしまう春の雪である。北国ではそんな時期に予期しない雪に見舞われる。「〇〇隠し」といういい方には風土が持つ人為を越えた力をそれとなく暗示している。≪宮坂静雄著『語りかける季語 ゆるやかな日本』(岩波書店)≫ (註:地貌季語)

 上の引用を勘案すると、「桜隠し」は越後方言が起源の言葉のようです。稀ですが、桜が咲く頃あるいは桜が咲き出してから雪が降ることは東京でもあります。「桜隠し」、何かドラマを思わせる言葉ではないでしょうか。

      金婚式桜隠しとなりにけり /村上喜代子




閑雲記 (Diary)

🔹昨日(3月28日)、雨は上がりましたが曇天の朝、林に行ってみると前日は咲いていたアマナが花を閉じていました。1時間ほど経って少し陽が射してきたのでまた行ってみると、花が若干開いたように見えました。日照に敏感な花のようです。



アマナ (Amana edulis) 左:閉じた花、右:少しだけ開いた花



花にメジロ (White-eye)




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桜 / 花酔い / 花の雲

2024/03/28 Thu


父の忌の桜の遅れゐる今年

(ちちのきの さくらのおくれいることし)






父の倍生きてまだ見る桜かな

(ちちのばいいきてまだみる さくらかな)






父の忌を花酔ひ人に紛れけり

(ちちのきを はなよいびとにまぎれけり)






花の雲スカイツリーの聳ゆる世

(はなのくも スカイツリーのそびゆるよ)





Muku





花にメジロ (Wjote-eye and cherry blossoms)




今日の季語 (Season Word of the Day)

桜(さくら):春
🔹子季語:桜花[さくらばな、おうか]、桜の花、初桜[はつざくら]、桜時[さくらどき]、桜東風[さくらごち]、桜まじ、桜隠し、朝桜、桜陰[さくらかげ]、夕桜、夜桜、若桜[わかざくら]、老桜[おいざくら]、山桜、里桜、磯桜、磯山桜、家桜、門桜、庭桜、彼岸桜、一重桜、八重桜、枝垂桜、糸桜、紅枝垂(桜)、牡丹桜、御所桜、楊貴妃桜、薄墨桜[うすずみざくら]、桜月夜、桜咲く、観桜[かんおう]、桜狩[さくらがり]、桜守[さくらもり]、桜散る、桜吹雪、残る桜、残桜[ざんおう]、早桜、遅桜、桜茶屋、桜道、桜蕊降る[さくらしべふる]、桜餅[さくらもち]、桜漬[さくらづけ]、桜湯[さくらゆ]ほか。≪参照:角川書店編『合本俳句歳時記』、同『新版季寄せ』ほか≫

 俳句においては「花」は主として桜のことを指すので、以下に「花」(桜)の季語もご紹介します。

花(はな):春
🔹子季語:花冷[はなびえ]、花曇[はなぐもり]、養花天[ようかてん]、花時[はなどき]、花の春、花のころ、花盛り、花の陰、花の雲、花明り、花の香、花埃[はなぼこり]、花の主、花守[はなもり]、花の雨、花の山、花の宿、花の昼、花の闇、花の宵、花の夜、花篝[はなかがり]、花雪洞[はなぼんぼり]、花朧[はなおぼろ]、花の日々、花月夜、花影、花の窓、花の庭、花の寺、花の門、門の花、花便り、花盗人[はなぬすびと]、花見、花見人、花人[はなびと]、花見客、花筵[はなむしろ]、花見舟、花の宴、花の酒、花衣[はなごろも]、花見衣、花見小袖、花筏[はないかだ]、花疲れ、落花、花散る、散る花、花吹雪、飛花[ひか]、花屑[はなくず]、花の塵、花を掃く、花つもる、残花[ざんか]、名残の花、花過ぎ、花漬[はなづけ]ほか。≪参照:角川書店編『合本俳句歳時記』、同『新版季寄せ』ほか≫

 桜・花の季語は本当に多く、ざっと拾っただけでもこんなにありました。他にもいろいろあると思います。

     さまざまなこと思い出す桜かな /芭蕉

     花の雲鐘は上野か浅草か /芭蕉




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土匂う / 春林(しゅんりん)

