マッターホルンを間近に [アルプスの旅2024]
7月5日 マッターホルンを間近に見たくてツェルマットに向かいました。
この日も天気予報ではなので、マッターホルンハイクに出かけることにしました。
フィスプとテッシュの鉄道(MGB)区間は6月下旬の洪水で運行が停止、バス輸送に振り替えとなっていました。
フィスプ駅でツェルマットまで1/2カードで往復切符(2名分CHF76-)を購入し、南口バスターミナルからMGBがチャーターした大型バスに乗りテッシュに向かいます。途中途中、崩壊した道路の復旧工事で片側一車線通行になっています。道路よりも河川近くに設置されている線路は被害甚大と察せられます。この記事をアップした8月22日の時点でもSBBアプリをみると不通で、バスによる代替輸送が継続されています。もう2か月近くになりますがまだ復旧していないことからかなり深刻な被害のようです。
テッシュ駅でMGB(マッターホルン・ゴッタルド鉄道)に乗り換えてツェルマットに向かいます。テッシュ~ツェルマットの区間だけは運行しています。
駅前からマッターホルン・エクスプレス(ゴンドラ)駅に向かいます。
マッターフィスパ川沿いにでると青空に差すようなマッターホルンが姿を現しました。河川沿いでは洪水による被害で工事しているところが何カ所かありました。
ゴンドラ駅窓口でヘルンリ小屋への登山道について聞いてみたら、ルート上部は残雪でクローズ。自己責任となりますとのこと。やはり、数日前に確認した情報通りであった。1/2トラベルパスを提示してシュヴァルツゼーまでの往復切符を購入しました。正規運賃は往復で一人@CHF61-ですが1/2になります。
普段なら多連式ゴンドラで行けるはずですが、メンテナンス中でフーリ駅までロープウエイで上がりました。(左がロープウエイの架線、右が休止中のゴンドラ架線)
フーリで多連式ゴンドラに乗り換えてシュヴァルツゼーに向かいます。
シュヴァルツゼー到着は9時半前、帰路のゴンドラ最終時刻(16時半)を確認して、ヘルンリ小屋に向かいます。
*2022年7月7日に撮影
2年前の同時期にツェルマットに滞在しましたが、マッターホルンの東壁や周辺を見ると今年はからなり残雪が多いようです。それでも標識や掲示板には通行止めⓧの表示もないし、ハイカーがヒルリ方面に向かっているのを確認しました。
ピークハンティングではないから、行けるとことまで行ってみようといことでヘルンリ稜ルートに向かいました。シュヴァルツゼーからヒルリHirli経由で往復のコースタイムは約5時間ですが、6時間くらいはかかりそうです。ゼーからヒルリヘはジグザグの急登、沿道にはアルプスの花々が咲いていますがまず上ること。
ヒルリ下からのマッターホルン。三角錐で尖った山はカッコいいです。左(南)へ下ればトロッケナーシュテークへのトレッキングコースもあります。頂上から下る中央のリッジ(稜線)がヘルンリ稜(Grat、尾根)。急峻な部分の下にあるのがヘルンリ小屋、山頂を目指すクライマーの拠点です。
ここから右手のヘルンリ稜に向かいます。ゼーからは赤線表示の一般ルートですが、ここからは青線表示の上級者コースとなります。
ヘルンリ稜(尾根)の南側は崖の絶壁。最初は南側から取付くルートですが、断崖の壁に架けられた鉄格子(右側)の歩道を上がっていきます。鉄格子の歩道が終わり手摺が途絶えたところがちょっと怖いですが、右へジグザグに巻いてリッジを越えます。
尾根の北側は緩斜面になった上りですが、残雪で覆われています。アイゼンは日本から持ってこなかったし、ここは登山靴でも歩けます。
マッターホルンがぐっと正面に迫ってきます。ここから見上げるマッターホルンはド迫力。
Zmattから合流する地点、標高は2,931M です。
緩斜面の上りから岩稜帯の登りに入ります。
右を巻いて行きます。だんだん険しくなりますが、ロープや補助金具が取り付けられてあります。北面で日が当たらない残雪部は固くなってるので足もとに注意しながら上ります。ドームのような岩稜部の上りは難度もアップ。
ジグザグ部分の上りが分かりにくい、ともかく足の置き場所に気を付けながら登ります。ドームの上部で標高も3千メートルくらい、右にトラバースする地点で行き詰りました。道はあるんですが、残雪で固い雪。鉄製の手摺が左手の壁に設置されているんですが、手摺の先が雪の中に埋まってホールドするところはどこもない。滑落すればアウトという恐怖感もあり、ここを突破するのは無理と判断。この地点で引き返すことにしました。
アプリの地図には途中のヒルリまで一般ルート(赤)、それより先は上級者ルート(青)と表示されています。我々が行き詰った地点は青線上のⓧです。小屋まで水平距離であと5百メーターくらい、あともう少しですが下から見た景色とは異なったマッターホルンの世界に触れることが出来ました、ここまで来れただけでもよし。ともかく安全第一、ドーム下まで慎重に下ります。
