エンジニアが銭湯と働き方について語り合うイベント、 #エンジニア銭湯 に行ってきた
こんにちは、gami(@jumpei_ikegami)と申します。
Techポッドキャスト「しがないラジオ」のパーソナリティや『完全SIer脱出マニュアル』の著者をしてます。
さて、2019年4月6日(土)に「#エンジニア銭湯」という、会場が銭湯の珍しいイベントに参加してきました。 メモを取ったので、雑に公開します。
イベント概要
イベントのテーマは「働き方について、銭湯で語り合いましょう」というものでした。
イベントの概要は以下をご覧ください。
会場
会場は、大崎にある銭湯の金春湯さんでした。
ガチの銭湯で開催される勉強会に参加するのは初めてでした。 クロークは脱衣所のロッカー。 熱い。
始まった!金春湯のロビーでやってる。畳良い。#エンジニア銭湯 pic.twitter.com/B0BAOACjhY
— gami@技術書典6「く10」で『非エンジニアのためのJavaScript』頒布します! (@jumpei_ikegami) April 6, 2019
職場の問題かるた
最初は、登壇者の1人である沢渡あまねさんが作られた「職場の問題かるた」を参加者全員でやりました。 銭湯のロビーでやるのは狭いので、なんと脱衣所で開催。
職場の問題かるたやった!かるた久々にやると楽しい。#エンジニア銭湯 pic.twitter.com/M9Fswt2Mdc
— gami@技術書典6「く10」で『非エンジニアのためのJavaScript』頒布します! (@jumpei_ikegami) April 6, 2019
かるたの札には職場の問題あるあるが書かれていて、戸松遥さんの勢いのある札読みボイスもあいまって、楽しく職場の問題について学ぶことができました。
LTとパネルディスカッション
その後、LTとパネルディスカッションがありました。 登壇者は以下でした。
- 角屋文隆さん
- 国内大手の光学・医療機器メーカーのエンジニア
- 金春湯のご長男として銭湯の企画・マーケティング・Web運用を担当
- 後藤大輔 さん
- 沢渡あまね さん
- 久保田裕也さん
- 株式会社オトバンク代表取締役社長
詳細はconnpassから見られます。
以下、LTとパネルディスカッションのメモです。
角屋文隆さん
銭湯らしく、LTも番台から。新しい。#エンジニア銭湯 pic.twitter.com/YwulKakggP
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金春湯について
- 銭湯ブーム
- アメトークで品川区の銭湯が多数登場
- 銭湯なのに温泉のところも
- 金春湯、詰んだ?
- 金春湯は、デジタルを武器に有名銭湯の仲間入りを狙う逆襲の銭湯である
銭湯について
- 銭湯は心のリファクタリング
- エンジニアにこそ、銭湯を勧めたい
- ととのいフレームワーク「MVKS」
- 以下を2-3セット回すと、整う
- サウナ(S) 8-10分
- 身体を流す
- 水風呂(MV) 1-2分
- 休憩(K) 5-10分
- 以下を2-3セット回すと、整う
後藤大輔 さん
続いては東京銭湯 後藤大輔さんのLT。番台でプレゼン♨️#エンジニア銭湯 #金春湯 pic.twitter.com/WOGQt0cMqP
— 沢渡あまね🍭職場の問題かるた(CV:戸松遥/絵:白井匠) (@amane_sawatari) April 6, 2019
自己紹介
株式会社東京銭湯
- 情報発信
- TOKYO SENTO
- 銭湯経営
- 川口にある喜楽湯を運営
- コミュニティづくり
- 銭湯ファンが集まれる場づくり
働き方について
- 人のルールと場のルール
- その両者のルールを合わせていく必要がある
- 場のルールの分類
- 静的ルール
- 固定のルール
- 動的ルール
- その場その場で動的に変わるルール
- 静的ルール
- 銭湯のルール
- 静的ルール
- 料金、男女、出禁ルール
- 動的ルール
- 他の人と会話するかどうか?どう入浴するか?
