「令和3年度革新的自殺研究推進プログラム 第2回研究代表者会議(中間報告会)」を開催しました │ 調査・研究等 │ 厚生労働大臣指定法人・一般社団法人 いのち支える自殺対策推進センター

調査・研究等

「令和3年度革新的自殺研究推進プログラム 第2回研究代表者会議(中間報告会)」を開催しましたInnovative Research Program on Suicide Countermeasures

2021年12月17日

いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)は11月30日(火)、令和3年度革新的自殺研究推進プログラム第2回研究代表者会議(中間報告会)をオンラインで開催しました。

会議には、令和3年度革新的自殺研究推進プログラムの委託研究3領域8課題の研究代表者および研究分担者(代理発表者)、プログラムディレクター、研究課題推進委員会の有識者など13名が参加しました(JSCP関係者を除く)。
(革新的自殺研究推進プログラムの詳細については、こちらをご覧ください)

会議の冒頭でJSCP代表理事・清水康之が「昨年の自殺者数は11年ぶりに増加に転じ、その状況が今年6月まで続いた。新型コロナウイルス感染症の見通しが立たない中、何かの切っ掛けでいつまた自殺が急増しても不思議ではない。JSCPとしては、皆様の研究成果をいち早く、少しでも、政策や現場での取り組み推進のために活用させていただきたいと考えている」と挨拶しました。続いて、厚生労働省の髙橋俊博大臣官房参事官(自殺対策担当)にご挨拶をいただきました。

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革新的自殺研究推進プログラム事務局の辻明子(左)と、JSCP代表理事の清水康之(右)

会議の前半では、8つの委託研究課題ごとに、研究代表者らから30分間(発表20分、質疑応答10分)の中間報告があり、これまでの研究成果と目標設定に合わせた今年度の最終的なゴールも含めて発表が行われました。後半では3つの領域ごとの討議および全体の討議が行われ、休憩時間を含めて約6時間の会議となりました。

質疑応答や討議では活発な意見交換が行われ、研究成果のみならず、実際の政策を念頭に置いた際に課題となる「行政内の連携のあり方」や「データを収集するためのインセンティブ設計」等についても議論が及びました。また、自殺未遂経験があるなど高い自殺リスクを抱えた個々人のリスクを下げる研究(ハイリスクアプローチ)と、人口や集団全体を対象に自殺リスクを下げる研究(ポピュレーションアプローチ)という両方のアプローチによる研究推進の必要性が確認されるなど、課題横断的・俯瞰的な議論が展開されました。

今後は、研究課題推進委員会(令和4年1月12日実施予定)の助言などを踏まえ、令和4年3月頃に最終報告会(自殺対策推進レアール)の開催を予定しています。

■令和3年度 革新的自殺研究推進プログラム 委託研究一覧■

【領域1】自殺対策に関するエビデンスの確立

課題番号・研究課題名 研究代表者・所属・役職
1-1 多世代共生型地域包括ケアに向けたソーシャル・キャピタル醸成プログラムの開発 藤原 佳典 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム 研究部長
1-2 DPCデータによる我が国の自殺の現状に関する研究 松田 晋哉 産業医科大学 医学部公衆衛生学教室 教授
1-3 自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐための救急医療における自傷・自殺未遂レジストリの構築 三宅 康史 帝京大学 医学部付属病院高度救命救急センター長 医学部救急医学講座 教授


【領域2】地方自治体の支援ツールの改善

課題番号・研究課題名 研究代表者・所属・役職
2-1 行政における統計データの利活用の推進に関する研究 椿 広計 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所 名誉教授
2-2 妊産婦から子ども・若者に至るライフステージの総合的自殺対策に関する研究 藤原 武男 国立大学法人東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 国際健康推進医学分野 教授
2-3 新型コロナウイルス感染症流行下における大都市部の自殺実態解明に関する新たな手法の開発 木津喜 雅 国立大学法人東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 東京都地域医療政策学講座 准教授


【領域3】新たな政策領域の開拓

課題番号・研究課題名 研究代表者・所属・役職
3-1 ソーシャルメディアを活用した自殺対策に関する研究 島津 明人 慶應義塾大学 総合政策学部 教授
3-2 災害・児童虐待等のトラウマ体験を有する人の心のケア支援の充実・改善に関する研究 金 吉晴 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 所長