心療整形外科
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2024年 11月 28日

長く続く痛み、キッカケは伸張性収縮の一種か

ヒトは、持っている荷物をゆっくりと下ろすとき、山を下るときなどには、筋肉をブレーキとして使います。この動作(筋が力の入っている状態で引き延ばされること)を、「伸張性収縮」といいます。伸張性収縮は、遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)や肉離れ損傷を誘発します。



腕立て伏せやエキスパンダーの腕を伸ばす動作が伸張性収縮だ。ゆっくりと意識して行えば痛みが長く続くことはないが、不意に行われるとケガをして長く続く。


例えば「むち打ち症」、5Kg重の頭が急に振られると(慣性の法則)反射的に胸鎖乳突筋などに力がはいる。翌日より痛みだすことが多い。

「ぎっくり腰」は腰を起こすときなどに腸腰筋が伸びて、力を入れるタイミングが合わないと攣って痛くなる。この場合は遅発性ではないが。タイヤ交換をした翌日より痛くなることがある。

下り坂の歩行やランニング、階段の降りるとき、立ち上がるときなど膝周辺の伸筋に伸張性収縮が起きるのではないだろうか。

80歳代女性、1ヵ月前ベッドから落ちたものを拾おうと俯きの状態で左腕を伸ばした。左胸部わき腹に違和感をもった。数日しても治らないので心配になり、病院を受診した。レントゲンで骨折はないとのことで、MRIは撮る必要はないと診断され、消炎鎮痛剤とパップ剤、電気治療に通うように言われた。1ヵ月たっても痛みがつづく。笑う、咳、寝返りで痛い。

当院受診。わき腹にできた圧痛点10か所ほどに局所麻酔を計8㏄ほど打った。1W後来院。「帰り道で打ったところがホカホカして気持ちよくなりました。痛みはほとんどなくなりました。」

もしこれが交通事故や加害者被害者関係がある事故だったら、「大げさな人」「そんなことで痛みが長く続くはずがない。」なんて言われることだろう。

もしこれが膝周辺の筋肉だったら、患者さんは「膝が痛い」といって来院することが多い(筋肉の関連痛:脳は膝が痛いと感じる。)医師は触診しないで膝のレントゲンやMRIを撮る。「軟骨がすり減っている」「半月板が傷んでいる」と診断することになる。これはお門違いでよくなるはずがない。



# by junk_2004jp | 2024-11-28 01:20 | MPS
2024年 11月 26日

変形性膝関節症の原因は筋痛症、軟骨すり減りはその結果

変形性膝関節症の原因は筋痛症、軟骨すり減りはその結果_b0052170_13390245.jpg
80歳のAさんは3か月ぶりに来院。両ひざ痛と腰痛。
内側広筋1か所、大腿直筋の膝蓋骨付着部2か所、縫工筋1か所、外側広筋1か所、大腿二頭筋1か所、半腱様筋1か所

両ひざ

上記圧痛点にワンポイント0.2~0.5㏄の局所麻酔0.5%メピバカインを注射。
これを痛み止めの注射というのか、再生医療というのか、痛みを治す注射というのか。

レントゲンは撮りません。

すぐに痛みは消失。こんな人は何人もいます。畑仕事を趣味としている人もいます。

プラシーボ効果もしくは局所麻酔効果、鍼効果かも。

人工膝関節にするとアライメントが矯正され筋にかかる負荷が改善するのでしょう。

それもよいでしょうが、こういう生き方もあります。痛みの感じ方には個人差があります。

このような恰好にならないように若いころから、歩き方、座り方に気を付けて。筋肉に焦点を合わせてマッサージなど。

腰痛治療も同じことです。料金は全部で保険治療で町中華ぐらい。



# by junk_2004jp | 2024-11-26 14:09 | 慢性痛
2024年 11月 25日

あれが再生医療?