2024/03/27 Wed


土匂ふ山慈姑の芽を蹲踞して

(つちにおうさんじこのめを そんきょして)






雨止みて春林に人甘菜咲く

(あめやみてしゅんりんにひと あまなさく)



>

Muku





Amana edulis (サンジコ[=アマナ]の花)




山慈姑[甘菜] (Amana edulis)

山慈姑(さんじこ、やまくわい)は別名を甘菜(あまな)、麦慈姑(むぎぐわい)と呼ばれる山野草です。四日ほど前に、野鳥を観察していた林で、なかば枯葉に埋もれるようにして顔を出していた高さ3cmほどの赤紫色の芽を見つけました。
 家に帰って角川書店版『合本俳句歳時記』、同『季寄せ』を開いてみましたが、どちらにも季語として収載されていません。インターネットで検索したところ、文芸春秋版の『最新俳句歳時記』(山本健吉編)には収載されているらしいことが分かりました。しかし、それだけを頼って季語として句を詠むわけにはゆきません。仕方なく別に季語を斡旋して詠みました。山慈姑、甘菜が季語として広く認知されて欲しいと願いながら。

 アマナはその学名Amana edulisが示すように、日本の固有種に近い植物です。『広辞苑』に「山慈姑」(さんじこ、やまくわい)の項はありませんが、「あまな」(甘菜)の項はあり、そこには次のように解説されています。
 「甘菜: ①味の甘い菜。ナヅナなどの類。⇔辛菜(からしな)。②ユリ科の多年草。草地に生じ、球茎からニラに似た茎を出す。春、紫色の筋のある星形六弁の花を開く。球茎は食用、また滋養強壮剤とする。ムギグワイ。③フナバラソウの古名。④アマドコロの古名。⑤ナルコユリの古名。」
 古名とは言え、幾つかの違う植物の名前が同じであるというのはややこしいですね。
 春の山野草のアマナ(=サンジコ)、芽を見つけてからこの数日の間、いろいろと調べてみたので、ご興味があれば以下をお読みください。「③結言」だけお読み下さってもかまいません。

 アマナについて、Wikipedia(英語版)他、参照した資料には大要以下の内容が紹介されていました。
 ①アマナ(学名:Amana edulis):
 🔹アマナは中国、日本、韓国が原産の単子葉植物ユリ科アマナ属の球根植物で、高さが25 cmまで成長する。
 🔹サンジコ(山慈姑)、ムギクワイ(麦慈姑)の別称がある。
 🔹花の形がチューリップによく似ており、かつてはTulipa edulisとしてチューリップ属に分類されていた。(註:インターネット上には現在も旧分類のまま紹介されている記事が少なくないので注意を要します。)
 🔹花は白くハナニラに似ていおり、赤紫の縞模様を有する。
 🔹食用、薬用になる。
 🔹日本では、アマナは東北地方以南の日当たりのよい野や疎林に自生する。
 🔹近縁種に ヒロハノアマナ、キバナノアマナ、タイリンオオアマナがある。
 ②サンジコの呼称:
 🔹山慈姑の「慈姑」には「くわい」の読みがあるが、オモダカ科オモダカ属の水生多年草で作物として主に水田で栽培されるクワイ(学名:Sagittaria trifolia)とは無関係。(註:慈姑[くわい]は「慈姑掘る」が春の季語として角川書店版の歳時記・季寄せに、「慈姑」が同『季寄せ』に収載されています。慈姑はクワイの中国の呼称で、母根に子根が付着している様子を、嬰児に乳を与える慈母(姑)に見立てた命名と言われます。和名の「くわい」の語源には諸説あって不明とされています。
 🔹山慈姑(さんじこ)は中国の生薬の一つ。(註:その基原植物をインターネットでは同定出来ませんでした。)
 🔹江戸時代末期に渡来したアマリリスの一つHippeastrum puniceumにはキンサンジコ(金山慈姑)、Hippeastrum vittatumにはベニスジサンジコ(紅筋山慈姑)の和名が付けられた。
 🔹インターネット上の情報には、学究者やオンライン辞書が山慈姑をカタクリのこととしていたり、マンジュシャゲ(=ヒガンバナ)のこととしている例も散見される。(説明不足のため混乱を助長する原因になる可能性がある。)
 ③結言:
 🔹種としてのアマナはAmana edulisのことをいう。
 🔹甘菜(あまな)の和名は総称として辛菜(からしな)に対義する。(註:「(―)菜」の菜は食用植物であることを示す。)
 🔹山慈姑(さんじこ、やまくわい)は甘菜の別称である。
 🔹漢語名の山慈姑(さんじこ)は中国の生薬名に由来する。
 🔹種の異なる複数の植物が同一である筈はないが、日本語としての甘菜(あまな)は歴史的に複数の種の植物の呼称となった。種の分類としてはサンジコ(ムギクワイ)のことと思われる。
 🔹現在、甘菜、山慈姑を季語として収載している俳句歳時記は少ないが皆無ではない。