- 静的ルール
- 「自由」とは、「動的なルールを作ってもいい状態」
- 銭湯とスーパー銭湯の比較
- スーパー銭湯の方が静的ルールが多い
- 常連さんしか行かなくなった銭湯も、静的ルールが増えていく
- 番頭はクリエイティブな仕事
- ルールの番人
- 会社も同じ
- 暗黙的にルール化しているものもある
- ルールを作る側に回った方が楽しい
- 「空気を読む」から「動的ルールを楽しむ」へ
沢渡あまねさん
沢渡あまねさんキター!Tシャツの主張がすごい。#エンジニア銭湯 pic.twitter.com/omWZVS3Hf3
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自己紹介
- 「業務デザインの発想法」2019年4月発売!
- 「運用☆ちゃん」書籍版も発売されます!
- 自分の思い
- IT業界のフレームワークやカルチャーを活用して、組織の課題を解決したい
- ITエンジニアが正しく活躍できる社会を創りたい
キーメッセージ
- 生産性の高い状態 = 自分の勝ちパターンを実践できている状態
- ダイバーシティの価値もこれ
- 満員電車やスーツは、悪気のない負けパターン
- 銭湯で仕事したって、ダム側で仕事したって、ええやん
午後から都田で会議……の道すがらのダム際ノマドワーク。#ダムはいいぞ #ダム際ノマドワーカー #マイ生産性#職場の問題かるた pic.twitter.com/7khjTWkGpu
— 沢渡あまね🍭職場の問題かるた(CV:戸松遥/絵:白井匠) (@amane_sawatari) March 25, 2019
勝ちパターン
- あなたにとってのダム際は何ですか?
久保田裕也さん「オトバンクがチャレンジする働き方の創造」
オトバンク社長 久保田さんが番台でぶっちゃける、オトバンクさんの働き方!#エンジニア銭湯 #金春湯 pic.twitter.com/PnBHhmYWew
— 沢渡あまね🍭職場の問題かるた(CV:戸松遥/絵:白井匠) (@amane_sawatari) April 6, 2019
自己紹介
- 売上ゼロ時代のオトバンクに入社
- 創業者は、5年間出版社を巡ってお茶を飲んで「良い話聞いた」と言っていた
- オトバンク
- 日本最大級のオーディオブック配信サービスを運営
オトバンクの働き方
- いろんな社員がいる会社です
- 元声優とか
- オトバンクでやめたこと
- 人をまとめることをやめた
- 満員電車の通勤をやめた
- あるとき、銀座線で飛び蹴りするサラリーマンを見た
- 電車ってヤバい
- 「満員電車禁止令」を始めたら、メディアに取り上げられた
- あるとき、銀座線で飛び蹴りするサラリーマンを見た
- 飲み会をやめた
- 飲み会をやっても、ほとんどの人が遅れてくる
- 飲み会を社内ランチ会に
- 情報をクローズドにするのをやめた
- 「開発」をやめた
- 開発も企画も、ごった煮にしてオープン化した
- 時間と場所を縛るのをやめた
- CTOは釧路に住んでいる
- 1つのキャリアに限定するのをやめた
- 陸上部を創設
- 働き方改革ではなく、働き方創造
- 社員が仕事を自分事にできる
- 働きやすい環境を自分で整えられる空気づくり
- 評価制度も社員が考える
- 毎月1on1して、目標に落とし込む
- それをどう達成するかをマネージャーと話す
- 6時間くらいの会議で、マネージャーがチームの評価を発表して議論する
- トップダウンで働き方を決めない
- 働き方のクリエイティビティが、サービスのクリエイティビティに繋がる
パネルディスカッション
テーマ
- エンジニアが正しく活躍できる働き方
勝ちパターンについて
- 営業時間外のサウナの中は、集中できる(角屋さん)
- 会場のみなさんの勝ちパターンは?(後藤さん)
