飯舘村への移住。移住定住支援・子育て環境・仕事・住まいについて紹介|福島県
この記事では、地方への移住を検討している方に向けて、福島県飯舘村の魅力をご紹介します。
飯舘村は、2011年の東日本大震災による避難の影響があり、一時人口が大きく減った村です。しかし、村の美しい自然環境や、人々のあたたかさに魅力を感じて、村民が戻ってくると同時に、移住者が続々と増えており、移住者によって新しい店舗やイベントが開催されるなど、新たな村おこしがスタートしているという状況にあります。
子育て世帯に嬉しい経済的支援や、自然環境を生かした教育環境が整っているため、ファミリー世帯の移住希望者にとくにおすすめです。また、農業に興味がある方に適した施設「農業研修館きらり」を運用するなど、新規就農者に向けたサポートも実施しています。
今回は、飯舘村の移住コーディネーターで、福島県飯舘村の村づくり推進課で企画定住係をつとめる副島淳(そえじまあつし)さんに、飯舘村の魅力や仕事、住まい、補助金制度についてお伺いしました!
飯舘村の暮らしの特徴3つ
移住を検討している方に向けて、飯舘村の特徴としてとくにご紹介したい点は下記の3つです。
それではこれらの特徴について詳しく見ていきましょう。
特徴1:暮らしのそばに自然あり!満天の星や四季折々の景色を日常的に楽しめる
飯舘村は、阿武隈山系北部の高原にある村です。村の約7割を山林が占めている飯舘村には、真野川や新田川、比曽川などの川も流れており、村のあらゆる場所で、四季の移り変わりをはっきりと感じられます。
夏にはホタル観賞、カブトムシ採集、冬には雪遊びなど、自然の中で子どもたちがのびのびと遊べる環境であり、通年を通して夜空に輝く綺麗な星が見られるのが大きな魅力!
中でも飯舘村の自然を存分に感じられるスポットとしてご紹介したいのが、「村民の森あいの沢」です。ため池を中心とし、約50ヘクタールの広大な自然の中にあるあいの沢には、オートキャンプ場と広々とした芝生エリアのフリーサイトがあります。
▲あいの沢に整備されている全長69.5mの「あいの浮橋」遊歩道もあるので散策も楽しめる
敷地内には日帰り入浴もできる「宿泊体験館きこり」もあるので、村民はもちろん、村外のキャンパーたちからも人気のスポットです。
飯舘村では、自宅から徒歩圏内に里山や河川があり、四季折々の自然を身近に感じられます。村内には自然観察路や子ども向け自然体験プログラムがあり、週末にはあいの沢キャンプ場で手軽にアウトドアを楽しめます。自然と共生する暮らしを求める方にとって、理想的な環境が整っていると言えるでしょう。
特徴2:村民の人柄が魅力!移住前も移住後も相談&支え合える場所がある
飯舘村に移住した方からは「いつも村民の方が気にかけてくれる」といった声が多く聞かれます。移住の決め手となった理由に、真摯に寄り添ってくれる「人の温かさ」に魅了されたと挙げている方もいるほど、人とのつながりが深い村といえます。
飯舘村には自治会の会長さんや、企業の社長さんなど、あらゆる区域にキーマンとなる方がいて、移住者を受け入れる体制を整えてくれます。
また、移住定住促進の拠点「3ど°(さんど)いいたての暮らしをつなぐステーション」を運営しており、移住前や移住後の気になるあれこれを気軽に相談できるのも魅力。インターネットだけでは得られないリアルなお話も聞けるので、まずは一度、観光がてらふらりと立ち寄ってみるのも良いでしょう。
「3ど°」は、webメディアも立ち上げており、飯舘村の日常風景や移住にまつわるイベントを発信中です。instagramもあるので合わせてチェックしてみてくださいね。
飯舘村には、移住に協力的な人がたくさんいます。移住前から村の人と交流を持つことで、移住後の不安も軽減されるでしょう。「人が好き!」「たくさんの人とつながりを持ちたい」という方は、飯舘村がおすすめです!