 以上、この記事の内容に誤謬等があれば是非ご意見を賜りますようお願い申し上げます。



Amana edulis (サンジコ[=アマナ]の花)




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春の風邪

2024/03/26 Tue


春の風邪歯科の予約を取り消しぬ

(はるのかぜ しかのよやくをとりけしぬ)






春の風邪手帳に友と会ふ予定

(はるのかぜ てちょうにともとあうよてい)






挿花も含むといふに春の風邪

(さしばなもふふむというに はるのかぜ)





Muku





Hana peach - Prunus persica (ハナモモ)




今日の季語 (Season Word of the Day)


春の風邪(はるのかぜ):春【生活(情緒)】 (子季語:春風邪、春風邪引く)(参照:角川書店版『合本俳句歳時記』、同『新版季寄せ』)

 「春になって油断すると風邪をひいてしまう。冬季の風邪のようにひどくなることは少ないが、長引きやすい。」(引用:角川書店版『合本俳句歳時記』)

     天罰のいや天啓の春の風邪 /鷹羽狩行

     はじまりは仮病なりけり春の風邪 /内田美紗

     みそ汁に少しの苦味春の風邪 /佐藤きよ子



閑雲記(Diary)


 ふだんは空欄に支配されている老の手帳が珍しく埋まっている日。風邪ではなくて歯痛による発熱ではないかという気もするが、時節柄「疑わしきは…」。歯科の予約日は一週間先に。
 楽しみにしていた友人の写真展を見に行く予定も数日延ばすことにして、LINEで連絡を入れた。大事を取って。
 三日続きの雨。ルリビタキの様子も気になるし、林の落葉の下から少しだけ顔を覗かせていたアマナ(甘菜)という野草の芽のその後も気になる。レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類植物と聞いたことがあるが、インターネットで確認してみると、神奈川県ではリストから外されたようだ。少しは珍しい野草に変わりはない。
 おととい挿した花瓶のハナモモは蕾が膨らみ、花が咲き出してきた。夜は暖房を点けて過ごしているせいもあるのだろう。私の「花桃ロード」のハナモモも見ごろを迎える頃だ。(むく:March 26, 2024)




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春の雨 / 春林(しゅんりん)

2024/03/25 Mon


春の雨うぐひすかぐら紅淡き

(はるのあめ うぐいすかぐらべにあわき)






春林や鶯神楽鳴きにけり

(しゅんりんや うぐいすかずらなきにけり)


Muku





Uguisu-kagura - Lonicera_gracilipes (ウグイスカグラの花)




Desired Season Word (季語になって欲しい言葉)


