Nikon D850 + AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
≪広橋八幡神社のスギ≫の後、この日最後になる巨樹の元へ向かいました。
同じく下市町内にあって車だと20分ほどしか離れていません。
目的の巨樹は道路脇にあるので苦労はしませんが、離合困難な道幅なので対向車が来たら冷や汗ものです。
私は運悪く復路で対向車がやって来て、100mほどバックしなければなりませんでした(汗)。
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吉野の中千本から下市町才谷集落を結ぶ県道257号線(才谷吉野山線)。
その峠の頂上に≪才谷の一本杉≫があります。
わかりやすい場所にあるので、迷うことはまずない筈。
実は4年前、この県道をロードバイクで走っていた時に偶然目にしています。
その時に持っていたコンデジ(PENTAX WG-3 GPS)で当然撮影はしているんですが、写りがアレなもので未掲載でした。
それからずっと、いつか再訪してちゃんとしたカメラで撮ろうと思っていたのです(長いこと時間がかかりましたが:笑)。
当時の印象ですが、暗い峠の中に突然現れた巨体ということもあって、何だかジメジメした感じのスギでした。
いえ、実際に薄暗い場所なんです。
しかし今回は前回ほどのネガティブな印象はなく、落ち着いて撮影に臨むことができました。
このスギ用に作られた物でしょうか。
丁寧な石垣が組まれています。
それとも石垣が先でたまたまそこにスギが植えられたのかもしれませんね。
そばには大きく傾いたモミジがあって葉っぱがキレイ(スギの撮影には大いに邪魔ですが)。
根元部分が一番太く、上にいくにつれ次第に細くなっていくスタイル。
枝の生え方や樹皮の表情から、巨樹の風格が芽生え始めている段階・・・そんな印象を受けました。
スギの前のスペースには、木でできたテーブルとイスが設置されています。
こんな所で誰かが休憩している状況はイメージできませんが、どうなんでしょうね?
そして石碑があります。
〝蓮如上人 御手植之杉〟とあります。
文明7年(1475年)、浄土真宗開立の祖と言われる蓮如上人がこの峠で休憩した際、後の記念にとスギを植えたとあります(ざっくり)。
そうなると樹齢は550年ほど。
素人目にもそれくらいだと思いますし、信憑性は低くないと感じます。
やけに慎重な物言いになってしまう訳ですが、それは仕方ないことなんです。
だってねぇ、この手の誰それさんお手植えの・・・的巨樹はその由来に胡散臭いのが多いですから。
気になるのが、この根元部分にある大きな穴。
覗き込むと裏側から光が漏れていたので貫通した状態です。
急斜面に存在するので余計に心配になります。
今すぐどうということは無いかもしれませんが、長い目で見ると処置すべきなのは間違いないでしょう。
そして前述の石碑の前にもありますが、この穴の中にもワンカップ瓶が納められています。
斜面の上側へと行けそうだったので、そちらからもスギを撮影しようかと思いましたが、登り口にこの看板が。
まさかの松茸案件による入山禁止。
訪れたのが丁度この期間内だったので、もちろんすぐさま諦めました。
恒例の自分比較です。
≪才谷の一本杉≫
奈良県吉野郡下市町才谷峠
奈良県指定保護樹木
幹周/8m、樹高/22m、樹齢/推定550年
計測場所や方法によって誤差が生じやすそうな立地なので、実際のイメージで言うと幹周はもっと細いかなぁと。
ですが峠のピークにある巨樹だなんてちょっと良いんじゃありません?
吉野からも近いのできっと昔から人の往来があった場所で目印にもなったでしょうし、休憩するにもピッタリだったと思います。
まぁ勝手な想像ですが、個人的にはそういうの好きですよ(笑)。
テーマ:花・植物 - ジャンル:写真
- 2020/12/20(日) 20:18:18|
- 巨樹の記録
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| コメント:4
今年の巨樹に関しては満足してしまった感もあってぼけーっと呆けていたところに
強烈なパンチをもらった気分です。これは冒険心が掻き立てられますねえ。
対向車来るなよ!来るなよ!と願いながら薄暗い狭路を進むと巨杉が。これは想像する
だけでも興奮してきます。いえ、本当に対向車には来てほしくありませんが 笑
わざわざ一本だけ植樹されていることからも、仰るように休憩ポイントだったのでしょうね。
しかしまさかの松茸山でしたか…吉野エリアを回る際にはと思いましたが、他県ナンバーが
車を停めてウロウロしているだけであらぬ誤解を受けてしまいそうです。
私が行くなら絶対に松茸シーズンだけは避けておいた方がよさそうですね。
- 2020/12/21(月) 08:38:18 |
- URL |
- to-fu #-
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> to-fuさん
こういう道は過去の経験上も大抵の場合は対向車に遭遇することなど無いものですが、
この道に関しては割と交通量があるようです。
撮影中も何台も行き来していましたからね。
吉野へと至る道なので、古来から人の往来があったものと思われます。
道中の目印として、また休憩地として貴重な場所だったと想像するのも面白いです。
これだけ全国的に気が緩んでしまった現在では、他府県ナンバーにそこまで注目されないのかなぁと思わなくもないですが、
松茸シーズンは県内の人間ですら近付かない方が良いと思いましたよ(笑)。
- 2020/12/21(月) 20:06:26 |
- URL |
- RYO-JI #-
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プチお久しぶりです。寒いのもあって引きこもり&省エネで生きています。
車で通ってものしかかられそうな迫力を感じる杉ですね。
夜にこんなところを通りたくないし……通って出くわしたらゾゾっとしそうです。
足場が悪いところに立つ姿は、個人的には、かの室生寺の参道を固める杉たちを思い出しました。測り方が難しいタイプですね。
松茸山……そう書かれたら余計入って行ってしまう連中がいるんじゃないですかね?
どちらにせよ、オンシーズンはなかなか物騒そうです。
- 2020/12/28(月) 15:13:58 |
- URL |
- 狛 #OP.fI0wQ
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> 狛さん
プチご無沙汰しております(笑)。
私も気温の低下と共に引きこもり生活時間が長くなってきました。
夜はそりゃもう真っ暗闇、車でも絶対に通りたくないですね。
このスギの存在を知らないで通りかかったら、間違いなく心臓を悪くしそうです(汗)。
室生寺参道のスギたち、あそこのも急斜面で真っ直ぐ立っているのが不思議なくらいでしたね。
このスギも大雨の土砂崩れで倒壊してしまいそうな立地なのでちょっと心配です。
幹周の測定は難しいですね。
わざわざ注意喚起の看板を出すってことは、間違いなく良からぬ輩が出没するのでしょう。
オンシーズンは近付くべき場所ではなく、今から思うと危なかったかもしれません。
- 2020/12/28(月) 20:31:38 |
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- RYO-JI #-
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