下から眺めながら、我々よりも先行した登山者やハイカーはどこを登ったんだろう? 我々の登った時間帯にはピッケルやロープ、アイゼンを携行した登山者は見かけませんでした。軽登山靴をはいた方もいました。足元を気にしていた我々がマーカーを見落としたのだろう。手摺があったとはいえ、雪に埋まって通れる道ではなかった。右に行かず左に巻いて尾根に上がる道があったんだろうと思いました。
下から登って来る登山者のあとをフォローして、再登することも思い浮かびましたが、安全第一。日帰りでゴンドラの最終時間もある、帰路のバスの待ち時間もある、マージンを削ってまで再登する気にはなりませんでした。
ヘルンリ稜のハイクは7月中旬からとされていますが、我々が登ったのは上旬、しかも例年以上に残雪が多い。タイミングと不注意、悪条件が重なったんでしょう。日本に戻ってから、GPSログをグーグルアースにインポートして辿ったあとを見てみました。(上が南方向小屋が右側、もうひとつ上の地図とは方向が逆)GPSの誤差もあり明確ではありませんがクローズアップして、大よその地点は確認できました。Youtubeでほぼ全行程がアップされたヘルンリ小屋ハイクの動画を見てみました。やはり途中で左手に進むべき道を見落とし、右の通行不能な道に入ってしまったようです。左手へ向かい右手に折り返して登れば大きな鉄梯子があり、そこから30~40分で尾根の稜線部を辿れば小屋に着くことがわかりました。マーカーの見落としです。この動画を見ていれば・・と思いましたが、こんなこともありますね。(笑)
ゆっくりとヘルンリ稜を下ります。
時間も正午近くなので、ヘルンリ稜の末端 ヒルリの近くでランチ休憩しました。登り切れなかった悔いもあるが、素晴らしい展望に心が和んで弛みます。
モンテローザ、リスカム、ブライトホルン、クライネマッターホルンと続くペンネアルプス、スイス・イタリー国境の峰々。
ダンブランシュ4,357M、北側から見る山容はマッターホルンに似て間違えられますが、どっしりした名峰。
オーバーゲーベルホルン4,063M
ジナルホルン4,221Mとウンターゲーベルホルン(右)、どちらも尖がってます。
ミシャベルアルプスの峰々。前日ザースフェーでみたドム テッシュホルン アルフーベル アラリンホルン、さらに リンプフィッシュホルン、ストラールホルン と超弩級の4千メートル峰が並んでいます。
休憩地点から少し下った地点からのマッターホルン。午後になるとすこしづつ雲が出てきます
右の山はモンテローザ、リスカムとの谷を下るゴルナー氷河。左はミシャベルアルプスとの間にあるフィンデル氷河。モンテローザはいくつかのピークの総称、最高峰はDufourspitze4,633Mです。
オーバーロートホルン、西側斜面には残雪が残っています。2年前に登った時は雪がほとんどなかった。
ヒルリからのヘルンリ稜は岩礫ですが、ヒルリ下からシュヴァルツゼーまではいろんなアルプスの花々が楽しめました。(花の名前は追って追記したいと思います。)
シュヴァルツゼーのまわりに多く咲いていました。チャポリンドウという名前のようです。
シュヴァルツゼー。後景はオーバーゲーベルホルンとアーベン氷河。
街の教会と博物館はツェルマットでのランドマークのひとつ。
マッターフィスパ川の橋は洪水による損壊で通行不可。
金曜日午後ですが、比較的人出は少ない感じです。夕刻になれば混雑するでしょう。
ツェルマット駅前モンベルのツェルマット店、日本と比べると超高い!!! まだ時間があったので、フィスプのコープに置いていない食材を買いました。
電車でテッシュへ戻ります。タイミングよく、テッシュからは待機していたバスに乗ることができました。直ぐに満車となり、もう1台臨時便が用意されていました。運転手が乗車券の検札に、朝購入した往復切符を提示。なかにはスマホでオンライン購入チケットを提示する方を多く見かけます。WiFi接続がないのでオンラインチケットが提示できないともめている客もいました。オンライン購入したら、モバイルネットワークで提示できるようにしておかないとマズイですね。オフラインの場合、少なくともスクリーンショットして購入データを提示すべし。スマホ依存の世の中、バックアップも必要ですし、E-Ticket航空券、オンライン宿泊予約は印刷して持参した方が賢明ですね。簡便さには危うさとリスクあり。
帰路のバスはフィスプまでノンストップの直行便ですが、それでも50分ほどかかりました。
ツェルマットは今回が3度目ですが、マッターホルンの見納めでしょう。小屋まで行けなかった無念さが残りますが、素晴らしい風景のなかに浸ることが出来たことに感謝!
