先ごろ「GPT-4 Turbo」の改良版を「OpenAI API」を通じて開発者向けに提供開始した際、OpenAIは、この改良版を間もなく「ChatGPT」でも提供すると予告した。それからわずか数日後、同社は約束を守り、ChatGPTをアップグレードした。
OpenAIは米国時間4月11日、「ChatGPT Plus」「ChatGPT Team」「ChatGPT Enterprise」に登録しているすべてのユーザーが、改良版GPT-4 Turboを利用できるようになったと発表した。この改良版では、文章の作成や数学的問題の解決、論理的推論、コーディングで日々の回答が改善されるはずだ。
2024年1月バージョンのGPT-4 Turboと比べて、今回のアップグレード版は、下の図を見れば分かるように、MMLU(Measuring Massive Multitask Language Understanding)、MATH(Measuring Mathematical Problem Solving With the MATH Dataset)、GPQA(A Graduate-Level Google-Proof Q&A Benchmark)など、AIモデルの習熟度テストに利用される一連のベンチマークでパフォーマンスが向上した。
Our new GPT-4 Turbo is now available to paid ChatGPT users. We’ve improved capabilities in writing, math, logical reasoning, and coding.
— OpenAI (@OpenAI) April 12, 2024
Source: https://t.co/fjoXDCOnPr pic.twitter.com/I4fg4aDq1T
OpenAIはさらに、ChatGPTで文章を作成する際、最新版のGPT-4 Turbo(gpt-4-turbo-2024-04-09)は「より直接的で冗長性が低く、会話的な言葉を用いた」回答を生成するはずだと述べている。
OpenAIが挙げた例では、同じ「私の誕生日を祝うディナーへの招待状に対して出欠の返事をするよう友人に催促するショートメッセージ」というプロンプトを使って、両バージョンのモデルに回答を生成させた。旧バージョンは不自然に聞こえる長い回答を生成したのに対し、アップデート版の回答は短く、人が送信するメッセージのような印象を受ける。
提供:OpenAI
OpenAIの最高経営責任者(CEO)であるSam Altman氏は、アップグレード版GPT-4 Turboに言及し、GPT-4が「かなり賢くなり、さらに使うのが楽しくなった」と述べた。
gpt-4 now significantly smarter and more pleasant to use https://t.co/Hozi5rpIkW
— Sam Altman (@sama) April 12, 2024
米ZDNETでも、GPT-4 Turboがデフォルトで搭載されている無料版の「Copilot」でGPT-4とGPT-4 Turboの性能を比較したことがあるが、GPT-4 TurboはGPT-4と比べて推論と回答の質が向上していた。
ChatGPTの改良版GPT-4 Turboを自身で試したい場合は、月額20ドル(約3000円)でChatGPT Plusに登録する必要がある。会社のオーナーで、ChatGPT EnterpriseかChatGPT Teamへの登録を希望する場合は、どちらを選ぶべきか、および料金体系、登録方法について、こちらの記事で解説している。
提供:Getty Images/Pau Barrena/Contributor
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。