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最新システムメモリのDDR5メモリでMicron純正メモリモジュールを採用、全高がほぼそのままのロープロファイルなアルミニウム製ヒートシンク搭載で小型PCにも最適なCrucial DDR5 Pro UDIMMシリーズから、JEDEC準拠のメモリ電圧1.100Vでネイティブ6000MHzに対応する24GB×2枚組み 48GB容量メモリキット「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」をレビューします。
Intel Core CPU(第13/14世代)やAMD Ryzen 7000シリーズCPUの最新環境でJEDEC準拠のメモリ周波数6000MHzが正常に動作するのか、徹底検証していきます。
製品公式ページ:https://www.crucial.jp/memory/ddr5/cp2k24g60c48u5
レビュー目次
1.Crucial DDR5 Proの外観
2.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
3.Crucial DDR5 Pro CP2K24G60C48U5を試す
4.Crucial DDR5 Pro CP2K24G60C48U5のレビューまとめ
---【注意】--------------------------
メモリOCで有名なXMPプロファイルは「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル」の略称でありIntelの策定した規格なので、AMD Ryzen環境において”XMPでOCする”等の表現をするのは厳密には正しくありません。
ちなみに2022年後半にはXMPのRyzen版である『AMD EXPO Technology』がRyzen 7000シリーズCPUと同時に登場し、各社からEXPO対応メモリが発売されています。
XMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD Ryzen環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、ASUS D.O.C.PやMSI A-XMPなどが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されています。
実質同じようにOCできるので、AMD製CPU環境においてもXMPプロファイルを流用したメモリOCを当記事中では便宜上細かいことを気にせずに”XMPを使用したOC”などXMPとして表記することがあります。
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【機材協力:Crucial/Micron】
Crucial DDR5 Proの外観
まず最初に「Crucial DDR5 Pro」の外観をチェックしていきます。「Crucial DDR5 Pro」はプラスチック製スペーサーが厚紙で挟んで接着されているという梱包です。プラスチック製スペーサーを取り出すには厚紙部分をカットする必要があり、非破壊では開封できません。
今回レビュー用に入手した「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」は24GB容量のメモリモジュール 2枚組み、Intel XMP3.0やAMD EXPOによる6000MHz OCにも対応するメモリキットです。
「Crucial DDR5 Pro」は、光沢のないマットなブラックカラーの塗装が施されたアルミニウム製ヒートシンクを標準で搭載したメモリです。ヒートシンクで大半は隠れていますが、メモリモジュールは黒色のPCB基板で、その片面にMicron純正メモリチップが計8枚実装されています。
「Crucial DDR5 Pro」は全高が素のDDR5メモリとほぼ同じなロープロファイルのヒートシンクを搭載しています。ヒートシンクはシンプルにアルミニウム板を加工しただけの設計です。
1枚当たり24GB容量のDDR5メモリモジュールを初めて触りましたが、メモリチップは片面実装で1Rankのメモリのようです。
「Crucial DDR5 Pro」のヒートシンク天面中央にはCrucial DDR5 Proのブランドロゴが描かれています。
「Crucial DDR5 Pro」はヒートシンク搭載ながら、全高34mmのロープロファイル設計となっており、大型空冷CPUクーラーとも高い互換性があります。
ヒートシンクなしのDDR5メモリと比べると「Crucial DDR5 Pro」の全高は約+0.6mmでした。ほぼアルミニウム製ヒートシンクの板厚み分だけです。
「Crucial DDR5 Pro」を実際にマザーボードメモリスロットに装着するとこんな感じになります。マットな黒色塗装のアルミニウム製ヒートシンク搭載なので、近年の黒一色なハイエンドゲーミングマザーボードとも調和します。
メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」の定格動作やXMP/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」の検証を行う環境としては、Core i9 13900K&Z790マザーボードやRyzen 9 7950X&X670Eマザーボードで構成される検証機を用意しました。
テストベンチ機の構成 | ||
CPU |
Intel Core i9 13900K (レビュー) |
AMD Ryzen 9 7950X (レビュー) |
M/B | ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO (レビュー) |
ASUS ROG CROSSHAIR X670E HERO (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
Corsair H150i PRO RGB (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
グラフィックボード |
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 (レビュー) MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー) | |
OS | Windows 11 Home 64bit | |
電源ユニット |
Corsair HX1500i 2022 (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 990 PRO 1TB」を使用しています。
Samsung SSD 990 PROは、PCIE4.0対応SSDで最速クラスの性能を発揮し、なおかつ電力効率は前モデル980 PRO比で最大50%も向上しており、7GB/s超の高速アクセスでも低発熱なところも魅力な高性能SSDです。
これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
・「Samsung SSD 990 PRO 1TB」をレビュー。性能も電力効率もトップクラス!
システムメモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがAMD Ryzen CPU登場以前は通説でした。
そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。
Intel XMPに対応したOCメモリがあるとはいえ、当時はいまいち安定性が良くないというか、マザーボードとの相性問題が厳しかったのも一因です。今のようにOCプロファイルを当てて一発安定ではなく、各自でOC設定の微調整が必要で、メモリOCの知識を求められました。
その評価が変わり始めたのはAMD Ryzen/Threadripper CPUの登場以降です。
初期のRyzen環境では『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することからOCメモリが重要視されました。
性能に影響が大きいと分かるとCPU/マザーボード/メモリの各メーカーが最適化を進めたので、1,2年もするとOCプロファイルを当てればDDR4の3200MHz/C16、3600MHz/C18のような定番設定が一発で動くようになり、メモリOCのハードルがグンと下がりました。
Ryzen 3000/5000シリーズ以降、IF周波数はメモリ周波数/メモコン周波数と非同期設定が可能になったものの、それでも高周波数で1:1同期させた方が低遅延、高性能になるので3600MHz/C16のようなDDR4メモリがスイートスポットとしてAMD公式からもアピールされました。
またIntel環境においても144FPS~360FPSのハイフレームレートなPCゲーミングではCPUボトルネックの緩和にメモリ周波数のOCが効いてきます。
OCメモリの選び方や具体的なオーバークロックの設定方法については、こちらの記事を参考にしてください。
・【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解説
Crucial DDR5 Pro CP2K24G60C48U5を試す
「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」をIntel第13世代Core&Z790マザーボードやAMD Ryzen 7000&X670Eマザーボードの検証機材にセットアップして動作検証を行っていきます。定格電圧1.100Vでメモリ周波数6000MHz/メモリタイミングCL48に対応する24GB容量のメモリモジュール「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」については、CrucialがMicronのコンシューマー向けブランドなので当然ですが、Micron製DDR5メモリモジュールが採用されています。
(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)
「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」にはJEDEC準拠でメモリ周波数6000MHz/メモリタイミングCL48に対応するDDR5メモリですが、上記スペックのSPDプロファイルだけでなく、Intel XMP3.0とAMD EXPOに対応したOCプロファイルが両方とも収録されています。
定格1.100Vで6000MHzに対応するJEDECに準拠な仕様が魅力の製品ではあるのですが、CPU&MB側の定格メモリ周波数が4800MHzや5200MHzなど6000MHzよりも低い場合、6000MHzのメモリ設定が適用されないことがあります。あと4枚組みにした時も。
マザーボードBIOSの自動設定やメモリ枚数による制限でメモリ速度が低速になる場合でも、JEDEC準拠の6000MHzや5600MHzと同じものをユーザーが簡単に適用できるよう、XMP/EXPOプロファイルが収録されているところも「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」の地味な魅力です。
前置きはこの辺りにして「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」の動作検証を進めていきます。
まずはIntelのメインストリーム向けCPUである第13世代Core-Sの24コア32スレッドモデルCore i9 13900KとZ790マザーボードの環境で「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」の動作を確認してみました。Intel Z790マザーボードにはASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROを使用しています。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの環境(BIOS:1402)において、「Crucial DDR5 Pro CP2K24G60C48U5」を使用すると、設定なしでもJEDEC準拠のメモリ周波数6000MHz/CL48で動作しました。
Intel第13/14世代CPU環境において1Rankメモリ2枚を使用した場合の定格メモリ周波数は5600MHzなので、XMPを適用する必要があると思ったのですが意外です。メモリにOCプロファイルだけでなく、SPDプロファイルとしても6000MHzが収録されているからか、それかマザーボード特有の動作(バグ?)かもしれませんが。
上記の通り、用意したIntel製CPUの検証環境では自動的に6000MHz動作になるという予想外はあったものの、Core i9 13900KとASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの環境(BIOS:1402)では特に設定を行わずとも、24GB×2枚組み48GB容量の「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」は、そのまま6000MHz/CL48で起動し、安定動作を確認できました。メモリ電圧も1.100VでちゃんとJEDEC準拠の動作です。
ちなみに「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」は定格メモリ電圧の1.100Vでメモリ周波数6000MHzが動作しますが、一般的なOC DDR5メモリのメモリ電圧である1.350Vに手動設定で昇圧するとどうなるか試してみました。
同じようにメモリストレステストを実行して終盤の温度をサーモグラフィーで確認したところ、定格電圧の1.100Vではヒートシンク外装温度は60度以下に収まっていますが、メモリ電圧1.350Vでは70度を超え、+10度以上も温度が上がりました。