特徴3:飯舘村に新しい風を吹かそう!起業や地域おこし協力隊に対する支援あり
近年の飯舘村について、副島さんは「移住者の方たちが新しい風を吹かせてくれている」と言います。
カフェができたり、音楽好きの移住者がフェスを開催したり、大学生と村民で活動している村民食堂ができたりと、小さな村にワクワクするような出来事がたくさん増えているそう。
それもそのはず、飯舘村では、起業する方に向けたスタートアップ補助金などがあり、最大で200万円の支援が受けられる制度を実施しています。
初期投資をおさえられることにくわえ、協力的な村の人たちの支えをもとに新しい事業を始めることができる魅力的なサポートです。
また、地域おこし協力隊も募集しています。企業に就職する「企業雇用型」と個人で事業を立ち上げるフリーミッション型の2種類を採用中です。任期中だけでなく任期後の自立も応援中!
公式:「地域おこし協力隊」募集
「新しい地で新しいことを始めたい!」「村おこしに携わりたい!」と強く思っている方は、飯舘村に移住して、村に新しい風を吹かせませんか?
飯舘村の暮らしに関する情報
▲飯館村は花卉栽培に向いている土地であるため、花卉農家さんも多い
つづいては飯舘村の暮らしに関するデータを見ていきましょう。
気候 | 1月:平均気温:-1.1℃ 8月:平均気温:22.4℃ ※参考:気象庁 |
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人口 | 4,571人 (2024年8月末時点) |
病院 | 一般診療所:1 |
学校 | 小中一貫校:1 |
交通 | 【公共交通機関】 ・東京駅から約3時間(新幹線+福島交通バス) ・仙台駅から約2時間(新幹線+福島交通バス) 【車】 ・東京から約3時間30分(高速道路+国道+県道) ・仙台から約1時間30分(高速道路+国道+県道) |
飯舘村の夏は、暑い日でも35度まで上がることはほとんどなく、暑がりの方にとっても比較的過ごしやすいといえます。冬は雪が降りますが、例年積雪の量も減ってきているそう。ただ移住を検討していて、雪に慣れていない方は、飯舘村の冬を一度は体験しておいたほうが良いでしょう。
飯舘村には、スーパーはありませんが、村の中心部に道の駅「までい館」があり、新鮮な農産物が手に入ることに加え、セブンイレブンが併設されているので、料理中に「お醤油が足りない」というときや、「トイレットペーパーが切れちゃった」というときにも便利です。
▲道の駅「までい館」。芝生広場や遊具がある「ふかや風の子広場」やドッグランなども併設されている
普段の生活用品は、車で20~30分ほどの距離に位置する隣町の川俣町や南相馬市で調達している方が多いそう。それほど遠くないので生活圏内と捉えれば、買い物環境も不便ではありません。
また、2025年の春にはドラッグストアがオープン予定なので、さらに便利な暮らしに近づくでしょう。
【子育て】経済的支援の充実!子育て環境にも力を入れている
飯舘村は、子育て世帯への支援が手厚いです。令和5年度よりスタートした「赤ちゃん誕生祝金」はお子さん1人に20万円が交付されます。また、同時期にスタートした「子育て応援支援金」は、小学校・中学校入学時に1人あたり10万円、高等学校入学時に20万円を交付(入学する前年度の1月頃)。
入学式までに必要な学用品を揃えられるようにと支給時期を1月に設定していることからも、子育て世帯に対する村の優しさが伝わります。
さらに学校給食費は完全無料、放課後児童クラブの利用料も無料、小中一貫校の制服や運動着は無料で配布されるなど、経済的な支援が充実しています。
2023年7月に開所した「子育て支援センター」は、木製のすべり台やボールプールなど木のぬくもりを感じられるつくりとなっています。
▲工作や絵本の読み聞かせなどのイベントも開催中
【教育】小中一貫校「いいたて希望の里学園」の特色ある授業
飯舘村には、2020年4月に開校した「飯舘村立いいたて希望の里学園」があります。村内の3つの小学校と1つの中学校が統合された学校であり、特色ある授業を実施しています。
異学年との交流を通して、広い視野や協調性を育めることに加え、村の人たちの協力を得て、農業体験や伝統文化の芸能を行うなど、「ふるさと学習」にも力を入れています。また、少人数制であるため、一人ひとりに寄り添った支援体制が整っています。
飯舘村の子育て環境は、「子どもにいろんなことを経験させたい」「個性を伸ばせるようしっかりと子どもを見てもらいたい」と考えている保護者の方に適しています。
【仕事】村内の仕事は少なめ。新たな産業や新規就農支援に注目