鶯神楽(うぐいすかぐら)の花:早春~仲春 (子季語:鶯神楽咲く) ※歳時記未収載

     境木となりゐて鶯神楽咲く /森田公司

 上掲の句のように「鶯神楽咲く」や「鶯神楽(の花)」を季語とした例句は散見されますが、少なくとも私が活用している歳時記や季寄せには季語として収載されていません。不思議な気がしますが現状はそうであり、春の季語に加えて欲しいところです。
 「うぐいすかぐら」(鶯神楽)を広辞苑はこう説明しています。「古名ウグイスガクレの転訛という。スイカズラ科の落葉低木。高さ約二メートル。山野に自生。幹に枝が多く葉は長さ五センチメートルほどの楕円形で、春、葉とともに花を開く。花冠は淡紅色、やや曲がった漏斗状で先端は五裂。初夏にグミに似た液果が赤熟し、甘い。ウグイスノキ、コジキグミ、アズキグミ。」
 ウグイスカグラは里山の藪に普通に見られる灌木で、今ごろの季節に小さな花を咲かせます。花色は薄紅色(ピンク)が一般的ですが、白花もあるようです。気に留める人が少ない花ではありましょうが、これまで歳時記に収載されてこなかった理由は分かりません。夏になると赤いグミのような実が生ります。実は食べられるそうです。
 ウグイスカグラには英名がありません。漢語名もありません。日本固有の種であるようです。果実を「アウ実」(鶯実)と呼んだりもするようですが、これとて読み方は大和言葉であり、「オウジツ」と音読みにする例は見当たりません。
 広辞苑の説明にあるように、ウグイスカグラの木はウグイスが隠れるのに丁度よい木として頷けはしますが、あくまでも一説であり、名前の由来には「隠れ」ることよりも「神楽」(かぐら)との関連を考察する異論や異説もあります。春告鳥である鶯が花が咲いているこの木の枝から枝を移る様子を、岩戸神楽を舞っている巫女の姿(天岩戸の前で踊るアメノウズメノミコトに通じる)と見立てて命名されたとする説などです。
 また古名をウグイスカズラとする説もあります。カズラは普通ツタのことを言いますが、この説ではカズラを巫女が神楽を舞う時に着ける習慣があった髪飾り(蔓草[かづらぐさ]、花蔓[はなかづら]など)のこととしています。
 その他、地方の方言名も少なくないようですので、ウグイスカグラの名前の起源を探査しようとすると民俗学の領域にも踏み込む必要がありそうです。
 🔹「和名抄」(倭名類聚鈔:平安時代): 「漢語抄にアウ実、ウグヒスノキノミと云ふ。」(註:すでに「鶯の木」の呼称があった。)
 🔹牧野富太郎: 「鳥の鶯に関係があるだろうが、名の由来ははっきり分からない。」
 由来を探求すると実に奥の深そうなウグイスカグラですが、日本の書物に現れる起源は、外来種である梅よりも古いことは確かと言えるでしょう。いつの時代からか「梅に鶯」と言われるようになりましたが、上古の鶯の木であったウグイスカグラは時代とともに忘れ去られ、梅に取って代わられたのかもしれませんね。
 🔹こづた(木伝)ひし梅をばをきてこれだにも鶯の木とひとく言ふらむ /和泉式部
 作者和泉式部は平安時代の歌人です。この歌の「ひとく」は「ひとし(人し)」の誤りだろうと見る解説もありますが、「ひとく」(人来)は「法、法華経」同様に鶯の聞きなしの一つなので、「ひとし」の誤りとするほうが誤りではないかと思います。時代とともに変わるのは鳥の聞きなしも同様です。「ほうほけきょ」は後代に考えられた聞きなしですが、「ひとく」は早くからあったようです。
 和泉式部の時代より少し早く奏上された古今和歌集には、「よみ人しらず」として「むめの花みにこそ来つれ鴬のひとくひとくといとひしもをる」 (意味:梅の花を見に来ただけなのに、鶯が「人来人来」と鳴いて人目を気にしながらもそこにとどまっている)という、よく引用される歌が見えます。
 和泉式部の歌の意味は「昨日まで私という梅の枝を渡り鳴くウグイスだったあなた、どう してそんなウグイスノキの陰に隠れて「人来」なんて鳴いていらっしゃるのでしょうね♪」となるでしょうか。いかにも恋多き女性として知られた和泉式部らしく。
 ウグイスカグラは境木(さかいぎ:敷地の境界の目印の木)として植えられたりしたようです。庭木として植えている家には、当代または先祖に華道や茶道の先生をしていた人がいる場合が多いという話もあります。また根付きが早いので崩落した崖や斜面の跡に植えられたりもしたそうです。




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神奈川県秦野市で愛妻と二人でスローライフしています。お気軽にコメントをくださると励みになります。

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