続いてAMDのメインストリーム向けCPUであるRyzen 7000シリーズの16コア32スレッドモデルRyzen 9 7950XとX670Eマザーボードの環境で「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」の動作を確認してみました。AMD X670EマザーボードにはASUS ROG CROSSHAIR X670E HEROを使用しています。
Intel環境では予想外もありましたが、AMD Ryzen 7000シリーズCPUの定格メモリ周波数は1Rankメモリ×2枚で5200MHzということもあって、ASUS ROG CROSSHAIR X670E HEROの環境(BIOS:1709)ではCPUの仕様通り、単純に「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」を装着してシステムを起動するだけだとメモリ周波数は5200MHzになりました。
こういった時に「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」に収録されているXMP/EXPOのOCプロファイルが役に立ちます。
CPUやマザーボードの仕様によりメモリに収録された最速のJEDECプロファイルが適用されない場合も、「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」ならOCプロファイルの適用で簡単にメモリ速度を上げることができます。
AMD Ryzen 7000シリーズCPUは公式に6000MHz/C30のOCメモリがベストパフォーマンスを発揮できるとアピールされているようにメモリOCにも対応しているので、「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」のOCプロファイルでJEDEC準拠のメモリ周波数6000MHz/CL48を試してみます。
ASUS ROG CROSSHAIR X670E HEROの環境(BIOS:1709)では、「Crucial DDR5 Pro CP2K24G60C48U5」のOCプロファイルを適用するだけで24GB×2枚組み48GB容量で6000MHz/CL48のメモリOCが安定動作しました。メモリ電圧も1.100VでちゃんとJEDEC準拠の動作です。
OCプロファイルの適用のみですが、メモリコントローラー周波数(UCLK)は1:1同期で3000MHz、Infinity Fabric周波数(FCLK)も2000MHzで実用性能的にベストな動作です。CPU SOC電圧は自動設定だと1.250V程度だったので、手動設定で1.100~1.200Vくらいまで下げてもいいかもしれませんが。
なお、今回は大丈夫でしたが、AMD Ryzen 7000&AM5マザーボード環境では、VDDG IODの設定値が原因でメモリOCが安定しないことがあります。
VDDG IODはCPU/MB/メモリで相性があるのか環境によって最適値が変わる?ようなので、上手くいかない場合は900~1200mVの範囲内で50mV刻みで試してみてください。
Crucial Pro CP2K24G60C48U5のレビューまとめ
最後に「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- マットな黒色塗装でシンプルなヒートシンク付き、黒色基板のDDR5メモリ
- ヒートシンク付きながら+0.6mmのロープロファイル
大型空冷CPUクーラーとも互換性が高い - 一般的なDDR5メモリより少し大容量な1枚当たり24GBのメモリモジュール
- JEDEC準拠の6000MHz/1.100V動作なSPDプロファイルを収録
- JEDECと同じスペックのIntel XMP3.0とAMD EXPOのOCプロファイルを収録
- Intel第13世代CPU環境で6000MHz/1.100Vが正常動作
- AMD Ryzen 7000 CPU環境で6000MHz/1.100Vが正常動作
- 24GB×2枚組み48GB容量のDDR5メモリで税込み2.7万円ほどと安価
- ヒートシンクは定格動作では必要十分だが、昇圧OCには物足りない
「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」はJEDEC準拠のメモリ周波数6000MHz、メモリ電圧1.100VのSPDプロファイルを収録しており、Intel第13世代CPUの検証環境では装着するだけでその設定が動作し、AMD Ryzen 7000環境では自動設定のままだとメモリ周波数が5200MHzになってしまうものの、AMD EXPOのOCプロファイル適用だけで同じく6000MHz/1.100Vが安定動作しました。
Crucial DDR5 Pro UDIMMシリーズは次世代CPUを見据えた6000MHzだけでなく、5600MHzや5200MHzのJEDEC準拠なSPDプロファイルを収録し、Intel第13世代CPUやAMD Ryzen 7000シリーズCPUの定格メモリ周波数に対応したスペックの製品が展開されており、安定性重視で定格運用したい自作erに最適な製品です。
Crucial DDR5 Proシリーズは、メモリモジュール自体は同社通常モデルと同じく信頼性の高いMicron純正品を採用のまま、CPUクーラーなど他の部品との互換性を損なわないロープロファイルなヒートシンクを搭載しています。
定格メモリ電圧の1.100Vならメモリヒートシンクは必須ではありませんが、気持ち的に何となく座りが悪いとか、見た目的にヒートシンク搭載が良い、という人もいると思います。他にも信頼性の高い定格メモリが良いけど、同時にヒートシンクも欲しいとか。そういう層に刺さる製品だと思います。
基本的にはJEDEC準拠のSPDプロファイルで定格動作させることが前提なメモリ製品ですが、JEDECと同等スペックでIntel XMP3.0やAMD EXPOのOCプロファイルも収録しています。
マザーボードとの相性が悪い、CPU仕様として枚数でメモリ速度が下がる、といった理由で6000MHzや5600MHzでそのまま動作しない場合も、比較的簡単にメモリ速度を上げることができるところも地味な魅力です。
以上、「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」のレビューでした。
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全高がほぼそのままのロープロなヒートシンク搭載、JEDEC準拠のメモリ電圧1.100Vでネイティブ6000MHzに対応する24GB×2枚組みDDR5メモリキット「Crucial Pro CP2K24G60C48U5」をレビューhttps://t.co/fl1cdrPedK
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) November 15, 2023
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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