飯舘村の正社員求人を大手求人情報サイトで検索すると、約22件でした。(2024年9月時点)
参考:求人情報の一例(飯舘村のみ)
求人は少なめですが、現在、飯舘村では企業誘致にも力を入れています。近年では世界のトップ選手も使用しているバドミントン用ガット製造の「CRSスポーツ工業株式会社」や、発電・建設業を行う「有限会社佐藤総業」といった、新たな企業も参入しています。
村では産業団地構想もあり、今後数年間で村内での雇用機会は増加することが期待されています。
新規就農希望者必見!「農業研修館きらり」オープン
飯舘村では、2024年7月に新規就農を希望する方に向けた施設「農業研修館きらり」をオープンしました。就農体験を通し、技術だけでなく、経営に関する知識などを習得できる施設として移住者を受け入れます。
農業実習をする学生の受け入れや、今後は長期宿泊など、農業体験プログラムなどを計画していくそう。
飯舘村の農業の発展や、移住促進の拠点として大注目の施設です。
いいたて移住サポートセンター3ど°のwebメディアでは、村内企業の紹介記事も掲載しています。ぜひご覧ください。
公式:3ど° いいたての暮らしをつなぐステーション「はたらく」
【住まい】空き家&空き地バンクあり。マイホーム取得の補助金が充実
飯舘村の物件を大手住宅情報サイトで検索したところ、2024年9月時点ではヒットしませんでした。
参考:物件情報の一例
空き家や空き地については、飯舘村の空き家バンクでご覧になれます。売却・賃貸ともに掲載されているので、移住後の暮らしをイメージしながらお家探しをしてみてください。
新築取得で最大500万円!県が実施の移住定住支援金もあり
県が実施している「福島県12市町村移住支援金」では、世帯での移住で200万円、単身の移住で120万円の支援金が交付されることに加え、子育て世帯への加算も実施しています。
飯舘村での移住定住の支援金も手厚く、住宅を新築した際には、最大で500万円、空き家を購入した際には、最大で200万円を補助、空き家をリフォームした際には最大100万円が補助金として支給されます。
上記2つの支援金対象者や要件についての詳細は、下記URLよりご確認ください。
福島市などの都市部に比べると、土地の価格も抑えられる飯舘村で、補助金をうまく活用してお得にマイホームを手に入れてください。
飯舘村へ移住した人の口コミ
ここでは、実際に飯舘村へ移住した方の口コミをご紹介します。
- 村の人たちに、ゆるぎない飯舘愛がある。
- 農業をしたいと思い移住。都会からの移住でも全く不便さは感じない。
- 車移動が基本なので、都会暮らしよりも買い物が楽になった
- 息を吞むような自然の美しさに惹かれた
- 村の人の支えや、充実した教育サポートがあるので、子どもたちものびのびと育っている
移住者の声から、豊かな自然環境がありつつも、便利でおだやかな暮らしができるという印象を受けました。
村の人の温かさや、安心して子育てできる環境という声も多かったです。
飯舘村の「これから」を紹介している、移住定住パンフレットでも移住者のインタビューが掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。
公式:福島県飯舘村移住定住パンフレット「いいたて これから物語」
移住体験ツアー「いいたてミチシル旅」開催中
▲いいたてミチシル旅のようす
飯舘村では、年に8回、1泊2日の移住体験ツアー「いいたてミチシル旅」を開催しています。飯舘村のデザイン会社が主催しているツアーであるため、資料説明などの堅苦しい内容ではなく、体験と交流をメインとした参加しやすいツアーとなっています。
先輩移住者とお話もできるので、飯舘村の良いところだけでなくリアルなお話も聞けるはず。移住前に村の人と交流を持てることで、移住後も相談できたり、支え合えたりする関係が出来あがるのも利点です。
参加料は無料なので、まずは公式サイトをチェックしてください。
公式:いいたてミチシル旅
飯舘村の移住に関するお問い合わせ
飯舘村への移住については、下記の移住サポートセンターへお問い合わせください。
名称 | いいたて移住サポートセンター3ど° |
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住所 | 〒960-1892 福島県相馬郡飯舘村伊丹沢字伊丹沢580番地1 |
電話番号 | 0244-68-2850 |
公式サイト | https://www.vill.iitate.fukushima.jp/site/iju/ |