大学6年、授業費高、過酷な卒後研修、責任大きい。そのために高額な自由診療へと流れる気持ちはわかる。必要な医師の数が減ってきているといわれる。

美容外科は経験、技術が必要で、すぐにできるというものではない。

再生医療と称しているものはビデオを見る限り、3日もあれば医師なら誰でもできる。おまけに副作用がなく安心だ。私のやっていることもその通りだ。

PRPは急性の組織の修復にはある程度の効果が期待できる。
小さな傷口だったら放置しても瘢痕を作って治癒するが、大きな傷口だったら縫合するかテープなどで固定しないと早くきれいに治らない。血小板には傷口を治す力があることは知られている事実だ。

ここで治るという意味は傷の断端が閉鎖することをいう。

傷が治ったら痛みも治るというものではない。
慢性痛とは傷口が治った後も続く痛みをいう。

マレットフィンガーは伸筋腱の断裂でおきるが、屈筋腱の力が大きいので外固定が必要となる。ケガ初期にPRPをして外固定をするのは理にかなっていると思う。

出来上がってしまったものにPRPをしても元に戻るわけではない。痛みがないことが多い。

へバーデン結節は変形性関節症だが、痛みがないことが多い。そこにPRPをしても元の形には戻らないだろう。

時に痛くなることもあるがPRPをするほどでもない。

局所麻酔で十分だ。数百円と数十万。 





# by junk_2004jp | 2024-11-25 02:42
2024年 11月 22日

私にも再生医療という言葉を使いたい!

自慢話をしますね。これって再生医療ですね。効果は個人差があります。(町の再生医療屋)

①膝人工関節の手術を2度したが痛くて痛くて困っている人、2W前に来院して膝周辺、大腿、下腿の圧痛点に局麻を注射し、ハンドマッサージャーをした。今日来院、「夢のようだった、楽になった」。

②踵痛のマラソンランナー、踵の圧痛点2か所に局麻を注射した。2回。最近の大会で優勝した。今度また大会があるのでといって来院した。

③1W前マラソンに出て、膝の内側が痛くなった。内側広筋の圧痛点に注射した。すぐに痛みはなくなった。

いずれもレントゲンは取っていません。いずれも保険診療でラーメン1杯ぐらいの治療費かな。

④昨日足首を捻挫して腫れて痛い。レントゲンを撮ってほしい。

「レントゲンでは骨折はありませんよ」
「ではなぜ腫れて痛いのですか?」
「局所麻酔を注射してみますね。」数か所注射した。
「楽になりました」
「大谷さんなら、精密検査をして、手術室で、モニターを見ながら、わずかに生じた靭帯の亀裂にPRP(血漿血小板濃縮液)を注射するのではないかな。そして、手術は成功と発表するのでしょう。アメリカだと数百万円でしょう。(笑)。」「多分、小さな損傷ですから、仕事を休む必要はなく気持ち安静でいいでしょう。それよりも痛みが続くことがありますから、痛かったら来てください。」



# by junk_2004jp | 2024-11-22 19:27
2024年 11月 22日

慢性疼痛の脳波


再掲と思うが

  • 最も深刻な痛みに対する個別化された治療法の開発に役立つ可能性がある。
  • 慢性疼痛は3か月以上続く痛みと定義される。米国では最大5人に1人が悩まされており、糖尿病、高血圧、うつ病よりも多くなっている。
  • 生活の質にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。
  • 脳の信号パターンは、指紋と同じように個人に固有のものだった
  • 慢性疼痛の信号は、急性とは異なる脳の別の部分から出ており、単に急性疼痛が続いているものではなく、まったく別のものであることが示唆された。
  • 痛みの感じ方は人それぞれであるため、痛みに対処するための画一的なアプローチはなく、従来の大きな課題となっていた。
  • 痛みの感じ方が本当に人それぞれであり、ゆえに一人一人にあった治療が大事であることを示していると、シルヴァルカー准教授付け加える。
  • 痛みはとても複雑であり、個々人もまた非常に複雑であることは明らかです。ですから、痛みを理解して診察する唯一の方法は、自ら痛みについて語ってもらうことです」と同氏は話した。



だから、急性のうちに痛みをしっかり取ろう。リウマチ系、痛風系、感染、悪性腫瘍は除く。
痛みの原因は重力G(ケガ、繰り返し、痙攣、緊張)
組織損傷の治療と痛みの治療は別問題。生じた損傷はどの程度か、どの程度の治療が必要か?
患者も医師も痛みの治療に無頓着なことが多い。
「痛みに先手を打て!」
がまんしてはいけない痛みのはなし。
痛みを小さい火のう。ちに消さなかったことが後で慢性の難治性の痛みに繋がります。


# by junk_2004jp | 2024-11-22 07:58 | 慢性痛