素晴らしい景色と高山植物、フーリで乗り換えてシュバルツゼーまで行かれて、そこから登山だったんですね~^^。我々はフーリからグレッシャーパラダイスの方に行きましたが、同じ金曜日でしたね。この日は最高の天気でラッキーでしたね♪。間近かに見るマッターホルンは迫力ありますね~。高山植物もとても綺麗ですね~(^^♪。
by drumusuko (2024-08-23 14:54)
こんにちは^^
ヒルリ下りからのマッターホルン、奥様が写っているお写真、素晴らしいですね♪
額に入れて飾りたいです^^
モンテローザとゴルナー氷河も素敵です!
暫くの間、眺めさせて頂きました。
高山植物も生き生きと美しく咲いていますね。
特にブルーのお花に惹かれます。
by いろは (2024-08-23 17:06)
マッターホルンを間近に見ながらのトレッキング、素晴らしいですね。
ヨーロッパも場所によって、大雨が降っているようですね。
by テリー (2024-08-23 18:05)
マッターホルンはこの4面体=正しく神の山ですね~ 出来ることなら墓誌に刻みたいけど余りにも崇高すぎます⇒槍の遠望で分相応化も。
最後のチューリップのような形で群生する青い花、良い雰囲気ですね~祈!
by OJJ (2024-08-23 21:29)
マッターホルンは動物の爪のように見えます。
写真でしか見たことがないですが、このような写真は初めてです。
by 斗夢 (2024-08-23 21:31)
ずっと晴れていたのですね!まじかに迫ってすぐ先のように見えますが、実際は大変でしょうね!
by hide-m (2024-08-23 22:59)
マッターホルンは、どこから見ても姿が美しいですね!
日本でいえば、富士山のようです。
アルプスを代表する山です。
by ファルコ84 (2024-08-24 16:41)
ツエルマットからのマッターホルンが見えますね
妻と町を巡りながら見た夕景を思い出します
by koh925 (2024-08-24 16:59)
マッターホルンを見ながらのトレッキングの素晴らしさに感動です。
私も健康なときに行きたかったけど、今となってはかなわぬ夢です。
by 風の友 (2024-08-24 17:08)
三角錐のマッターホルンは素晴らしい眺めですね。
あのヘルンリ稜を登られたのですね。凄いです。
途中から先に進めなくなりましたか。小屋までもう少しだったのに、分岐点を見落としたのは残念でしたね。
でも安全第一で引き返されたのは賢明だったと思います。
白銀の山々を眺めながらの下山も迫力満点です。
今年は残雪が多いのですか。世界的に暖冬と思っていましたが気候は場所によって変わりますね。
by tochimochi (2024-08-24 17:24)
見事な景観ですね。
そうですか
代替バスが当分続きそうなのですね。
確かに、スマホに依存ばかりしていると
痛い目にあいそうですね。
by 八犬伝 (2024-08-24 20:37)
ド迫力のマッターホルンを眺め、アルプスの花々を楽しみながらのトレッキングは素晴らしいですね!
by まさ (2024-08-25 11:16)
drumusuko さん、 この日は天気予報で晴れなので、シュヴァルツゼーからヘルンリ稜を歩いてみました。間近のマッターホルンと天空間を感じさせる歩きが出来ました。クライネマッターホルンへの空中散歩を存分に楽しまれたと察します。同じ日だったんですね。!(^^)!
