輸送・通信支援 | World Food Programme Skip to main content

紛争、自然災害や大量避難民の発生がかつてないほど多くの犠牲をもたらしている現在、人道支援は世界中で必要とされています。国連WFPは、50年にわたり世界の最も困難な環境下で危機に対処して来た経験から、物資調達、工学、緊急情報通信の分野における膨大な知見と能力を持つようになりました。その経験から国連WFPは現地の状況に応じ、緊急事態への備えや中長期的な開発の取り組みに際して、他支援機関へのサポートを展開できるようになりました。

限られた資金で高い効果を期待される人道支援業界では、協働、資源の共有、プロセスの合理化の必要が増しています。国連WFPは民間セクターのパートナーと緊密に連携を図りながら、支援国・支援対象者はもちろん、環境に対しても負担が少ない形で、人道支援機関がより多くの人命を迅速に救えるよう、物流や情報通信に関するさまざまな資源や機能を提供しています。

国連WFPは世界中で食料、物資、サービスの調達を行なっているため、人道支援機関に対しても優れた市場価格で、迅速かつ効率的にモノ・サービスを提供することができます。

加えて、大規模な緊急事態へ迅速に対応するための役割分担を示したクラスター制度が国連やNGOなどの人道支援機関によって構成されています。国連WFPはロジスティクス(物流)分野と情報通信分野、そして食料安全保障分野のリーダーを担い、緊急支援時に他の機関と共に支援を率いています。ロジスティクと情報通信の分野では、人道支援機関が共同で利用できるサービスを提供し、他の機関の効率的・効果的な支援活動を支えています。食料安全保障分野では人道危機の際の食料確保の対応を調整し、食料は十分に供給されているか、入手可能か、摂取できる状況かなどの課題解決に取り組んでいます。

国連機関、NGO、政府機関のために国連WFPが提供しているサービス

食料、支援物資、支援活動用の機器の調達
連携する支援機関のために、子どものための特別な栄養食品、水や衛生用品、移動式倉庫、車両および緊急情報通信機器などを調達するサービスを行なっています。
緊急用備蓄および事前配置
国連WFPはさまざまな食料や支援物資(家族向けのテントから調理器具一式および支援活動用の道具まで)の保管サービスも提供しています。保管場所としては、世界の災害多発地域6カ所に戦略的に配置された国連人道支援物資備蓄庫(UNHRD)、および支援現場の最前線で国連WFP が運営する何百カ所もの倉庫があります。要望に応じて、医薬品のように温度の変化に敏感な物品の冷蔵保管も可能です。
貨物運輸
国連WFPは、途上国国内や周辺地域、そして全世界でのネットワークをもつ陸空海の輸送業者と連携し、自団体および他の支援機関のために、食料やその他の支援物資の輸送を行なっています。
情報通信 サービス
国連WFPは支援諸機関の要請に応じて、アクセスの困難な場所で通信網を接続するため情報通信の専門家を派遣し、支援活動を可能にしています。
航空旅客輸送
国連WFPは、治安悪化、インフラ不足、民間航空便がないなどの理由で他に現地への移動・輸送手段がない15以上の国で、支援関係者の重要な足となる航空旅客サービスを提供しています。国連人道支援航空サービス(UNHAS)と呼ばれるこのサービスにより、支援を必要とする人々や地域に対して人道支援機関が継続的な支援を行えるよう支えています。
倉庫保管および管理
国連WFP は75以上の国で現地の会社と労働者を雇い、食料と支援物資の適切な保管管理作業を行っています。
土木支援
国連WFPは人道支援を行う上で必要になる土木工事の分野でも人道支援業界で随一の知見を有しており、各国政府、NGO、国連機関の要請に応じて提供しています。提供サービスは滑走路の復旧、橋の再建などの交通インフラ、緊急事態に備えるインフラの整備、持続可能なエネルギーソリューションまで広範囲にわたります。
医療・健康・宿泊サービス
支援対象者に必要な支援を届けるためには、前提条件として支援活動に従事する人道支援機関の職員自身の福利厚生を確保しなければなりません。これには、現場勤務の職員のワクチン接種を行うための団体契約、国連WFP ゲストハウスの宿泊設備、および職場環境の人間工学的評価を遠隔で行うなどが含まれます。