読者の自宅に使っていない古いPCはないだろうか。「Windows 11」をサポートしない「Windows 10」搭載PCを使用しているが、新しいマシンを購入することに興味はない、という人もいるかもしれない。そういう人はどうすればいいのだろうか。
軽量の「Linux」ディストリビューションを導入するといいだろう。このタイプのOSは通常、システム要件が非常に低く、古いマシンを新品のように生まれ変わらせることができる。軽量をうたうディストリビューションはいくつかあるが、本記事では、1GHz以下のCPU、2GB以下のRAM、10GB以下のストレージがシステム要件となっているものだけを紹介する。これらのディストリビューションはすべて、機能を犠牲にすることなく高速性を実現している。
それでは、どのディストリビューションを選択すればいいのだろうか。本記事では、適切なディストリビューションの選定に役立つ情報も紹介するので、心配は無用だ。
1. 「Linux Lite」
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提供:Jack Wallen/ZDNET
Linux Liteはおそらく最も優れた軽量Linuxディストリビューションだろう。長期サポート版の「Ubuntu LTS」をベースとし、使いやすさを念頭に置いて設計されている。「Xfce」デスクトップを採用しており、機能を犠牲にすることなく、すっきりとしたシンプルなUIを実現している。
インストールを完了すると、Linux Liteには、「Google Chrome」や「LibreOffice」「GIMP」「Photo Manager」「Deja Dup Backups」「VLC」、USBイメージライター、オンスクリーンキーボード、「Timeshift」(復元ポイントを作成)など、使用を開始するのに必要なアプリが多数含まれていることに気づくはずだ。必要なアプリが含まれていない場合は、いつでも「Synaptic Package Manager」のGUIを使って、探しているものを簡単に見つけることができる。
Linux Liteのシステム要件:
- CPU:1GHz以上
- 1GBのRAM
- 8GBのドライブ容量
2. 「AntiX」
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提供:Jack Wallen/ZDNET
AntiXも軽量のディストリビューションだが、Linux初心者にはお薦めしない。AntiXは、少なくともある程度はLinuxを使用した経験のあるユーザー向けである。なぜなら、AntiXでは、「zzzFM-IceWM」ウィンドウマネージャーが採用されているからだ。開発元はこのウィンドウマネージャーをかなり親しみのある外観に設定しているが、ユーザーがルック&フィールを変更するのは「KDE Plasma」や「GNOME」ほど簡単ではない。
AntiXには、「Firefox」やLibreOffice、「Firejail」、さまざまなメディアプレーヤーなど、多くのアプリがプリインストールされている。しかし、AntiXの最大の特徴は超高速であることだ。つまり、古いコンピューターでも購入したばかりの新品を使っているように感じる。
AntiXのシステム要件:
- CPU:Intelの「Core 2 Duo」、または、AMDの「Athlon 64 X2」
- 1GB以上のRAM
- 10GB以上のドライブ容量
- グラフィックス:3Dアクセラレーションに対応したグラフィックスカード
3. 「Bodhi Linux」
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提供:Jack Wallen/ZDNET
正直に告白すると、筆者はBodhi Linuxが大好きだ。「Moksha Desktop」は「Enlightenment」のフォークで、美しい外観を備えている。軽量ディストリビューションの中で、Bodhiは群を抜いて最もユニークな存在だ。しかし、そのユニークさ故にBodhi Linuxは使いにくいのではないか、とは思わないでほしい。実際に使用してみれば、このディストリビューションの使いやすさに驚くはずだ。
Bodhi Linuxで筆者が気に入っている機能の1つは、マウスの右クリックメニューだ。デスクトップ上の任意の場所を右クリックするとメニューが表示され、そこからアプリケーションを起動したり、そのほかの多くの機能を実行したりできる。右クリックメニューはデスクトップメニューと同じなので、非常に効率的だ。Bodhi Linuxには、視覚的に魅力的な要素はそれほど多くないが、美しいテーマが豊富に用意されている。
Bodhi Linuxのシステム要件:
- CPU:1.0GHz以上
- 768MBのRAM
- 10GBのドライブ容量