- (色々なパターンが出てくる)
仕事ごっこについて
- 世の中、仕事ごっこが多いと思う(沢渡さん)
- フレックスなのに早く来て存在感をアピールしたり
- ごっこかどうかは、ビジネスに直結するかどうかで決まる
- 「確定申告はお遊戯会」
- 優秀な役所の人は、書類の差し戻しとかやりたくない、もっと住民の課題を解決する仕事がしたい
- 自分の本質的価値は何か?を常に問い続ける
- 馬鹿なふりして、「これって何でやってるんだっけ?」と聞くのが大事(久保田さん)
- 複数の役割があると、仕事ごっこが無くなるのでは?(沢渡さん)
- 自分の会社でも、「パートナーさんより先に帰るわけにはいけない」ということがある(角屋さん)
- でも、銭湯の仕事やっている方が楽しいw
- 自分は意図的に複数の仕事をやっている(後藤さん)
- ある仕事で別の仕事を長期間休んでも、意外と問題なかったりする
- 「本当に必要な仕事」がわかる
- 会社にいると、やらなくてもいい仕事が増えることがある
- この話、ダイバーシティの本質だと思う(沢渡さん)
- 自分の会社でも、「パートナーさんより先に帰るわけにはいけない」ということがある(角屋さん)
- エンジニアの価値の出し方は3つある(沢渡さん)
- ふりかえりができる
- 仕事ごっこをやめられる
- はじめは意味があった仕事を、仕組みで解決する
- 楽しさに素直になる
- 楽しさは正義
- 組織に対する安心感が重要(久保田さん)
- 何をやっても、場に向かっていれば何でもやっていい状態を作る
- 職種毎に、活躍の仕方は違う
- 銭湯も、ダイバーシティの中で安心感を作るという点では、同じ(後藤さん)
主催者陣で記念撮影!#エンジニア銭湯 pic.twitter.com/zAQCsF0zZq
— gami@技術書典6「く10」で『非エンジニアのためのJavaScript』頒布します! (@jumpei_ikegami) April 6, 2019
感想
とりあえず、銭湯で勉強会をやるという体験は、新しかったです。 アットホームさが演出され、狭さ故の一体感がありました。
テーマとしても、レガシーな日本企業に蓄積された職場の問題や生産性の低い働き方について考える機会になって良かったです。 僕はもともと富士通という歴史の長い大企業にいたので、非常に懐かしさを感じました。 逆に言えば、もう生産性の低い働き方からは遠ざかってしまったので、今回のイベントのベストなターゲットユーザーではなかった感じもありました。
いまの僕はスタートアップに転職して、今回のイベントで出てきた「ルールを作る側に回る」とか「自分の勝ちパターンを実践できる」とか「働き方創造」などといったことも日々実践できています。 明らかに生産性も年収も上がりましたし、いまの方が圧倒的に楽しいです。
また、「満員電車に乗らない」とか「会社に行かずに仕事する」とか言うと「ぬるま湯かな?」という印象を抱く人が多いと思いますが、それは全くの誤解です。 「会社のルールを守っていればいい」という状態から、「自分の生産性を最大化する方法を自分で考えなければいけない」という試練を課されるわけです。 そっちの方が、よっぽど難しく、厳しく、熱く、クリエイティブで、楽しい営みだと感じます。
イベントのまとめは以上です。 エンジニア銭湯は定期的に開催されるらしいので、興味がある方は次回以降で参加すると良いと思います!
なお@kondoyukoさんが今回のイベント内容についてイラスト付きでまとめられていたので、ぜひこちらもご覧ください。
#エンジニア銭湯 in 金春湯 まとめ|kondoyuko|note(ノート) https://t.co/6lFng8qWm8
— 近藤佑子🐱技術書典6 か66 (@kondoyuko) April 6, 2019