ポット苗を活用した森の再生 – IGES国際生態学センター

ポット苗を活用した森の再生

IGES-国際生態学センターは、森づくりに取り組んでいます。森づくりをする場所の気温や土壌などの環境条件に適する広葉樹の小さな苗(ポット苗)を植えて森を再生します。ここでは、森づくりに使うポット苗、そして森づくりの方法や森が大きくなった時の働きについて紹介します。

黒いビニールポットの中は、元気の良い根がいっぱい。

ポット苗とは?

  • ドングリなどタネから発芽した後に、黒いビニールポットに移して2~3年育てられた高さ30~50cm位の苗。

  • ポットの中に細かい根がたくさん育っているので、大きな木を植えるよりも枯れる木が少なくて生長も早い。

ポット苗の作り方

  1. ドングリをひろう。 1~2日間水につけてしずんだドングリをまく。

  2. 箱にまいたあと、ちょうど隠れるくらいに土をかぶせる。

  3. 落ち葉や草などで乾燥しないようにして水をまく。

  4. 葉っぱが2~4枚になったら1本ずつポットへ植えかえる。

  5. 風通しの良い半日陰で、水をやりながら育てる。

  6. 3年で高さ30~50cmのポット苗ができる。

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森を再生する方法

自然の森には、大きくなる木や小さな木、草やシダなど沢山の種類の植物が生きています。
森の中では、毎年たくさんのドングリやタネが落ちて、たくさん芽が出ます。そして競争しながらともに生きています。

自然の森をお手本にして、多くの種類のポット苗を同じ種類ばかり集まらないようにまっすぐには植えずにバラバラに植えていきます。

稲わらや乾燥した草などで土をおおいます。
雑草が生えにくくなったり、土が乾燥するのを防いだりします。

1m×1mに3本くらい植えます。
お互いに競争しながら強い森へと生長します。

国内事例

横浜国立大学 (1983年植樹)
横浜国立大学 植樹(左写真)から約30年後
神奈川県宮ヶ瀬ダム
ダム用コンクリートの材料となる岩をとった山にポット苗を植えました。
約15年後には森がよみがえりました。
東日本大震災で破壊された海岸林の再生にもポット苗が活用されています。

世界に広がる森づくり

日本は国土の67.7%が森林におおわれています。しかし、人間の手が入っていない森はとても少ないです。

世界に目を向けると、森は陸地の約30%となっています(FAO,2006)。

ポット苗による森づくりは、日本国内だけでなく世界の多くの国(マレーシア、ブラジル、ケニア、カンボジア、ラオス、アメリカ、インド、オーストラリアなど)で進めています。

カンボジア王国
ケニア共和国

森のはたらき

たくさんの生き物のすみかになります。川や海の水をきれいにします。日陰をつくって街の気温を下げます。
強い風や騒音、ほこりをさえぎります。山くずれや火事、津波などの災害を防止します。

健康な森があることによって

  • 小さな生き物をエサとする生き物も増えてきます。

  • 多くの生き物が共に生きる豊かな自然になります。

  • きれいで栄養分のある水が川へ流れ、海へとつながっていきます。

  • 潮を含んだ強い風を防ぎます。

  • ネットのように根が広がって砂や土が流れるのを防ぎます。

  • 炎をさえぎって、火事が広がることを防ぎます。避難場所の安全性を高めます。

  • 葉っぱや花の蜜、実を食べる昆虫や鳥が増えます。

  • 色々な木や草、花を見ることができます。