いろは さん、 ヒルリでの写真、気に入って戴いて幸いです。人物は異国の男性です、消しゴムで消そうかと思いましたが、風景のスケールが分かるのでそのままにしました。(笑)
息をのむような絶景や高山植物が頑張って登らなくとも楽しめる、スイスにハマってしまう訳です。
シュヴァルツゼーあたりでも、高齢の方を見かけます。こんなインフラが日本にあればと・・4
テリー さん、 途中から登山道のレベルが上がりますが、日本アルプスを歩かれた方なら登れるトレッキングコースです。標識を見落とさなければ(笑)
ヨーロッパも気候変動の影響が及んでいるようです。温暖化なので残雪が例年より多いとは予想もしませんでした。
OJJ さん、 スイス側から見ると端正ですが、イタリア側からは大魔神のイメージです。日本のマッターホルンは槍ヶ岳ですから、同じです。(笑)
群生する青い花、名前思い出せない///;;;
斗夢 さん、 近くで見るとちょっと迫るようなイメージです。遠くから見ても楽しめ山ですね。
遠景から見るイメージとは異なるかもしれませんね。
by Jetstream (2024-08-25 21:33)
hide-m さん、 お陰様で晴れの日に歩けました。小屋から上はクライマーの世界です。ゴンドラ駅からは3時間はかかります。超難関ではないですが、楽ではないですね。
ファルコ84 さん、 なるほど、どこから見ても視認出来るという点では富士山のようですね。
どちらも容姿が素晴らしいです。日本アルプスでは槍ヶ岳かもしれませんね。
koh925 さん、 マッターホルンの夕景、奥様とのいい想い出になりましたね。
ツェルマットの日本人橋は、もともと命名されていたのではなく、マッターホルンを眺める日本人が多い橋、それを見て命名したようです。余談ですが。
風の友 さん、 間近で見るマッターホルンを見るトレッキング、どんどんスケール大きくなる様に感動しました。歳月と反比例する健康度、ひしひしと感じる私、せめて楽しいことは先送りしないようにしたいですね。
by Jetstream (2024-08-25 21:35)
tochimochi さん、 小屋から上はガイドが必要なクライマーの世界ですが、そこまでならいけます、標識を見落とさなければ。(笑) ケアレスミスなので残念ですが、おっっしゃる通り安全第一の登山。弛んだ雪上ハイクは楽しいですが、今年は残雪が多いとは意外で、誤算でした。温暖化で気候が逆転したり、極端化することもあり災害が多発する懸念がありますね。
八犬伝 さん、 圧倒的なスケールの眺めは絶景です。6月の洪水での被害がまだ及んでいるようです。鉄道はいつ回復するんでしょうかね、もう2か月ですがまだバス輸送です。
最近の若い方はスマホで交通機関を利用、支払いもスマホというのが多いようです。端末の故障、通信障害などで困ることはないのでしょうかね?
まさ さん、 アルプスの絶景と花々を楽しむことが出来て良かったです。限りある機会に感謝です。
by Jetstream (2024-08-25 21:35)
間近で見るマッターホルン迫力がありますね。
一度飛行機の窓から、マッターホルンらしき山を見たことがありますが
実際に見てみたいいものです。行くなら7月の上旬ですね。
お花がとっても綺麗で散策が楽しそうです。
by kuwachan (2024-08-25 23:16)
kuwachan さん、Hirliまではハイキングルートです、そこまででもマッターホルンはぐっと迫ります。この上空は飛行ルートなので、タイミングよければ見れかもしれませんね。ツェルマットは電車、ゴンドラ、ケーブルカーで3千Mまで、登らなくとも超絶景が見れますよ。アルプスの山を楽しむなら7月上旬と思います、比較的も安定。中旬~になると観光客がどっと増え乗り物やレストランが混雑するでしょう。
by Jetstream (2024-08-26 09:36)
こんな近くでマッターホルンを見れるとは知りませんでした。
圧巻でしょうね・・・ますます行きたい気持ちになりました。
by imarin (2024-08-26 11:36)
imarin さん、遠くから眺めても素晴らしいですが、ヘルンリ稜が一番近くみれるポイントです。スネガ、ゴルナグラートからの眺めもいいですよ。!(^^)! 山小屋もあります。
by Jetstream (2024-08-26 22:22)
マッターホルンはとてもいえない位昔に行きました(笑)!コロナ禍によるキャンセルさえなければ再訪出来てたんですけどね…
by トモミ (2024-08-27 12:56)
マッターホルンも凄い上、他の雄々しい山々の連なりもカッコいいです^^。
咲いてる花々も見慣れないものが多くて新鮮。可愛らしいですね。
真っ青な花もなんて綺麗な色♪
by Inatimy (2024-08-30 17:09)
トモミ さん、コロナは私たちの貴重な時間を奪いましたね。2020年、21年と航空券・宿泊先を予約しましたが取り消しました。まだ先のあるトモミさんには取り戻せますが、年を重ねた私には戻って来ません。
Inatimy さん、マッターホルンだけでなくまわり全てがパノラマ絶景です。花もいろんな種類があり、脚が止まりっぱなしです。名前もわかりませんが、楽しめればいいでしょう。!(^^)!
by Jetstream (2024-08-30 19:37)